親子関係と自立– category –
-
その正論に愛はありますか ~正しいだけの親は要らない
正論は子供を苦しめる 子どもに教え諭す時、正論を言う人も少なくないと思います。 「嘘をついてはいけません」 「門限を破ってはいけません」 「弱い者いじめをしてはいけません」 反論する余地もない、絶対的正義――いわゆる『正論』と呼ばれるものです。 この正論を口にされたら、誰も何も言い返せません。 なぜなら、正論は常に正しいから... -
腐っても、母親 ~子供にとって母親は神聖な存在
親が子供を愛する以上に、子供は親を愛している 『婦人公論』2007年4月22日号の特集「子育ての正解は『自分流』」の特集に、こんな言葉がありました。 親の育て方が子供の個性に影響を与えるのではなく、子供の個性が親の育て方を決めている、とも言えるわけですよ。 発言者はお茶の水女子大学教授で、子育てに関する本もたくさん著しておら... -
『親の書いた作文で賞をとり、親が書いた絵で賞を取り』 利己的なエリート教育の末路
はじめに ~避けられなかった悲劇 2008年、東京・秋葉原で起きた通り魔事件の第一報を聞いて、一番に思ったのは、「日本はこの10年間、何も学んでいない」ということでした。 90年代半ばから、高学歴の若者を中心としたカルト教団のテロ事件、17歳による凶行、お受験殺人など、多くの課題が投げかけられてきたにもかかわらず、またも似たよ... -
人生は誰に出会うかで決まる
人生の大きな流れは本人の能力や努力とは離れた「人との出会い」で決まります。いい出会いがなければ、どれほど優れた才能も活かされずに終わるし、凡庸な人でも良い上司や仲間に恵まれたら大きな成果を上げることができます。心を磨き、礼節を重んじ、強力なパートナーに見込まれることも大事な才能です。 -
子育てとは子供時代をもう一度生き直すこと ~映画『ファインディング・ニモ』より
映画『ファインディング・ニモ』は、2003年に封切られたピクサーのアニメです。 臆病なカクレクマノミのマーリンは、妻のコーラルと珊瑚礁の新居で幸せいっぱいに暮らしていました。ところが、獰猛なバラクーダに襲われ、コーラルも、たくさんの卵も、食べられてしまいます。 マーリンは唯一生き残った子供を「ニモ」と名づけ、ニモは元気な... -
自分が否定された時、どう生きるか
相手からNoのリアクションを受けた時――友だち解除されたとか、「いいね」してくれなかったとか、こちら側の能力や気遣いや親愛の情を否定されるような結果を目の当たりにすると、誰でもいい気持ちはしませんし、どんな人も多少気持ちを傷つけられるものです。でも、相手の立場になって考えてみれば、自分の全存在を否定されたわけではない、ということも解ってくると思います。 -
人生は求めるところから始まる
人間の生き方には三つある。 肉体で生きる、心で生きる、魂で生きる。 どれも大事、どれも難しい。 でも、一番、偽ってはならないのは、自分の魂。 「心」の「魂」の違いはナニ? と聞かれたら、なかなか説明が難しいのだけど。 心で感じる以上に、もっと奥深い、根源的なものってあるじゃない? それのこと。 ラーメンが食べたいのに、見... -
人生は夢を叶えるためにある
若い人に「何の為に生きるのですか?」と問われたら、私は迷わず「夢を叶えるため」と答えます。 夢を叶えるといえば、アイドル歌手になるとか、人気漫画家になるとか、自分の好きな事で稼いで、なおかつ社会的にも評価されることがそうだと思いがちですが、それはあくまで手段であって、目的とは似て非なるものです。 たとえば「漫画家にな... -
どんな子にも花咲く時がある ~愛とは待つこと
4歳の息子がようやく数字や文字に興味を示すようになった。 今は「数」がブームのようで、本を眺めたり、オモチャを並べたりしながら、一人でブツブツとカウントしていることが多い。 もちろん、そのカウントも「にい、よん、ご、ろく、はち」みたいに適当で、1から10まで正しく言えたためしがないのだけれど。 (そのかわり、日本語とポー... -
親の死を願う子供たち ~Googleのキーワード検索より
