エンタメ– category –
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オンライン漫画と貧困と子供の娯楽について ~もはやネットは無料では十分に楽しめない世界
近年、漫画も紙本ではなく、スマホのアプリやオンラインストアで読むものになった。 土曜の午後になると、比較的、親ルールの緩い友人宅に集まって、互いに持ち寄ったコミック本を日が暮れるまで読み耽ったのも遠い昔。 今では友人宅に集まるのはもちろん、ツーといえばカーのような趣味嗜好の合う仲間を見つけるのも難しいだろう。 漫画・音... -
つかの間の恋と永遠の刻 池上遼一の劇画『砂時計』
売れっ子ホストのケンジは妖精みたいに可愛いユイと出会う。だが金で買われるケンジには悲劇の結末が待ち受けていた。『砂時計』というモチーフを生かした儚くも美しい秀作。 -
自分の立ち位置で務めを果たす ~王冠とは責任の証し ディズニー映画『眠りの森の美女』より
王冠とは何か ~ディズニー映画『眠りの森の美女』より 近年、 「好きなことをして生きる」 「肩書きや役割にとらわれない」 といったことがしきりに言われてますが、一方で、一つの役割を真っ当する尊さも大きく評価されているように感じます。 ディズニーのアニメ映画『眠りの森の美女』では、16歳の誕生日を迎え、御守り役である三人の妖... -
死刑囚に手術をする、ということ ~手塚治虫の『ブラックジャック』より
凶悪犯でも治療する意義 2019年7月、日本を代表するアニメ制作会社『京都アニメーション』の第一スタジオに容疑者Aが侵入し、室内に大量のガソリンをまいて放火、36名が死亡し、33人が重軽傷を負う事件がありました。 Aもまた瀕死の重傷を負い、病院に運び込まれましたが、現行の法制度においては、死刑は免れないと言われています。 多数の... -
マリー・アントワネットの『デッドマン・ウォーキング』 ~死の大天使サン=ジュストの演説とルイ16世の裁判について
ルイ16世もマリー・アントワネットも死刑に値するほどの犯罪人だったのだろうか。王者らしく、最後まで毅然と振る舞った国王夫妻の死に様と、裁判の行方を決定づけた死の大天使サンジュストの演説、欧州の死刑制度に関するコラムを掲載しています。 -
クリスマスに恋人と見たい恋愛映画『ゴースト/ニューヨークの幻』 ~幽霊にしか癒やせない悲しみがある
モリーとサムは幸せな幸せに暮らしていたが、サムは暴漢に襲われる。幽霊になったサムは天国に行くことを拒み、インチキ霊媒師オダ=メイと組んで、モリーを守ろうと奔走する。クリスマスに恋人と見たい恋愛映画の傑作。コラム『幽霊にしか癒やせない悲しみがある』と併せて。 -
恋の妄執を描く オドレイ・トトゥのサイコホラー 『愛してる、愛してない…』 / コラム『恋という名の執着』
可憐な美術学生アンジェリクは近所に住む心臓外科医のロイックに恋をする。二人は仲睦まじいカップルに見えたが、ロイックにはまるで身の覚えのない出来事だった。恋する女の妄想と執着を美人女優オドレイ・トトゥが好演。思い込みの激しい、「狂気のアメリ」のような演技は一見の価値がある。コラム『恋という名の執着』『妄執型の女性の特徴』 -
石岡瑛子さん追悼 フランシス・コッポラの映画『ドラキュラ』~不滅の愛を描く~
フランシス・コッポラの描く『ドラキュラ』はホラーを超えた愛の物語である。悪魔と知りながら恋に落ちるミーナ、愛欲に狂いながらも「愛するあなたをこんな苦しみの世界に引き込むことはできない」と吸血することを躊躇うドラキュラ。ゴシックとエロティックが織りなす幻想的な背景に、日本人デザイナー石岡瑛子の卓抜した衣装デザインが花を添える。 -
インシャアッラー 全てを神の御心に委ねて 映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語』
サダム・フセインの息子で、ブラック・プリンスと言われたウダイの影武者を務めたラティフ。ウダイの蛮行に苦しむラティフに、父親は「我々が無力でも、いつか必ず神の裁きが下る。お前が自由を得ることで、私が死ぬことになっても、それは神のご意志だ。インシャアッラー(すべては神の御心のままに)」と励ます。 -
「時は金なり」「貧乏ヒマなし」 人生とは時間そのもの 映画『TIME/タイム』
科学技術の進歩により、人間の肉体は25最で止めることが可能になった。多くの人は生きる時間を得る為にあくせく働き、富裕層は若く美しいまま生き長らえることができる。『時は金なり』を体現するユニークなアクション映画。コラム『時間の使い方で人生の価値が決まる』 -
