人生に大切な三つの『L(エル)』Lord(道)Love(愛)Life(人生)
『L(エル)』の序文
ヘブライ語で EL(エル)と言えば、「至高者=神」表わします。
しかし、私にとって、エルは『 L 』
すなわち、
LORD = 主、道、指導者
LIFE = 生命、人生、生活
LOVE = 愛の象徴
です。
人生に大切な三つのL(エル)
LORD(道)とは何か
人間は迷いやすく、かつ悪に染まりやすい生き物です。
なぜなら、この世では正義を行うより、間違いを犯す方が簡単だからです。
そんな人間が己の声だけに従い、真理に背を向けて行動すればどうなるでしょうか。
私は「個」も「社会」も、瞬く間に瓦解すると思います。
指針となる善悪の基準があればこそ、人はルールを守るし、己の欲望よりも他人の気持ちを優先して考えるんですね。
キリスト教では、その指針となるものをLORD(主)と呼んでいます。
キリスト教徒でなくても、行動の規範となる理念や、それを体現する人は不可欠です。
LORDのない人間や社会は、軌道をなくした惑星と同じ。
善と悪の区別もなくなり、光ある所には向かいません。
LORDのない世界は、いずれ足元から崩れ去るものです。
昔から、道を示すのは「父親」の役割でした。
キリスト教で「主」や「神父」が『Father』と呼ばれる所以です。
しかし、現代は、父権喪失の時代と言われるように、家庭にも社会にも父親的な役割を果たすものが欠落しています。
まるで宇宙の中心から切り離されたように、不安で、頼りなく見えます。
軌道をなくした状態で、正しく歩めるほど、人は賢くもありません。
人間は、存在するからには意味が欲しい。
生きていくには目標が必要です。
しかし、全ての人が、それを見出せるわけではありません。
中には、自分が何ものであるかも知らずに一生を終わってしまう人もあります。
そうした人々に光を照らし、道を示すのが、父なるもの = LORD の役割です。
両親しかり、年長者しかり。
「もっとも大切なことは方向を与えることである」とニーチェはいいました。
生のベクトルをどこに向けるか。
LORDは、一つの答えを示すものです。
LOVE(愛)とは何か
愛は、平和や充足の根幹を成すものです。
どれほど物質的に恵まれても、愛がなければ、虚しいものです。
もし誰もが自分のことしか考えず、好き勝手に振る舞えば、世の中はたちまち乱れ、窮屈なものになるでしょう。
隣人の為に、ほんの少し、パンをお裾分けし、腰掛けるスペースを作る。
愛は大仰なものではなく、ささやかな気づかいと行動、そして、想像力です。
他人の痛みや悲しみに思い巡らせる時、そこに愛が生まれます。
人が、お互いについて、少しでも想像力を働かせ、一つでも実行するだけで、荒れ野に花が咲き、温かい風が吹きます。
LOVE(愛)は、世界を潤滑にする、魔法のようなもの。
愛なくして、人の世も続きません。
LIFE(人生)とは何か
LOVEから生まれ、LORDに導かれて、満ち足りるのがLIFEです。
LIFEとは、命でもあり、誰もが何かを成すために、この世に生まれてきます。
それは人に恋することかもしれないし、身体の不自由な人に役立つことかもしれない。
役割の大小にかかわらず、人がこの世に生まれてきた意味を全うするから、誰かも生かされ、幸せになります。
命から命、人生から人生へ。
繋ぐ絆がLOVEなら、方法を示すのがLORDです。
LORD、LOVE、LIFEは、三位一体となって、幸せな世界の根幹を成します。
初稿:1999年1月13日