感動ドラマ– tag –
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マイノリティに未来はあるのか 映画『グレイテスト・ショーマン』が描くノーマライゼーションの精神
異形、有色、障がい者など、社会的マイノリティにスポットライトを当て、一流の興行師を目指すバーナムと家族の葛藤を描いた新感覚のミュージカル。好奇と蔑みの眼差しの中、『This is Me(これが私)』と熱唱する場面は圧巻。 -
映画『八甲田山』と死の彷徨 日本の組織は昔も、今も…
軍隊という硬直した組織と一部の権力に振り回される庶民の悲哀を描いた超大作。日本を戦争に駆り立てたものは何だったのか。なぜ誰も軍と政府の暴走を止めることができなかったのか。作家・新田次郎の怒りが深く静かに伝わってくる原作とルポルタージュの見どころを紹介。 -
ロシア人のドタバタ珍道中とノスタルジーを描く 音楽映画『オーケストラ!』
ボリショイ交響楽団の名指揮者アンドレイはブレジネフ政権のユダヤ人演奏家排斥を拒否して、掃除夫に降格される。ある時、パリ・シャトレ座からの公演依頼を目にしたアンドレイは昔の仲間を集めてパリに乗り込むが、バイオリニストのアンヌ=マリーの間に秘められた過去があった。チャイコフスキーのバイオリン協奏曲をテーマにロシア人の珍道中を描くハートフル・コメディの傑作を動画で紹介。コラム『過ぎ去った時代へのノスタルジー』 -
映画『スラムドッグ$ミリオネア』僕と君の違いは『運』だけ
クイズ・ミリオネアに出場したスラム出身の青年が次々に難問を解いてファイナルアンサーに挑む。貧困、人身売買、売春など、インドの壮絶な現実を背景に、少年達のパワフルな生き様と知恵を描いたヒューマンドラマ。コラム「貧困を生き抜いた兄弟 ~正義に生きるか、暴力に走るか」「僕と君の違いは運だけ」「暴力こそ救い ~兄サリームの生き様」 -
WALL-E(ウォーリー)痛烈なる社会風刺と第二の創世記
宇宙コロニーを舞台に、大量消費社会と機械化文明を風刺するロボットアニメの傑作。人々は皆肥大化し、完全自動化された町で、コンピュータに管理され、他人と顔を合わせることもなく、移動マシンに乗って暮らす彼らの姿は未来の人類を思わせる。エヴァを追いかけるウォーリーの行動は町に大混乱を引き起こすが・・ -
映画と原作から読み解く『ゴッドファーザー』三部作 ~人生を支える第二の父親とは
「世の中はつらいことだらけだから、二人の父親に面倒をみてもらわなければ生きていけない。そんな意味合いから、名付け親(ゴッドファーザー)というものが生まれたのです」ドン・コルレオーネと三人の息子らの宿命を描いた名作の世界観を原作の抜粋と動画で紹介。 -
悪女 VS キャリアウーマン 事件の印象が証言を左右する 松本清張の『疑惑』
一台の車が埠頭から海に突っ込み、鬼塚球磨子は救助されるが、車内に取り残された夫の白河福太郎は死亡する。前科四犯の毒婦の先入観から、球磨子の犯行という前提の元に裁判が進むが、彼女の弁護を引き受けた佐原律子の鋭い推理により、思いがけない事実が明らかになる。桃井かおりと岩下志麻、二大女優が火花を散らす野村芳太郎監督の傑作。小説と映画の違いを併せて紹介。 -
自己主張にも言葉のスキルが必要 映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』
ヒップホップを通じて貧困問題や人種差別を訴え、全米の若者の心を鷲づかみにした伝説のグループ『N.W.A』。早逝したイージー・Eや、ドクター・ドレ、アイス・キューブらの青春模様をスタイリッシュなライブ映像で描く伝記映画を動画・Spotifyを交えて紹介。コラム『自己主張にも言葉のスキルは必要』と併せて。 -
映画『LIFE! / ライフ』 25番のネガが意味するもの / インスタ世代と自分の目で見る大切さ
失われた25番のネガが意味するもの ベン・スタイラー主演・監督の映画『LIFE』(ライフ)は、不思議な作品だ。 いわゆる感動ドラマではあるが、脚本はいまいち掴み所がないし、お涙頂戴の展開もない。登場人物も、「普通っぽい」役者ばかりで、取り立てて魅力はないし、主人公ウォルターのエピソードもどこまで本当か分からない。最後は禁断... -
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と蠍の火 ~まことのみんなの幸のために
「どうしてわたしはわたしのからだを、だまっていたちにくれてやらなかったろう。こんなにむなしく命をすてず、どうかこの次には、まことのみんなの幸のために私のからだをおつかいください」蠍の願いは燃えるような赤い星に昇華する。慈愛と救済がぎゅっと凝縮された『銀河鉄道の夜』の名場面をアニメと併せて紹介。ブルカニロ博士の削除に関するコラムも掲載しています。 -
