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ヒロインの変遷 オスカルとマリーアントワネット
私が「ベルばら」にすっ転んだのは小学校四年生の時です。 NHKで見た宝塚劇場中継がきっかけでした。 その頃は、愛だの恋だのという話はもちろん、生き甲斐だの、人生だのというテーマにも何の関心もなかったので、『オスカル』というヒロインとの出会いは、それは大きいものでした。 「男として、男の人生を生きる」とか、「女でありながら... -
海を越えた「ベルばら」 ~マリー・アントワネットと海外移住の想い
昨年9月に、家人と一緒にフランスを旅行した時の話です。 フランスといえば『ベルサイユのばら』。 観光するとしたら、ベルサイユ宮殿しか思いつかないほど、「ベルばら」への思い入れは強く、 「君は、宮殿だの、宝石だの、ドレスだのって、本当にお姫様チックなのが好きだなあ」 と、彼に呆れられても、好きなものは好きだし、ベルサイユ... -
無名戦士の墓 名もなき祖国の英雄たち ~フランス衛兵隊とオスカルの決意
欧州各地に存在する無名戦士の墓。歴史の書物に刻まれるのは一握りですが、その足下には何十億という人々が存在します。「ベルばら」では、民衆の側について戦うことを決意したオスカルが「我らは名もなき祖国の英雄になろう」と兵士たちを奮い立たせる場面が有名。ポーランドの無名戦士の墓の写真と併せて紹介。 -
ド・ゲメネ公爵のだまし討ちとオスカルの怒り ~人間としての怒りが世の中を変える
空腹のあまりパンを盗んだ幼子を後ろから騙し討ちにしたド・ゲメネ公爵。その一部始終を見ていたオスカルは宮廷の晩餐会で「まだものの善悪もわからぬ子どもを背中からピストルでだましうちするような男がいっぱしに公爵だなどとは、かたはらいたい」と告発し、決闘を受けて立ちます。オスカルの真っ直ぐな正義感が表れたエピソードを紹介。 -
ベルばら・コード ~サクレクール寺院を探せ 勢いで描いてしまった池田先生の創作秘話より
ベルサイユのばらを創作するにあたって、池田理代子先生は「図書館や出版社の資料室に行って、日本で手に入れられる限りの本を資料にしました。実物はまったく見ずに写真を見て絵を描いていたわけです」。連載後、フランス革命時には存在しなかったサクレクール寺院が描かれていることを読者から指摘されます。その箇所はどこでしょう。 -
ルイ16世の願い ~Shall we ダンス? 一度、あなたと踊ってみたい
美しい妻マリー・アントワネットに恋心を抱きながらも、容姿コンプレックスから愛の言葉もかけられず、ダンスの申し込みもできなかったルイ16世。マリーも決して嫌いではなかったのだから、勇気をもってアプローチすれば、ダンスを踊ることもできただろうに、というコラム。 -
素敵な恋のあきらめ方 ~オスカルの失恋とフェルゼンの誠実
フランス王家をお守りする為に、幼少時から男として育てられたオスカルは、自分でも「自分は男だ」と信じ、軍人の道を一筋に歩んできました。 しかし、典雅で高潔なスウェーデン貴族フェルゼンに心を奪われます。 オスカルが自覚した時には、フェルゼンの運命はマリー・アントワネットに定められ、オスカルの想いを受け入れることはできませ... -
お手製ショコラの思い出 「そのショコラが熱くなかったことを幸いに思え」
ベルばらには、しばしば『ショコラ』が登場します。 わけても有名なのが、アンドレがジェローデルの顔にショコラをぶっかけ、「そのショコラが熱くなかったことを幸いに思え!」という捨て台詞を吐いて立ち去る場面でしょう。 ベルサイユのばら・第6巻『燃えあがる革命の火』では、にわかにオスカルの結婚話が持ち上がります。 フランスの不... -
恋人たちの夏時間 ~オスカルとアンドレの今宵一夜
革命前夜、オスカルとアンドレは夫婦として結ばれる。今宵一夜限りのベッドシーンは究極の愛を描いて少女らの心を鷲づかみにした。少女漫画初のベッドシーンと呼ばれる第8巻の場面と欧州のサマータイムに関するコラム。 -
母の愛は馬車より強し ロザリーのお母さんの勇気
