詩とアフォリズム– tag –
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曙光と落日 廻る光の哲学とニーチェ
今にも落ちそうな陽に、哀れを感じたことはありませんか? 西日の強さにうんざりさせられたことはありませんか? 私はどうしても『沈む陽』の気持ちが分からなくて、西の空を燃えるような赤や黄金に染める太陽に、何度も問いかけたものでした。 -
饗庭孝男『フランス 四季と愛の詩』 詩と写真で感じる大人の絵本
フランス文学の評論で著名な饗庭孝男氏の名著(絶版)から「恋する女の存在の不安は、たえず相矛盾する極から極へ移ることから生じる。愛は生から死へ、歓喜から涙へ、苦しみから安らぎへ、至福から絶望へと絶えず詩人を揺り動かし、片時も休むことがない」等の抜粋と、フランス語の原文とフランスの美しい風景写真から構成される本の一部を写真付きで紹介。 -
【短編】沈める寺 ~ドビュッシーの名曲より
短編『沈める寺』 一人の男が、湖のほとりにたたずんでいた。 彼は、ひと月ほど前から、湖の近くのホテルに滞在していた。そして、夕暮れになると、こうして湖のほとりに立ち、何時までも動かぬ水面をじっと見つめているのだった。 彼が何者で、何のために湖を見つめ続けているのか、知る者は一人としてなかった。 だが、同じホテルの客の一... -
E=MC2 人生の質量は心のエネルギー × 時間の2乗に優る
いよいよ21世紀が始まりました。皆様の抱負はいかがですか。 今回は、21世紀の始まりにふさわしく、ちょっと宇宙的な話を書こうと思います。 皆さんは、「時間」という概念をどのようにお持ちですか。 人間のタイムスパンは、一日24時間。 一生はだいたい80年です。 しかし、その時間の『量』も、人間が考え出した単位に基づくもの。 宇宙の... -
人生の春 ~泣けるうちが花
わあわあ泣けるのも、若さの特権です。 年取ってから嘆き悲しんでも、惨めなだけです。 私も枕カバーが変色するほど泣き明かしたクチですが、 今はあれほど落ち込む理由もないし(諦念にまみれて)、 純粋に泣けた時代が本当に懐かしいです。 変色した枕カバーを洗濯して、 春の日射しで乾かし、 来年こそは幸せになる! と誓った日。 そんな... -
【詩】 Darkness 闇もまた優しい
陽が当たりそうで 当たらない そんな暗闇を生きている 生きることに意味があったのは 言葉も知らない 無垢な頃 何が私を変えたかは 遠い昔のことなので 語る気にもなれない 時々 蜃気楼のように 夏の日差しを思い出すぐらいで そうして私は 何度も闇に落ちる 悲鳴も上げずに 何度も 何度も 闇もまた優しい そこでは 希望を持つことも 忘れ... -
「生きる」とは雪の中を泥だらけになって歩くこと
雪は、暖炉の傍らで、ホットチョコレートを飲みながら窓越しに見るから美しい. 右手に重さ2.5キログラムのジャガイモの袋、左手に直径17㎝の片手鍋とキャベツ一個、他にも、数種類の野菜や果物を持って歩く身には決して美しくない。 雪が深く降り積もれば、一歩前に進むだけでも大変だし、少し気温が上がって、一気に雪が溶け出せば、道全体... -
人生はまだ開かぬ薔薇のつぼみ
人生も、ミニバラも、つぼみを開く瞬間が最も苦しいという喩え。 -
努力が報われた時の悦びの涙 ~Tears of Joy
先日、枕を日干ししようとカバーを外し、陽にかざして見たら、何とも強烈な黄色いシミが幾つもあるのに気が付いた。それも拳大のものが、裏表ほぼ全面に。 なんだなんだ、これは!毎晩ヨダレをたらして寝ているワケじゃねえぞ! と思いながら、ここ数年の歩みを振り返ってみると、ああそう──涙して寝た夜のなんと多かったことか。 人は、いつ... -