長年、子育てコラム『オイディプス王と精神的な親殺しについて』を公開していたところ、「親死ね」「親殺す」というキーワードで訪問者が殺到し、Googleアナリティクスの検索結果が恐ろしいことになったことがありました。 そのエピソードを元に書いた記事がこちらです。 親の死を願っても、人生は変わらない 2012年まで、Googleアナリティク... -
『親を殺すか、自分が死ぬか ~現代の親殺しとオイディプスの幸せ道』のあとがき
あなたにとって、『自分の人生』とは、その程度のものでしょうか。どれほど苦しめられ、傷つけられても、自分で自分を不幸にするような罠にはまってはいけません。親孝行も尊いけれど、『自分で自分を幸せにする』ということも、同じくらいに大事です。 -
十七歳のオイディプス 「親 死ね」「親 殺す」の正体
十七歳は、世の中のこともよく知らず、心を処す術も知らない、オイディプスと同じです。若いエネルギーを持て余し、自分らしく生きる道を渇望しています。では、彼らがこの葛藤を克服し、成熟した大人になるには、どうすればいいのでしょうか。子供たちの「親志ね」「親殺す」という感情には理由があります。 -
「怒ること」は悪ではない ~内なる感情を大切にしよう
あなたは「怒り」をもっと大事にしていい。人間の気持ちの一つとして尊重していい。それをどう表現するかが問題であって、怒りそのものが悪ではないのです。怒りも尊い感情の一つと捉え、怒っている自分自身を大切にしましょう。「怒るのは悪いこと」と自分を否定する必要はありません。 -
自分を信じることは与えられた運を信じること
自分を信じるということは、自分に与えられた運を信じることです。 自分がどんな運の持ち主かは、自分が生きてきた道程を振り返れば、自ずと分かるはず。 「私はついてない」という人も、健康運には恵まれていたりします。 難病を抱えている人から見れば、普通に道を歩いているだけでも幸運です。 その時々の、良いこと/悪いことだけで、生涯... -
傷つけ合わない親子関係など無い ~愛とは、問題そのもの
子どもが親に腹を立てるのも、あなたが子どもの態度に傷つくのも、それだけ心が近い証拠です。誰よりも近く、愛を求める関係だから、思う通りにならなかった時の怒りや失望が大きいのです。見方を変えれば、触れ合う部分があるうちは関係修復のチャンスもあります。本当に冷め切った関係は怒りも失望も感じない、ただの無関心です。 -
親である自分が好きですか? ~内なる感情を楽しむ~
今時の親に一番必要なのは、「心の体験を悦ぶ余裕」ではないでしょうか。子供との関わりをあまりにも理屈で考えすぎて、人間として、素直に感じたり、悲しんだりする心の体験をなおざりにしているのです。いい親であろうと頑張る前に、母親としての自分自身をもっと楽しんではいかがでしょう。 -
ダメ親も成功のモチベーション ~立派で優しい親が子供を幸せにするとは限らない
立派な親が必ずしも子供に良い影響を与えるとは限りません。ダメ親だからこそ、反面教師にして、子供が賢くなることもあります。優しい親に甘やかされるより、冷たく突き放される中で育つ自立心もあります。大事なのは自分の人生と志です。ダメ親だからこそ、あなたは幸せになる必要があるのです。 -
自尊心を育む ~本当に幸せな子供に育てる為に
「自尊心」と言うと、「自信過剰」や「傲慢」といった悪いイメージを連想する人もありますが、自尊心とは、文字通り、心をもった一人の人間として自分自身を尊ぶことです。その中には、権利や社会的役割も含まれます。自尊心(あるいは自己肯定感)がなければ、人は何をしても不安で、満たされず、劣等感に苛まれるようになります。 -
心の問題は何度でも克服する
心が再び呪いに囚われかけても、自分のことを弱いとか卑怯とか責めてはいけません。長い間、苦しんできたのです。そう簡単に影は追い払えません。それでも歩みを進めれば、だんだん心も強くなります。 -
親に変わることを期待してはいけない ~精神的・物理的距離を置く
憎い、嫌いと思っても、心の底では、いつか親が自分を理解してくれるのではないか、理想の仲良し親子になれるのではないかと期待するのが子ども心です。しかし、親はそう簡単に変わりません。何をどう言い聞かせても、自分の望む通りにはなりません。