海外文学– tag –
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『チャタレイ夫人の恋人』~肉体の声に耳を傾け、自分に素直に生きる
上流階級のコニーは半身不随となった夫に振り回され、疲れ切っていたが、森番メリーズと知り合って、生きる歓びを取り戻す。猥褻か、芸術かで裁判沙汰になったD・H・ロレンスの性愛小説。過激な性描写と思われがちだが、本質は、肉体を通じた男女の愛と、ありのままに生きる大切さを謳った人生賛歌である。小説の抜粋とショーン・ビーン主演のTVドラマを動画で紹介。 -
歩く人が多くなれば、それが道になるのだ 魯迅『阿Q正伝』と教科書の名作『一切れのパン』
歩く人が多くなれば、それが道になる 希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。 それは地上の道のようなものである。 もともと地上には道はない。 歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。 魯迅『阿Q正伝・狂人日記 他十二篇(吶喊) (岩波文庫)』 小学校の高学年の教科書に掲載されていた魯迅の短編。 タイトルも、... -
バルタサル・グラシアンの成功の哲学 人生を磨く永遠の知恵
17世紀から今日に至るまで、ニーチェやショーペンハウアーといったヨーロッパの知識人に読み継がれた『知恵の書』。『人づきあいの知恵』『自分づくりの知恵』『仕事に関する知恵』『友情を育てる知恵』『ライバルに差をつける知恵』『人から愛される知恵』『ツキと幸運を呼び込む知恵』『よりよい人生を送る知恵』など読みやすい人生訓。 -
獣性のままに生きるか、善性に殉じるか イソップ寓話『善と悪』
イエスの言葉を聖なる教えとするなら、イソップ寓話は脈々と受け継がれてきた処世術のようなもの。 岩波文庫いわく『実は、歴史上の人物としてのイソップ(アイソーポス)が作ったと実証できる話はひとつもない、いわば「イソップ風」寓話集であるが、そこには、読み手の立場にょってさまざまな解釈が可能な、実に奥深い世界が展開されている... -
カジミェシ・スモーレンの序文より ~アウシュヴィッツ強制収容所について
カジミェシ・スモーレンの序文より ~強制収容所について カジミエシュ・スモーレン(1920年4月19日~2012年1月27日)は、大事に世界大戦中のアウシュヴィッツ強制収容所のポーランド政治犯で、戦後は、アウシュヴィッツ・ビルケナウ国立博物館の館長として尽力された方です。 公式サイトのプロフィールより。 https://www.auschwitz.org/en... -
アルトゥール・ランボーの詩集 『地獄での一季節(篠沢秀夫・訳)』より
詩集『地獄での一季節』について アルトゥール・ランボーの訳詩と言えば、小林秀雄の『地獄の季節 (岩波文庫)』がよく知られていますが、私の一押しは仏文学者の篠沢秀夫・訳による『地獄での一季節 Kindle版』。です。 篠沢氏も解説で述べているように、小林訳はあまりに思い入れが強すぎて、「俺様ワールド」みたいな世界観がとっつきにく... -
今行うか、永遠に成さないか ~ラテン語の名句
海洋小説 『MORGENROOD -曙光』ではビジネスの隠語としてラテン語が登場します。 「今は返事しない方がいい」とか「この件は疑わしい」とか、その場では口にできない事も、ラテン語なら暗号文のように相手に伝えることができるからです。 MIGの経営者であり、仲のいい姉弟でもあるダナとアルも、彼らにだけ理解できる暗号としてラテン語を駆... -
人は二度生まれる。一度目は存在する為に。二度目は生きる為に。
ジャン・ジャック・ルソーの名著『エミール』の「わたしたちは、いわば、二回この世に生まれる。一回目は存在するために、二回目は生きるために」の名言にまつわるコラムと十八歳の旅立ちをテーマにした小説の抜粋。
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