目と目で見交わす愛 映画『スパルタカス(1960年)』カーク・ダグラス / スタンリー・キューブリック
名優カーク・ダグラスがスパルタカスの反乱を演じる歴史スペクタクル。現代の戦争映画とは比較にならないほど地味な演出だが、ラブシーンは温もりに満ち、テーマ曲も美しい。見どころを動画付きで解説。 -
美しい男たちのスリリングな愛を描く映画『戦場のメリークリスマス』 贖罪と反戦の挽歌
第二次大戦下、ジャワ島の日本軍捕虜収容所で、日本語を理解する英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、捕虜たちを監督するハラ軍曹(ビートたけし)といつしか心を通わせるようになる。一方、厳格で、名誉と武士道を重んじる収容所の所長、ヨノイ大尉(坂本龍一)は、新たな捕虜となったジャック・セリアズの美しさと真っ直ぐな気性に次第に魅了されていく. -
愛は気づいてからでは遅いもの 失恋と後悔の映画『ベスト・フレンズ・ウェディング』
ジュリアンとマイケルは「お互い28歳まで独身だったら結婚しよう」と約束をするが、誕生日の前、マイケルからキムと結婚することを聞かされる。ジュリアンはマイケルを取り戻すことができるのか。ジュリア・ロバーツの魅力全開のラブコメディ。 -
世界一尊敬されないファウンダー マーク・ザッカバーグの伝記映画『ソーシャル・ネットワーク』
大学生マーク・ザッカバーグは友人らと交友ネットワークを立ち上げ、大成功を収めるが、利益とサービス拡大を追い求めるうち、友情はひび割れ、訴訟問題に発展する。世界中のユーザーと繋がっても、たった一人の恋人の心さえ掴めない、人間観察の皮肉が利いたデヴィッド・フィンチャー監督の秀作。コラム『ソーシャル・ネットワークは世界中の人を幸福にしたのか』 -
映画『危険な情事』 肉体関係ができれば女は執着する
「私たち、大人じゃない」才色兼備の雑誌編集者アレックスに誘惑され、弁護士のダンは妻子の留守中に肉体関係をもつ。期限が来ると、ダンはいつもの日常に戻ろうとするが、運命の恋と信じたアレックスは執拗にダンを追い回し、ついには妻子の生命も脅かすようになる..。不倫の現実を描いたエイドリアン・ラインの傑作。コラム『自称「恋愛上手」の女の正体』『肉体関係ができれば女は執着する』 -
映画『SHAME-シェイム-』 愛してはならないものを愛してしまった時
性依存症に苦しむエリート社員のブランドンのアパートに恋愛依存症の妹シシーが転がり込んでくる。渋々面倒を見ていたが、シシーの振る舞いに苛立ち、ついに喧嘩になる。追い詰められたシシーは破滅的な行動に出る。映画の見どころを動画で紹介。コラム『愛してはならないものを愛してしまった時』と併せて。 -
お説教ホラー映画『ソウ』 が失敗した理由 ~死のトラップを克服しても、人間は変わらない
被害者を拷問にかけ、Live or Die. Make your choice(生きるか、死ぬか、決断しろ)の名台詞で命の尊さを悟らせる猟奇殺人犯ジグソウ。だが死と向かい合った者は本当に改悛し、生きることに感謝するようになったのか。異色のシリーズ作の特徴を動画で紹介。コラム『死のトラップを克服しても、人間は変わらない』 -
映画『フロスト×ニクソン』 元大統領は謝罪するのか? 世紀のインタビューを描く
悪名高いウォーターゲート事件の中心人物として現役中に弾劾されたニクソン大統領と、真実を突き止めるべくインタビューに挑む人気司会者のフロスト。真実を語ることで復帰の足がかりを永久に逸したニクソンは、政治家としては完全に終わったが人として救われた。迫真の政治ドラマの見どころを解説。 -
映画『シンドラーのリスト』とオフィシエンチム戦争博物館(アウシュビッツ収容所)の記録
スティーブン・スピルバーグのアカデミー受賞作「シンドラーのリスト」の見どころを動画で紹介。オフィシエンチム(アウシュビッツ)博物館の日本人ガイド中谷剛氏の著書とテキストから、歴史教育に関する考察を掲載しています。 -
父よ、彼らを赦したまえ。イエス・キリストの教えを描く 映画『ベン・ハー(1959年)』
復讐に燃えるジュダ・ベンハーとイエス・キリストの教えをダイナミックに描いた歴史ドラマを動画で解説。聖書のエピソード「洗礼と一杯の水」「神はあなたを見ている」「迷える子羊」「十字架の愛と奇跡」「磔刑と悲しみの道」を解説