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君も囚われのプレイヤー 押井守の映画『アヴァロン』
凄腕のゲームプレイヤー・アッシュはオンライン戦闘ゲーム『アヴァロン』の深部に入り込み、驚愕の事実を知る。仮想現実を舞台にした作品の魅力を『意識』と『認識』の両面から解説。ポーランド語の主題歌『ログオフ』の日本語訳や作中に登場する小物について画像付きで紹介しています。コラム『アヴァロンと現実社会とメタバース』『君も囚われのプレイヤー』 -
子育てとは、子供時代をもう一度生き直すこと 映画『ファインディング・ニモ』
「親になるということは、子供の気持ちと、親の気持ちと、両方わかることなんだ」アンドリュー・スタントン監督の言葉をテーマにした子育てコラムを掲載。映画のあらすじと見どころを併せて。 -
最低のクズ映画と酷評されても『ショーガール』が好きな理由
のっけから、吐く・脱ぐ・殴る、オッパイぶるぶるのトップレスダンスに、下品きわまりない、クズ映画で知られるポール・ヴァーホーベンの代表作。主人公のノエミはバイタリティにあふれ、ベガスの女王を演じるジーナ・ガーションもセクシーで魅力的。世間が酷評するほど悪い作品ではないというのが当記事の主張。パワフルなダンス動画をメインに、華麗なるショーガールの世界を紹介。実際に訪問したラスベガスの写真も掲載しています。 -
映画『トワイライト・サーガ / エクリプス』に見るアメリカの性教育 ~エドワードが途中で行為を止めたわけ
世界中のティーンの心を鷲掴みにしたファンタジー・ラブロマンス『エクリプス/トワイライト・サーガ 』で、人間の娘ベラとヴァンパイアのエドワードは肉体的に結ばれかけますが、エドワードはベラの身を想って、途中で行為を止めてしまいます。本作が伝えたかった愛の形と性教育のあり方について綴るコラム。 -
『インデペンデンス・デイ(1996年)』が大ヒットした理由 ~人類の団結に夢を見られた時代
「落ちこぼれが世界を救う」をテーマにウィル・スミス、ジェフ・ゴールドブラムらが好演した前作『インデペンデンス・デイ』から20年後。民族間で対立を深める現代において「人類が一丸となって」のメッセージは遠いものとなった。両作の見どころを紹介。 -
愛と政治のコメディ映画『デーヴ』 ~すべての人に仕事を!
米国大統領のそっくりさんデイブは、愛人と情事の最中に腹上死した大統領の代役を務めるが、持ち前の人柄から国民の信望を一身に得るようになる。だが妻のエレンはデイブが偽物であることを見抜き、芝居も続けられなくなる。爽やかで心温まるコメディドラマの傑作。 -
僕が死んだら、この曲のように僕を思い出して。ビル・エヴァンスの名曲に寄せて
もし、僕が突然死んだら、この曲のように僕を思い出して。この世に記憶する人が在る限り、その願いは叶うだろう。でも、いつかは、僕を偲ぶ人も消え去る。だからといって、今、生きていることが無意味だとは思わない。僕はこの世の全てを味わうために生まれてきたのだから。 -
映画『LIFE! / ライフ』 25番のネガが意味するもの / インスタ世代と自分の目で見る大切さ
失われた25番のネガが意味するもの ベン・スタイラー主演・監督の映画『LIFE』(ライフ)は、不思議な作品だ。 いわゆる感動ドラマではあるが、脚本はいまいち掴み所がないし、お涙頂戴の展開もない。登場人物も、「普通っぽい」役者ばかりで、取り立てて魅力はないし、主人公ウォルターのエピソードもどこまで本当か分からない。最後は禁断... -
映画『イベント・ホライゾン』 美しきSFゴシック・ホラー ~モフィアスの前哨戦
映画『イベント・ホライゾン』は90年代を代表するSFゴシック・ホラーの異色作だ。 『エイリアン』に似たダークな美術に、色形を持たない悪の表象。どこか映画『シャイニング』を思わせるグロ&スプラッタに、王道的な結末。 視聴者の中には「盛り上がりに欠ける」「二番煎じ感が否めない」といった理由で低評価をつける人も少なからずあるが... -
明菜 VS 聖子 ~己の全存在を懸けて芸と人気を競った時代
今の時代、「聖子が、明菜が」と言っても、誰の事か、ピンとこない人も多いでしょう。 でも、私たち、バブル世代にとって、二人の対決は非常に意義深いものでした。 単なるアイドルの人気競争ではない、己の全存在を懸けた闘いでした。 どちらが正しいとか、どちらが優れているとかいう話ではなく、例えるなら、『龍』と『虎』。 龍と虎は、... -
