日本の作家– tag –
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捨てる神に拾う神 早坂茂三の言葉 / 田中角栄と共に闘ったオヤジの遺言
田中角栄の秘書として激動の昭和を生き抜いた早坂氏の名言集。『老人の跋扈は国を滅ぼす。しかし、青年の失敗は国を滅ぼさない』『国乱れて忠臣現れ、家貧しくして孝子現る』『何回も繰り返しひどい目に遇ったほうがいい』『惻隠の情』『意地とは人間が生きていくうえでの背骨』など。 -
映画『八甲田山』と死の彷徨 日本の組織は昔も、今も…
軍隊という硬直した組織と一部の権力に振り回される庶民の悲哀を描いた超大作。日本を戦争に駆り立てたものは何だったのか。なぜ誰も軍と政府の暴走を止めることができなかったのか。作家・新田次郎の怒りが深く静かに伝わってくる原作とルポルタージュの見どころを紹介。 -
松田優作の映画『野獣死すべし』 荻原朔太郎の『漂泊者の歌』とリップ・ヴァン・ウィンクルについて
松田優作の鬼気迫る演技で知られる『リップ・ヴァン・ウィンクル』の台詞と風俗の場面で流れる荻原朔太郎の詩『漂泊者の歌』を中心に映画の見どころを解説。戦場ジャーナリスト伊達邦彦の狂気をあますことなく見せつけるハードボイルドの傑作。 -
男は死んでも櫻色 (三島由紀夫) / 武士道とは、死ぬ事と見付けたり
男は死んでも櫻色。切腹の前には 死んでも生気を失わない様に頬に紅をひき、唇に紅をひく作法があった。敵に封じて恥じない道徳は死の後までも自分を美しく装い自分を生気あるように見せるたしなみを必要とする。散り際の美学を説く三島由紀夫の名言。 -
三島由紀夫&美輪明宏『黒蜥蜴』妖艶と美麗の極致
美貌の女盗賊・黒蜥蜴と明智小五郎の死闘を描いた江戸川乱歩の傑作。三島由紀夫が戯曲化し、美輪明宏が演じた舞台は耽美の極みであり、妖艶な世界観と流麗な台詞が素晴らしい。特に気に入った部分を紹介。 -
谷沢永一の言葉 「人の世を見定める」
谷沢永一の言葉 悟り、という無意味で馬鹿馬鹿しい言葉がある。 生死すなわち迷いの世界を超越することであるらしいが、万一そういう境地に達すれば、それ以後は生きている必要もないであろう。 われわれは如何に生きるかを問題としているのである。 それが迷いとするなら、人間の生存はすべて迷いであると観念すべきではないか。人倫、すな... -
『国民の道徳』(西部邁)より ~道徳の基本は死生観
『国民の道徳』(西部 邁)の概要 『国民の道徳』 文: 西部 邁(新しい歴史教科書をつくる会) 2000年10月27日発売予定 (株)扶桑社 サンケイ新聞(7月26日)に掲載されていたCMコピー 未来を語れるのは、道徳だけかもしれない 道徳は、過去のものではありません。 未来へ進む私たちに贈られた英知です。 信じられないことが続発していま... -
秩序が乱れると組織は機能しない ~野村克也 VS 早坂茂三の対談より
いつか再び、若い世代が戦いの必要性を実感した時、昭和のおとーさん達の硬派な言葉が心に響くかもしれない。ある意味、現代には顧みられぬこれらの本は、未来の悩める若者の為に書かれたのかもしれない。 -
通りすぎないものもある 村上春樹『風の歌を聴け』
『あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風にして生きている』の一文で知られる村上春樹のデビュー作。小説に現実性を求める人にはイライラするかもしれないが、随所に若い感性と洞察が光る印象的な作品。 -
だるまどん(父)の優しさ 絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』
だるまちゃんとてんぐちゃんは大の仲好し。てんぐちゃんが可愛い靴や帽子を被っているのを見て、だるまちゃんも同じものを欲しがります。子の願いに応えようとする父の愛を描いた名作の魅力を紹介。 -
地獄という芸術 遠山繁年の絵本『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)
