愛と耽美のドラマ– tag –
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女装スパイと外交官の官能愛を描く 映画『エム・バタフライ』
北京のフランス大使館に赴任したルネ・ガリマールは蝶々夫人のアリアを歌う女優のソン・リリンに一目惚れし、二人は愛し合うようになる。だが彼女の正体は中国政府の女装スパイだった。実話を元に異形愛を描くクローネンバーグの傑作を動画と画像で解説。 -
小説『カルメン』 バスク語と恋の始まり ~女の話す言葉に、男が故郷を感じる時
映画やオペラで有名な『カルメン』の原作は観客のイメージとかなり異なり、ボヘミア文化に詳しい考古学者の旅から始まり、死刑囚ドン・ホセの回想録として恋の物語が語られます。自由奔放で炎の女カルメンは本当にドン・ホセを愛していたのでしょうか。二人の心を繋いだバスク語の話題を中心に、メリメの原作を紹介。 -
『チャタレイ夫人の恋人』~肉体の声に耳を傾け、自分に素直に生きる
上流階級のコニーは半身不随となった夫に振り回され、疲れ切っていたが、森番メリーズと知り合って、生きる歓びを取り戻す。猥褻か、芸術かで裁判沙汰になったD・H・ロレンスの性愛小説。過激な性描写と思われがちだが、本質は、肉体を通じた男女の愛と、ありのままに生きる大切さを謳った人生賛歌である。小説の抜粋とショーン・ビーン主演のTVドラマを動画で紹介。 -
エセ文化人が美と知性を滅ぼす 映画『コックと泥棒、その妻と愛人』
泥棒のアルバートは一流レストランのオーナーだが、文化などまったく理解しない反知性の俗物でもある。虐げられた妻ジョジーナは読書家のマイケルと恋に落ちるが、アルバートにばれて悲劇が起きる。ジョジーナと料理人が企てた壮絶な復讐と文化の死を解説。 -
映画『トワイライト・サーガ / エクリプス』に見るアメリカの性教育 ~エドワードが途中で行為を止めたわけ
世界中のティーンの心を鷲掴みにしたファンタジー・ラブロマンス『エクリプス/トワイライト・サーガ 』で、人間の娘ベラとヴァンパイアのエドワードは肉体的に結ばれかけますが、エドワードはベラの身を想って、途中で行為を止めてしまいます。本作が伝えたかった愛の形と性教育のあり方について綴るコラム。 -
愛と死の世界 ワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』の音楽解説と昭和の名盤
「この世を離れて私はあなたのものになる」愛は突き詰めれば死に至る、究極のエロスとタナトスを描いたワーグナーの傑作。元となったジョゼフ・ベディエ編 「トリスタンとイズー物語」 の抜粋も交えながらオペラの見どころと名盤を紹介。雑誌『音楽の友』に掲載されたコラムも掲載。 -
老いらくの恋こそ盲目 ~人生の結果をいかに引き受けるか 映画『鑑定士と顔のない依頼人』
美術鑑定士ヴァージルは若い令嬢から美術品の競売を依頼される。顔を見せない依頼人に次第に心惹かれるが、そこには巧妙な罠が仕掛けられいた。老いらくの恋で嘘が見抜けなかった老人の悲哀を描く。 -
美しい女が老いに直面する時 映画『血の伯爵夫人』 エリザベート・バートリと年下の恋人
若さと美を願うのは、間違いですか? 美貌の伯爵夫人エリザベート・バートリは、21歳の若くてハンサムなイシュトヴァンに恋をしたことから、自分の老いを強く意識するようになる。愛を失うことを恐れた夫人は自らの美貌を永遠に保つことに執心し、乙女たちの生き血を求めるようになる。女性の老いと悲哀を正面から描いた人間ドラマ。 -
極限下の愛と支配を描く 映画『愛の嵐』 ~暴力でしか愛を表現できない男と離れられない女
半裸の少女がナチス将校の衣装をまとい、両手で胸元を隠して、マレーネ・ディートリッヒの曲を儚げに歌う場面で有名。将校マクシミリアンと囚人のルチアは、戦後、見知らぬ他人として再会するが、再び激しく求め合う。『私は第三帝国に仕えたことを誇りに思う。再び生まれても同じことをするだろう』『僕はあえてドブネズミの人生を選んだんだ。夜、働くのには訳がある。光だよ。私には光が眩しいんだ』の台詞が印象的な衝撃作。 -
泣き虫の殺し屋『ニキータ』女は美しさを利用して成長する
フランス情報機関により、不良娘が一流の暗殺者に教育される。その指導を行うのが名女優ジャンヌ・モロー。『微笑みなさい。知的に見えなくても、相手に好感を与えるわ』『この世には無限のものが二つある。女の美しさとそれを利用すること』のような台詞は若い女性へのエールでもある。女性の成長と切ない恋を描いたアクション&ロマンスの傑作。 -