楽劇『ジークフリート』昭和の名盤と創作の背景
リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ジークフリート』は、長大な楽劇『ニーベルングの指環』四部作の三作目、「第二夜」として作曲されました。 この『指輪』の長大な物語も、始まりは「ジークフリートの死」であったのは有名な話です。 なぜ、ジークフリートは死なねばならなかったのか? それを掘り下げるうちに、ジークフリートを憎むハーゲン... -
ワーグナー 楽劇『ローエングリン』とペーター・ホフマン ~あらすじと昭和の名盤
楽劇『ローエングリン』の概要 ワーグナー 苦節と栄光 楽劇『ローエングリン』は、ドイツの作曲家、リヒャルト・ワーグナーの代表作で、1845年8月より台本のスケッチを始め、1848年3月に完成しました。 ブラバント公国の姫君エルザは、将来、国の後継ぎとなる弟ゴットフリートの殺害を疑われ、テルラムント伯ゴットフリートと、その妻オルト... -
心に残る演奏を ~吹奏楽コンクールの思い出
夏の盛り、全国高校野球大会が始まる季節になると、世間の目は甲子園に注がれますが、同時期、深く静かに高校生のバトルが繰り広げられる世界があります。 それが、高校野球と同じ、朝日新聞社主催、吹奏楽コンクール。 甲子園ほど話題にならず、陸上のインターハイほど華やかさもありませんが、吹奏楽部員にとっては一年で最もテンションの... -
ラヴェル『ピアノ協奏曲 第二楽章 Adagio Assai』に寄せて ~音色の源泉は魂にあり
ラヴェルの名曲の中でもひときわ抒情的で、夢見るような旋律が美しい『ピアノ協奏曲 第二楽章』。フルートのソロが「愛される演奏」とは何かを教えてくれる音楽コラム。マルタ・アルゲリッチの演奏より。 -
エミール・ギレリスのお葬式とG線上のアリア
エミール・ギレリスが亡くなった時、オーケストラの演奏する「G線上のアリア」に柩が送られてゆくシーンがテレビで放映された。 それまで葬式といえば、黒く、しめっぽいものというイメージしかなかっただけに、この場面はとても印象的だった。 演奏には、一人の偉大なピアニストの死を悼むと同時に、彼に素晴らしい音楽を与えてもらったこ... -
ピアノの演奏と霊媒 『音を表現する』ということ
音楽における表現とは何か。それは作曲家の霊と現し身を結ぶ媒体になることである。吹奏楽の指揮を通して感得した、ピアノ演奏と表現に関するノート。ドラマ『四季 ~奈津子』の「ダイヤモンドの音がした」の名場面と併せて。 -
プロ VS 素人 権威主義・商業主義を生みだす背景
どこの世界にも異端視される人はいますが、ピアニストのフジ子・ヘミング女史は、その最たるものでしょう。 ヘミング女史は、優れたピアニストでありながら、欧州デビューの直前、風邪をこじらせて聴力を失い、数十年を不遇の中で過ごしました。 ところが、NHKドキュメント番組『フジコ〜あるピアニストの軌跡〜』(1999年)が放送されるや否... -
リムスキー・コルサコフの『シェヘラザード』(シャルル・デュトワ指揮 モントリオール交響楽団) ~僕らは音楽で大海を旅する
『千夜一夜(アラビアンナイト)』の語り手、シェヘラザード姫をモチーフとしたリムスキー・コルサコフの名曲を、フランス音楽の名手シャルル・デュトワ指揮&モントリオール交響楽団の演奏で紹介。CDのライナーノーツから作曲の背景。音楽コラム『僕らは音楽で大海を旅する(音楽配信の時代と生演奏の価値)』と併せて。YouYubeとSpotifyの公式リンク有り。 -
クラシック音楽好きな子供に育てたい?
「本好きな子供に育てたい」とか、「クラシック音楽を聴く子に育てたい」とか、高尚かつ上品なイメージで子供に求める親も少なくないと思います。 しかしながら、「さあ、読め。さあ、聴け。これが教養だ。頭がよくなる」とゴリゴリに押しつけたところで、真に素養のある子供には育ちません。なぜって、本当の意味で、子供の想像力や創造力が... -
音楽と子供の想像力が出会う時 サン=サーンス『動物の謝肉祭』(レナード・バーンスタイン)
愛らしい動物を名曲アレンジで綴る組曲『動物の謝肉祭』の魅力をSpotifyとYouTubeで紹介。ナレーション入りのバーンスタイン盤は子供向けシンフォニーとしてもおすすめ。サン=サーンスの代表曲『死の舞踏』『白鳥』をシャルル・デュトワ指揮 モントリオール管弦楽団のCDより紹介しています。