生みの母か、育ての母か。親子の絆を描いた TVドラマ『カミヤ・モブリー 私の母は誘拐犯』
少女アレックスは大家族で幸せに暮らしていたが、16歳になったある日、最愛の母グロリアから、「お前は誘拐して育てた子」と打ち明けられる。不安になったアレックスがネットの情報を頼りに生みの母に連絡を取ったことがきっかけで、警察が動き出し、家族の幸福に終止符が打たれる。 -
人生もドライブの如く 心にしみるヒューマンドラマ 映画『しあわせへのまわり道』
映画『しあわせへのまわり道』 作品の概要 しあわせへのまわり道 - Learning to Drive (運転を学ぶ。自動車教習の意味) 主演 : パトリシア・クラークソン(ウェンディ)、ベン・キングスレー(インド系の教官・ダルワーン) しあわせへのまわり道(吹替版) あらすじ 書評家として活躍するウェンディは、タクシーの中で、夫と口論になり... -
両親が離婚しても、家族は心で繋がる ファミリーコメディの傑作『ミセス・ダウト』
考え方の違いから、ダニエルとミランダは離婚する。だが、ダニエルは大好きな子供たちと一緒に過ごすため、上品な英国婦人『ミセス・ダウトファイア』になりすまし、家政婦として出入りするようになる。コメディではあるが、夫婦関係や家族の在り方について問いかける良質なコメディ。 -
いかに戦い、いかに終るか ~良い負け方が明日の道を開く 映画『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』
氷の男ビヨン・ボルグが前人未踏のウィンブルドン5連覇に挑む。強敵はテニス界の悪童、ジョン・マッケンロー。二人の対決は連続タイブレークにもつれこみ、22分間の死闘を繰り広げる。凄まじいまでのプレッシャーの中、ボルグを懸命に支えるコーチの指導が素晴らしい。 -
繊細だと絵は売れない 映画『ビッグ・アイズ』
内気な妻マーガレットに成り代わり、口八丁手八丁の夫ウォルターは作者を装って少女画『ビッグ・アイズ』を売りまくるが、嘘は長続きしなかった。派手な宣伝や評判に惑わされずに『真実を見ろ』。絵の中の大きな瞳は見る人にそう語りかけている。映画の見どころと芸術商法に関するコラムを掲載。 -
異文化交流の理想と葛藤を描く 映画『マダム・マロリーと魔法のスパイス』
移民問題に揺れる欧州。高級レストランの真向かいに、まさかのインド料理店。気品溢れる女主人マロリーと香辛料プンプンの移民一家は対立するが、料理を通じて次第に理解し合うようになる。異文化共生について考えさせられる心温まる人間ドラマ。コラム『伝統だけでは廃れる。自己流だけだと伸び悩む』と合わせて -
飛べない蝶にも意味はある 映画『パピヨン』 ドガは本当に負け犬なのか?
映画の結末については、断崖から飛び降りたパピヨン(スティーブ・マックイーン)が英雄で、島に留まったドガ(ダスティン・ホフマン)は臆病な負け犬という見方が一般的ですが、果たしてそうでしょうか。自身の体力を考え、島で生き抜く決意をしたドガにも矜持はあります。どんな道を選ぼうと、最後まで生き抜けば、それは人生の勝者ではないかというお話。 -
ヤクザは人間ではない 角川映画『キャバレー』とサックスの名曲「レフトアローン」
ミュージシャンが指を切り落とされて「ひどい、あんた人間じゃない(野村宏伸)」「オレはヤクザなんだよ(鹿賀丈史)」でお馴染みの80年代角川映画のヒット作。マリーンの歌うジャズの名曲『レフトアローン』も印象的で、曲だけ憶えている人も多いはず。果てして実際のやくざはどうなのか。親分さんの思い出から綴る。 -
もう二度と飢えに泣かない 映画『風と共に去りぬ』とスカーレットの強さ
Tomorrow is another day (明日に望みを託して)が有名だが、第一部のエンディング、戦争に負けて、初めて人生の苦難を知ったスカーレットが荒廃した大地に立ちあがり、『神様を証人に誓う。もう二度と飢えに泣きません』の台詞も素晴らしい。女性が強く生きること、海外作品を英語で読み解く面白さを紹介。人種差別のキャンセルカルチャーに対する私見も併記しています。 -
主よ 私を平和の道具にして下さい 映画『15時17分、パリ行き』
パリ行きの高速鉄道で起きたタリス銃乱射事件に居合わせた青年三人は小学校時代から落ちこぼれだった。軍人となったスペンサーは自らの役割を見出し、心身を鍛えながら、天の道具として能力を生かせる機会を待つ。キリスト教精神に支えられた青年たちの心の成長と活躍を描く人間ドラマ。コラム『なぜ死ぬことによって永遠の命を得るのか』『天命に生きる意味と信仰の奇跡』『キリスト教精神と無我の境地』
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