貧苦にあえぐロザリーの母親は、ロザリーの生みの母であるポリニャック伯爵夫人の馬車の前に飛び出し、命を落とします。しかし、夫人は「文句があるなら、いつでもベルサイユにいらっしゃい」と有名な捨て台詞を残して去って行きます。ロザリーの母親の勇気と、この出来事がオスカルとの出会いに繋がったエピソードにまつわるコラムです。ポーランドの馬車も動画で紹介。 -
オスカルさまとブランデー 心の革命と『酒とバラの日々』(ヘンリー・マンシーニ)
結婚話をけってから酒びたりになったオスカル。彼女にとってのフランス革命とは、「こうあるべき」という価値観を打破する、内なる革命でもありました。ヘンリー・マンシーニの名曲『酒とバラの日々』の動画と歌詞も紹介しています。 -
無知は知の始まり オスカルさまと野菜スープ ~貴族が庶民の現実を知る時
大貴族の令嬢に生まれ育ち、華やかなベルサイユ宮殿の世界しか知らないオスカルが、ロザリーの手引きで、初めてパリの貧しい庶民の暮らしを体験する場面。「分かったつもり」でも、何一つ理解していなかったことを思い知り、後のバスティーユ攻撃に繋がるエピソードです。ポーランドの病院の食事や施設を動画と写真で紹介。 -
アンドレの「濡れてきらめく黒曜石の瞳」 人はなぜ眼差しに惹かれるのか
視神経は大脳に直結するため、心に思ったことがダイレクトに現れます。ベルばらではオスカルが「濡れてきらめく黒曜石の瞳」とアンドレへの恋心を語ります。小説『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラの「星のようにふちどるまつ毛」をモチーフに、目の魅力について語るコラム。 -
マリー・アントワネットの哀しみが心に流れてきた日 ベルサイユ宮殿の思い出
今も根強い人気を誇るマリー・アントワネット。彼女は歴代の王妃とどこが違うのか。悲運と魅力について綴る、ベルサイユ宮殿の訪問記。 -
愛を知って ~成長とは女性の苦悩が理解できること
許されざる恋に身を焦がすマリーに正論で詰め寄り、「あなたに女の心をもとめるのは無理なことだったのでしょうか」としたたかに打ちのめされたオスカルが愛を知って、マリーの心情が理解できるようになったエピソード。 -
水原勇気とセクハラと現代のドリームボール
水島新司が「女性のプロ野球選手を漫画に描こう」と思い立ち、有名選手にアドバイスを仰いだところ、否定的な回答ばかりだった。野村監督だけが「その女の子にしか投げられへんボールがあれば、リリーフエースのような形で使えるかもしれんな」と可能性を示唆。「彼女にしか投げられない決め球」が道を切り開くこともある。男性に勝つのではなく、女性ならではの能力で堂々と社会のマウンドに立とうというコラム。 -
マリー・アントワネットの負けの美学 ~オーストリア女に生まれ、オーストリア女として死す
フランス王家に嫁いでも、死ぬまで「オーストリア女」とみなされ、革命においては憎悪の対象となったマリー・アントワネットの無念と、安達正勝氏の著書より最後の様子を紹介。美しく負けることにこだわったマリーの生き様が感じられます。 -
さようなら、オスカル 『少女』から『女』へ 変容の時
結婚後、少女時代の理想だった「天翔るように自由なオスカル」への憧れは消え、囚われの女だったマリー・アントワネットの生き方に強く共感するようになった。少女から女、そして母性へと変容を遂げる女性向けコラム。
『オスカルのように生きたい少女時代 / オスカルよりマリー・アントワネットに共感する日 / マリー・アントワネットは本当に囚われの女性なのか? / ペガサスの羽根より、大地の強さ / オスカルに別れを告げて、少女は大人になる』 -
オスカルは日本の女 実写映画「ベルサイユのばら」評論より ~ジェンダー革命のアイコンにしてはいけない理由
男装の麗人オスカルというイメージから、ジェンダー革命のアイコンのように語られがちですが、オスカルは日本文化に生まれ育った、典型的な日本女性であり、父親から与えられた苛酷な運命を受け入れ、肯定し、自分らしい生き方に昇華した、理想の女性です。実写映画『ベルサイユのばら』特別号に寄稿された虫明亜呂無氏の評論を交えながら、男社会における女性の生き方について解説。
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