文芸– category –
-
ゲッセマネの祈り ~新約聖書と西洋絵画で読み解く
十二人の弟子たちと最後の晩餐を終えたイエスは、弟子のペトロ・ヤコブ・ヨハネを連れて、ゲッセマネの園に向います。イエスは天の父に祈りました。「父よ、できるなら、この杯を私から取りのけて下さい。しかし、私の望みからではなく、あなたの御心のままに」。自らの運命を知るイエスの決意と葛藤が感じられる名場面を西洋絵画と併せて解説。コラム『決然と生きる 現代のゲッセマネの園』と併せて。 -
ネーデルラントはネーデルラント人が作った ~オランダ建国の精神を思う
一つの土地、一つの技術に恋することは、時に人生まで変えてしまうものです。 私にとっては、オランダの干拓技術とアフシュライトダイク(締め切り大堤防)がそうでした。 本著の「あとがき」にも書いていますが、私がオランダの干拓技術とアフシュライトダイク を知ったのは、1995年頃、海洋都市のモデルを探して、図書館で手当たり次第に専... -
ウミガメの産卵 ~見守るしかない親の愛と子供の人生
満月がね、母親みたいに見守る中、ウミガメの赤ちゃんが次々に卵から孵って、海を目指して歩み始めるんだ。誰に何も教えられなくても、自分の故郷が海だということを知っているんだね 第2章 採鉱プラットフォーム ウミガメの産卵 ~生命は故郷に還る 赤ちゃんもひたすら生きる サケの回遊と産卵や不老不死のベニクラゲなど、海の生き物には... -
なぜ公共建築はディズニーランド化するのか 【建築コラム】
なぜ公共建築はヤンキー化するのか。名古屋の金のシャチホコをテーマに語り合う建築論。おかしな建築を追究する『ばかけんちく探偵団』掲示板のトピックスより。 -
生き続けて行け。きっとわかって来るだろう ~ゲーテの格言より
「われわれには理解できないことが少なくない。生き続けて行け。きっとわかって来るだろう」ゲーテの格言をモチーフに生きる意味と希望について綴る心のコラム。 -
ムーミンの名言集 ~この人は怒ることもできないんだわ。それがあんたの悪いとこよ
「世界には素晴らしいことがたくさんある。でも、その素晴らしいことに出会えるのは、それにふさわしい人だけなんだ(ムーミンパパ)」 トーベ・ヤンソンの原作は北欧的な哲学の宝庫。大人も必読の名言集です。 -
なぜ自分の子どもが欲しいのですか ~自己複製の本能と女性の悩み
「じゃあなんで私は自分のDNAを残したいと思わないんだろうか」「それは死に間際にものすごく感じる気持ちなんじゃないかと思います」子供が欲しいという気持ちはDNAに組み込まれた本能。欲しいと感じるのが自然だというコラム。 -
『ジャガイモを食べる人々』 『聖書のある静物』『疲れ果てて』 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの名作
ゴッホの初期の名作『ジャガイモを食べる人々』から問題児だった青年期のエピソードを紹介。いまだ東欧の人々にとって主要な食糧であるジャガイモに関するコラムを掲載しています。『疲れ果てて』『聖書のある静物』と併せて。 -
少女と女の違いは何か ~人を愛する器があること
「少女」と「女」の違いは何かと問われたら、今ならきっとこう答える。 人を愛する器があることだと。 時に争い、傷つきながらも、一歩、また一歩と歩み寄り、愛の高みに上り詰めていく。 人と触れあうことの、なんと優しく、また切ないことか。 海洋小説 MORGENROOD -曙光 女性らしさとは何か、と問われたら、『気遣い』と答えます。 相手の... -
若い時分に優劣を競い合うことの馬鹿馬鹿しさ ~聖子VS明菜の戦いに思う
私たち、バブル世代の女子一同は、聖子 VS 明菜の戦いに、二人の女の生き様を見ていました。 聖子と明菜。 どちらが先に、愛を掴むか。 どちらが先に、結婚するか。 どちらがより幸せで、世間に称えられるか。 それは言わば、男に愛され、守られて生きていくのが正解か、それとも女も強くあるべきなのか、みたいな、テンプレ間の争いでもあっ... -
思想のないものはせめて方法を持て