物理学者と詩人と占星術師 ~世界は異なる個性と能力でバランスを保つ
人はそれぞれ個性も能力も異なるから世界はバランスを保っている。物理学者も詩人も占星術師も異なるスタンスで世界の謎を解き明かそうとしているだけで、意外と共通点は多いかもしれない。掲示板のトピックス『物理で80点以上取れる人ってどんな人なんだ』をテーマにした科学コラム。科学も究めると最後は神を見る。 -
河原町のジュリー あるルンペンの思い出 ~貧困に対する社会の想像力とは
京都・河原町の伝説のホームレス『河原町のジュリー』の死が京都新聞に掲載されたエピソードより。当時の貧困に対する社会の想像力や思いやり、現代の自己責任論についての所感です。 -
僕の居場所 ~淋しい野良猫の詩
僕は淋しい野良猫で、帰る場所を探している。いつでも、どこからでも、帰って行ける場所だ。いつか僕の帰る場所を見つけたら、僕はもう二度と自由を羨んだりしない。いつまでも君の側にいるよ。 -
ある田舎の『土葬』の思い出 ~現代のシンプル葬と葬儀の本質~
結婚式のように洗練された現代の葬儀に参列しながら、1970年代後半の田舎の土葬について振り返る。本来、葬式とは縁者が一同に会し、絆を確かめる為のもの。形ばかり求められ、何かと面倒な葬式離れの背景について考察。 -
【詩】 世界であなたほど愛している人はないから – Clair de Lune より
恋だけが、真の意味で、人間を完全にする。「異性」という、異質の人間との遭遇。「情熱」という、未知の感情との遭遇。恋は変え、恋は解き放つ。恋とは魂の変容。わたしたちは皆、片翼の鳥なのだ。恋の詩を収録 -
人生はあなたの神様に出会う旅 #ミニエッセイ
「人生はあなたの神様に出会う旅」「物事の意味に気付く時」「幸せの感じ方と心の空白に気付くこと」「成長に最も大切なのは間違いと向き合う勇気」「悲しみや苦しみは知ることの代償」「成長に最も大切なのは間違いと向き合う勇気」など。 -
好きなアルファベットは何ですか? 言葉こそ世界の扉
好きなアルファベットは何ですか? 言葉こそ世界の扉 皆さんには好きなアルファベットがありますか? 映画「フィフス・エレメント」では、主人公のブルース・ウィルスが、地球を救う“至高の存在”、美女リールーに「地球の歴史をどこまで学んだ?」と尋ねるシーンがあります。 リールーが、「『V』まで」と答えると、「ああ、『V』はいい。いい... -
恋が実れば、ロマンスも消える
恋が実れば、ロマンスも消える 恋を形而上に結びたかったのは、むしろ私の方かもしれない。 恋が実れば、ロマンスも消える。 ロマンスがなくなれば、創造の火も消える。 恋する者同志がカフェで向かい合い、 その想いの全てを語り尽くした瞬間、 恋の甘い苦しみも消えていくように。 触れるか、触れないかの、張り詰めた距離感が、 互いの存... -
海を想う人の詩
海をテーマにした詩集。『存在理由と海の生き物』『海が美しいのではなく 海を想う人の心が美しいのだ』『海が好きというよりは、海に込められた思い出がいとおしいのだ』『海月(くらげ)~ひと夏の命』 -
真珠と努力とライフワーク ~この世には、闇に落ちてはじめて分かる美しさがある
真珠は異物を抱き続けることで作られる。痛みや苦しみを抱くことに耐えられる人だけが作品を完成させることが出来るのだろう。自分が結晶させた真珠は、この世のどんな宝石にも勝る。真珠をテーマにした詩想を掲載しています。 -
なみだは にんげんのつくることのできる 一番 小さな海です ~寺山修司の海の詩
海への思いを美しい言葉で綴る初期の作品集。時に過激な言葉で若者を煽動する寺山修司の優しい感性が感じられる珠玉の少女詩集から、お気に入りの海の詩を紹介しています。