クリスマスに恋人と見たい恋愛映画『ゴースト/ニューヨークの幻』 ~幽霊にしか癒やせない悲しみがある
モリーとサムは幸せな幸せに暮らしていたが、サムは暴漢に襲われる。幽霊になったサムは天国に行くことを拒み、インチキ霊媒師オダ=メイと組んで、モリーを守ろうと奔走する。クリスマスに恋人と見たい恋愛映画の傑作。コラム『幽霊にしか癒やせない悲しみがある』と併せて。 -
恋の妄執を描く オドレイ・トトゥのサイコホラー 『愛してる、愛してない…』 / コラム『恋という名の執着』
可憐な美術学生アンジェリクは近所に住む心臓外科医のロイックに恋をする。二人は仲睦まじいカップルに見えたが、ロイックにはまるで身の覚えのない出来事だった。恋する女の妄想と執着を美人女優オドレイ・トトゥが好演。思い込みの激しい、「狂気のアメリ」のような演技は一見の価値がある。コラム『恋という名の執着』『妄執型の女性の特徴』 -
石岡瑛子さん追悼 フランシス・コッポラの映画『ドラキュラ』~不滅の愛を描く~
フランシス・コッポラの描く『ドラキュラ』はホラーを超えた愛の物語である。悪魔と知りながら恋に落ちるミーナ、愛欲に狂いながらも「愛するあなたをこんな苦しみの世界に引き込むことはできない」と吸血することを躊躇うドラキュラ。ゴシックとエロティックが織りなす幻想的な背景に、日本人デザイナー石岡瑛子の卓抜した衣装デザインが花を添える。 -
美しい男たちのスリリングな愛を描く映画『戦場のメリークリスマス』 贖罪と反戦の挽歌
第二次大戦下、ジャワ島の日本軍捕虜収容所で、日本語を理解する英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、捕虜たちを監督するハラ軍曹(ビートたけし)といつしか心を通わせるようになる。一方、厳格で、名誉と武士道を重んじる収容所の所長、ヨノイ大尉(坂本龍一)は、新たな捕虜となったジャック・セリアズの美しさと真っ直ぐな気性に次第に魅了されていく. -
映画『危険な情事』 肉体関係ができれば女は執着する
「私たち、大人じゃない」才色兼備の雑誌編集者アレックスに誘惑され、弁護士のダンは妻子の留守中に肉体関係をもつ。期限が来ると、ダンはいつもの日常に戻ろうとするが、運命の恋と信じたアレックスは執拗にダンを追い回し、ついには妻子の生命も脅かすようになる..。不倫の現実を描いたエイドリアン・ラインの傑作。コラム『自称「恋愛上手」の女の正体』『肉体関係ができれば女は執着する』 -
映画『SHAME-シェイム-』 愛してはならないものを愛してしまった時
性依存症に苦しむエリート社員のブランドンのアパートに恋愛依存症の妹シシーが転がり込んでくる。渋々面倒を見ていたが、シシーの振る舞いに苛立ち、ついに喧嘩になる。追い詰められたシシーは破滅的な行動に出る。映画の見どころを動画で紹介。コラム『愛してはならないものを愛してしまった時』と併せて。 -
もう女は愛さない ~同性愛エリートの転落を描いた映画『アナザー・カントリー』
英国の名門校で繰り広げられる学生間の権力闘争は、そのまま英国社会に反映される。野心家のガイ・ベネットは自治会幹部を目指すが、同性愛者であることが発覚し……禁断の魅力を画像付きで解説。 -
女は鷹に、男は狼に ~悲劇の恋人達の奇跡を描く恋愛ファンタジー 映画『レディホーク』
陽が昇ると女は鷹に、夜になると男は狼に変身してしまう。大僧正の呪いによって引き裂かれた恋人たち悲劇を美しい筆致で綴る原作本と映画の見どころを動画で紹介。ルトガー・ハウアー、ミシェル・ファイファー、マシュー・ブロデリックの演技も素晴らしいファンタジー映画の元祖。 -
どんな恋も9週間半で終わる 映画『ナインハーフ』 / コラム『潔さこそ、大人の女の証し』
恋人たちの9週間半を描く官能映画の傑作。公開時はエロティックなラブシーンが話題となり、ミッキー・ロークとキム・ベイジンガーも大人気となった。80年代を代表するポップスアーティストの楽曲も素晴らしく、見どころを動画とSpotifyで紹介。恋愛コラム『潔さこそ、大人の女の証し』と併せて。 -
愛する女を箱詰めに 映画『ボクシング・ヘレナ』が描く性と所有 /『エニグマ』サッドネス
女性恐怖症から性的不能となった外科医ニックは愛するヘレナを振り向かせる為、手足を切断して自宅に閉じ込める。最初は拒否していたヘレナも心を開くようになる。【コラム】性は心と体の結びつき~性的不能でも優しく尽くせば。ラブシーンに使われていたエニグマの『サッドネス』と併せて。
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