思想のないものはせめて方法を持て 酒場がぼくの学校だった ここはことばの暴力教室だ 思想のボクシングジム 自己の絶壁をのぞく勇気を 思想のないものはせめて方法を持て 怒りをぶちまけてサンドバッグをたたけ 「出会い」と「関係」と「対決」を 人生に退屈してはいけない すべての疑問についてやりとりを ぼくが変わったのか読者が変わっ... -
酒場が僕の学校だった ~どこで学ぶかより、何を知りたいか
酒場がぼくの学校だった バイロンという詩人が書きました。「酒場がぼくの学校だった」と。 文部省の作ったものを認可したものだけが学校なのではなく、ときには映画館が学校だったり、デパートが学校だったりすることもある。この5ページはぼくの考える〈もう一つの学校》として、諸君の意見とぼくの意見の対決によって作っていきたい。 た... -
芸術には使命も目的もありはしない ~人間は進化せず、変化するだけ
【高校生の質問】 ピカソはぼくに何も与えなかった 高校生の質問 ピカソが死んだ。9歳の高齢だったそうだ。天才は概してその芸術活動において寡作であるという世の通説に反して、非常な多作で、特に晩年の盛んな活動は年齢を感じさせないくらい驚くべきものがあったそう. ピカソの絵の中には何億円という高値がついたものがあるという。世界... -
現代に生きるためには、無垢な心がどのような報復をうけねばならないか 映画『シベールの日曜日』
ガラス玉を星のかけらと思い込める感受性は、その星のかけらの鋭い刃先でみずからの心を傷つける。現代の生きづらさの正体と人間の感受性に関する文芸コラム。 -
「生きる」ということを10行くらいで書いて悩むような軽薄さを好まない
生きることに悩む高校生への回答 高校生のお便り ○月○日 何のために どんなふうに 生きればよいというのだ オレがいなくても オレが死んでも人間は動きまわる 時間はどんどん過ぎ去って 再び帰ることはない あのときは幼かったが 一所懸命生きていた 食うために生きろというのか 生きるとはどういうことか いたずらに老い、死んでいくのか (... -
寺山修司の名言とモルゲッソヨ
平昌五輪で大人気の『モルゲッソヨ』のアスキーアートがあまりに素晴らしいので、寺山修司の名句と掛け合わせてみました。 モルゲッソヨは立ち会いを許された覗き魔である。 寺山修司の仮面画報より 正しくは、「観客は立ち会いを許された覗き魔である」。 どんな鳥だって モルゲッソヨより高く飛ぶことは できないだろう 『ロング・グッドバ... -
寺山修司の戯曲『星の王子さま』 現実社会で星はいかに輝くか
サン=テクジュペリの『星の王子さま』をモチーフとした現代人の生き方を示唆する初期の戯曲。作りものの星に固執し、無知なまま年だけ取った老処女ウワバミを通して、点子は今も自分の頭上に輝く「本物の星」の存在に気付く。皮肉のきいた作品ながら、台詞は詩のように美しく、寺山氏にとっても思い入れのある秀作。コラム『現実社会で星はいかに輝くか』『物語より処世の知恵』と併せて -
寺山修司はなぜ女にモテるのか
寺山修司の魅力を女性の立場から分析する文芸コラム。誰にも答えられない人生の悩みに答えてくれる唯一の詩人にして家出人の味方。寺山修司の強さと優しさについて解説。 -
寺山修司の『ポケットに名言を』 言葉を友人に持ちたいと思うことがある
「言葉を友人に持ちたいと思うことがある。それは、旅路の途中でじぶんがたった一人だということに気がついたときにである」寺山修司の好きな言葉のコレクション。コラム『言葉を友人に持ちたいと思うことがある / 言葉をジャックナイフのようにひらめかせる / シャツでも着るように軽く着こなしては、脱ぎ捨ててゆく / 旅路の途中でじぶんがたった一人だということに気がつく時』 -
寺山修司の戯曲『邪宗門』 あらすじと名句 ~人生以上でも、人生以下でもない人形使いの人生
海外でも高評価を得た戯曲『邪宗門』のあらすじと名句を紹介。呪詛的な内容ながら、自我、人生、母子関係といった根源的なテーマを問いかける野心作。『糸を切るより操ってみろ / 自己批判しすぎて鬼になる / 捨てられてくれ、おっ母さん!』