芥川龍之介の名作『蜘蛛の糸』を遠山繁年の色彩鮮やかな絵画で綴る絵本。本作に描かれた地獄とは何か、蜘蛛の糸を伝ってきた何万の罪人は救われるのか、なぜ地獄の絵は生き生きと描かれるのかを考察したコラム。 -
渡辺淳一の本当の名作 ~『パリ行最終便』『メトレス(愛人)』『化身』『わたしの女神たち』etc
医師としても優れた観察眼の持ち主であった渡辺淳一のおすすめエッセーや小説を紹介。 -
江戸川乱歩の『芋虫』~現代の老人介護を想う
時子の夫は戦争で負傷し、手足を失って、芋虫のような寝たきりになってしまう。時子はかいがいしく世話していたが、やがて疲れ切り、暗い感情を抱くようになる。発作的に夫を傷つけた後、時子が目にしたものは……。現代の介護者の苦悩を思わせる壮絶な心理描写と結末が衝撃的な乱歩の傑作。作品をモチーフとした介護コラムを掲載。 -
側溝男と江戸川乱歩の『人間椅子』 フェチズムの極みは一体化
作家・佳子は不思議な手紙を受け取る。そこには椅子の中に潜んで人間の感触を愉しむ『人間椅子』の愉悦と恋が書き綴られていた。人間椅子の恋の相手が自分と気づいた佳子に驚愕の結末が待ち受ける。椅子と一体化する究極のフェチズムを描いた乱歩の傑作と実在の側溝男の文学的魅力を紹介。 -
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と蠍の火 ~まことのみんなの幸のために
「どうしてわたしはわたしのからだを、だまっていたちにくれてやらなかったろう。こんなにむなしく命をすてず、どうかこの次には、まことのみんなの幸のために私のからだをおつかいください」蠍の願いは燃えるような赤い星に昇華する。慈愛と救済がぎゅっと凝縮された『銀河鉄道の夜』の名場面をアニメと併せて紹介。ブルカニロ博士の削除に関するコラムも掲載しています。 -
曙光の言葉 ~海の愛、人の知恵、恋のささやき
『海洋小説 MORGENROOD -曙光』の中から心に響く言葉を集めています。 仕事、人生、恋愛、等々。 お気に入りの言葉が見つかれば幸いです。 曙光の言葉 [wp_show_posts id="2831"] Kindleストア -
池上遼一が描く艶やかな文豪の世界 『近代日本文学名作傑作選』/ 地獄変、お勢登場、藤十郎の恋、松風の門、天守物語
心卑しい天才絵師が、帝から命じられた「地獄変」の屏風絵を完成させるため、「世にも美しい女が火に焼かれて悶え死ぬところが見たい」と申し出たところ、帝の計らいで実現する。だが、絵師の目の前で火にかけられたのは、なんと彼が心から愛する一人娘だった……芥川龍之介『地獄変』をはじめ、日本文学の名作を官能的に描いた珠玉の短編集。巻末の中島梓氏の書評の紹介と併せて。 -
山崎豊子の医療小説『白い巨塔』 あとがきに記された作家の社会的使命とは
貧しい地方出身の財前五郎は浪速大学の教授に上り詰めるが、ガン転移を見逃し、患者を死に至らしめる。悲しみ憤る遺族は裁判を起こすが、財前は政治力を駆使して叩き潰そうとする。医学界のヒエラルキーと権力に翻弄される人間模様を、確かな医学知識を元に描く医療小説の金字塔。本作のあとがきに記された作家・山崎豊子の社会的使命を紹介。 -
戦後日本の宿命と社会の不条理を描く 森村誠一『人間の証明』
八杉恭子に人間の心が残っているなら、必ず自白するはずだ。戦争直後の混乱と貧困を背景に、人種差別や階級格差を描いた本作は、単なる推理劇にとどまらない重厚かつ社会的な人間ドラマ。 -
「自分さえ良ければ」の連鎖 ~貞子の『リング』より
鈴木光司のベストセラー『リング』では「自分さえ良ければ、他人はどうなってもいい」という利己的な理由から呪いのビデオがどんどんコピーされます。自分のやりたいことをやってママが輝けば、子供も幸せなはずという考え方は本当に正しいのかを考察するコラム。
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