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つかの間の恋と永遠の刻 池上遼一の劇画『砂時計』
売れっ子ホストのケンジは妖精みたいに可愛いユイと出会う。だが金で買われるケンジには悲劇の結末が待ち受けていた。『砂時計』というモチーフを生かした儚くも美しい秀作。 -
バブル期の日本の強みと若者への願いを描く 劇画『サンクチュアリ』 池上遼一 / 史村翔
1990年代、バブル景気に湧く日本社会を舞台に、カンボジア大虐殺を生き延びた北条と浅見が、裏と表から日本のサンクチュアリに挑む。唱和の一党支配や金権政治を知る上でも参考になる政治ドラマの傑作。日米自動車競争の折、日本社会の強みについて語る浅見の言葉が印象的。 -
池上遼一の耽美コミック傑作選 『肌の記憶』/ 禁欲と抑制の隙間からあふれ出すエロス
悪と快楽が蠢く上海で上流夫人の雅子は泣き息子に瓜二つの少年を世話係に雇い入れる。夫不在の淋しさを癒やすように少年を求めるが、その正体は……。耽美と官能が渦巻く珠玉の短編集。勝目梓の解説『完結と象徴性』、コラム『禁欲と抑制の隙間からあふれ出すエロス』 -
池上遼一が描く艶やかな文豪の世界 『近代日本文学名作傑作選』/ 地獄変、お勢登場、藤十郎の恋、松風の門、天守物語
心卑しい天才絵師が、帝から命じられた「地獄変」の屏風絵を完成させるため、「世にも美しい女が火に焼かれて悶え死ぬところが見たい」と申し出たところ、帝の計らいで実現する。だが、絵師の目の前で火にかけられたのは、なんと彼が心から愛する一人娘だった……芥川龍之介『地獄変』をはじめ、日本文学の名作を官能的に描いた珠玉の短編集。巻末の中島梓氏の書評の紹介と併せて。
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