文芸– category –
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河原町のジュリー あるルンペンの思い出 ~貧困に対する社会の想像力とは
京都・河原町の伝説のホームレス『河原町のジュリー』の死が京都新聞に掲載されたエピソードより。当時の貧困に対する社会の想像力や思いやり、現代の自己責任論についての所感です。 -
Think different、make difference、「違い」とは何か
10年ほど前、アメリカの親戚に、中高校生向けの「歴代・アメリカ大統領 百科」を見せてもらったことがある。 巻頭に寄稿していたのはジョージ・ブッシュ元大統領。「若い君たちへのメッセージ」の最後の締めくくりは「make difference」。 「歴代のアメリカ大統領はみなそれぞれにユニークだった。誰の真似でもない、独自の人生を創り出しな... -
物事には「終わり」があるから生きて行ける NHKスペシャル「宇宙に終わりはあるのか?」
もし、あらゆる物事が永遠に続くとしたら──たとえそれが素晴らしく幸せなことであっても──いつかはその状態に馴れてしまって、かえって不安になるだろう。あるいは飽きてしまうかもしれない。 -
池田晶子氏『IT革命の本質と試練』より 16年後 ~情報の質と量が社会を分断する
Eメールにチャットに携帯電話。情報通信産業の拡充に伴い、コミュニケーション・ツールもますます多様化しているが、それによって人間は孤独から解放されたか。人を理解し、愛する能力が高まったか。 -
作品に罪はあるのか。非凡人は法律を超える権利を有するのだろうか。
マイケル・ジャクソンの性的暴行容疑に思う。有名人の犯罪は「非凡人」ということで許されるのか。作品に罪はないのか。ドストエフスキーの名作『罪と罰』の「非凡人は法も踏み越える権利を持つ」というラスコーリニコフの思想をベースにしたコラム。 -
主婦の妬み、羨望、卑下、焦り・・と『生命に刻まれた星の生と死』
「どんな人間も、生まれた瞬間から確実に分かっていることが一つあります。それは死ぬことです」。 マケドニアの名将・アレクサンダー大王は、幼くして上記のようなことを語り、父王を大変驚かせたといいます。 まあ、アレクサンダー大王でなくても、10代にもなれば、身近な人の死や報道などを通して「どんな人間もいつか死ぬ」ということを... -
僕の居場所 ~淋しい野良猫の詩
僕は淋しい野良猫で、帰る場所を探している。いつでも、どこからでも、帰って行ける場所だ。いつか僕の帰る場所を見つけたら、僕はもう二度と自由を羨んだりしない。いつまでも君の側にいるよ。 -
めぐる物質 生命と宇宙の輪廻
家に降り注ぐ雨も、火星や木星から飛来するものではない。海から蒸発した水分が、たまたま家の上空で固まって、落ちてきただけの話。元をたどれば、太平洋やインド洋の一滴である。ディスカウント・ストアで買った机も、元をたどれば、熱帯に生きていた一本の樹。 -
医療現場の十人十色 人の生き様と死に際
生き様と死に際も人それぞれ。どれも人間らしくて、最後には許されるのではないかと。そう頑張らず、立派を目指さず、自分らしく死んでゆけばいいのです。何を得たかよりも、何を為したかに重きを置く方が、結果的には魂の充足に繋がります。 -
ある田舎の『土葬』の思い出 ~現代のシンプル葬と葬儀の本質~
結婚式のように洗練された現代の葬儀に参列しながら、1970年代後半の田舎の土葬について振り返る。本来、葬式とは縁者が一同に会し、絆を確かめる為のもの。形ばかり求められ、何かと面倒な葬式離れの背景について考察。 -
情報の海から運命の一滴を拾い出す
好きな物や関心のあることだけが有為な情報ではない。ふと目に入る広告や新聞の片隅の記事も、心を傾けてみれば、いろんな気付きがある。情報の海から『運命の一滴』を拾い出すのは奇跡のようなもの。探し求めれば、いつかは巡り会うことができる。 -
1+1=2ではない ~人文軽視の末路
私は、1+1=2だとずっと思ってたし、またそれが当たり前 だと教えられてきた。 だから何事も「1+1=2」という定規でしか物事を測れなかった。 しかし1+1=2ではない。 「2」かもしれないが、「2」である必要はどこにもないし、「3」でも「9.9」でも誤りではない。 肝心なのは、「正しい」「正しくない」というジャッジでは... -
PURE ~幸福を知る心について~
「Pure」であること──それは、私たちが光に近づき、真実の幸福を手に入れる為の大切なパスポートだ。私たちは、ただ一つのことを心掛けさえすれば、いつでも人生を変えることが出来るのである。 -
【詩】 世界であなたほど愛している人はないから – Clair de Lune より
恋だけが、真の意味で、人間を完全にする。「異性」という、異質の人間との遭遇。「情熱」という、未知の感情との遭遇。恋は変え、恋は解き放つ。恋とは魂の変容。わたしたちは皆、片翼の鳥なのだ。恋の詩を収録 -
人生はあなたの神様に出会う旅 #ミニエッセイ
「人生はあなたの神様に出会う旅」「物事の意味に気付く時」「幸せの感じ方と心の空白に気付くこと」「成長に最も大切なのは間違いと向き合う勇気」「悲しみや苦しみは知ることの代償」「成長に最も大切なのは間違いと向き合う勇気」など。 -
頭はいいけど、役立たずな学者
『学術』といえば、頭のいい人の世界と捉えられがちですが、知識はどこまでもいっても知識ではなく、行動、誠実、社会性が伴わなければ、ただの記号でしかありません。 経営に関する知識をどれほど蓄えようと、売り上げに繋がらないのと同じ。 用語やルールは、経営を行う為の基礎であって、用語、そのものが利益を意味するわけではないんで... -
生を愛する ~失おうと、挫けようと、人生においては一つのプロセスに過ぎない
生きることに意味なんて、ない。 人生に目的など必要ない。 そういう見方もできるかもしれません。 が、一方で、本当に目的なく生きていけるものでしょうか。 行き当たりばったりに見える人も、意外と、心の中に「これ」という指針を持っているもの。 社会の役にたつ仕事がしたいとか、身の回りの友人や家族を大事にしたいとか。 あまりにも... -
物事が成就するための、三つの力 【意思、運、時機】
私ね、物事が成就するには、三つの力が働くと思うの。 意思と、運と、時機よ。 どれほど能力があっても、条件に恵まれても、時機が合わなければ、完全には成らないわ。 だからといって、人が意思もって行動することが決して無駄とは思わない。 誰かが動かぬ水面に石を投げ入れるから、そこに波動が生まれ、遠くまで広がっていく。運は風、時... -
人間はね、生のままの姿が一番美しいの ~絵画『裸足のアフロディーテ』より
お堅いクリスチャンと画家のアトリエでヌードモデルを務める美少女フローレス。ハワードは彼女の身を案じてモデルを止めるよう助言するが、フローレスは芸術だと言って相手にしない。フローレスは画家の個展に連れ出し、代表作『裸足のアフロディーテ』を見せる。そこで初めて彼女の志を悟る場面です。 -
彩雲 ~人間の眼は、意識したものしか見えない
皆さんは『彩雲』をご存じですか。 太陽の光の加減で、雲の縁、あるいは全体が、まるで虹が架かったように七色に輝いて見える現象です。 雨上がりや、陽が大きく傾く早朝や黄昏にしばしば見られ、古代中国では幸運の始まりを告げる吉兆とされてきました。 それは光と雲が織りなす自然の芸術であり、大いなる存在を感じさせる奇跡のような一瞬...