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宝塚 バラの魔法が宿る街 ~ベルサイユのばらに寄せて
独身時代、淋しくなると、宝塚歌劇場に足を運び、ばらの香りの中でいろんな夢を見た思い出を綴っています。「人生に本当に必要なものなら、じたばたしなくても自然に成るし、必要がなければ、時の彼方に静かに流れ去っていく」というのが、その頃の私の祈りの言葉でした。 -
マリー・アントワネットの負けの美学 ~オーストリア女に生まれ、オーストリア女として死す
フランス王家に嫁いでも、死ぬまで「オーストリア女」とみなされ、革命においては憎悪の対象となったマリー・アントワネットの無念と、安達正勝氏の著書より最後の様子を紹介。美しく負けることにこだわったマリーの生き様が感じられます。 -
さようなら、オスカル 『少女』から『女』へ 変容の時
結婚後、少女時代の理想だった「天翔るように自由なオスカル」への憧れは消え、囚われの女だったマリー・アントワネットの生き方に強く共感するようになった。少女から女、そして母性へと変容を遂げる女性向けコラム。
『オスカルのように生きたい少女時代 / オスカルよりマリー・アントワネットに共感する日 / マリー・アントワネットは本当に囚われの女性なのか? / ペガサスの羽根より、大地の強さ / オスカルに別れを告げて、少女は大人になる』 -
男の人から愛しているといわれたこともなくて 30代独女の葛藤を描く 池田理代子の短編『ウェディング・ドレス』
銀座のオートクチュールに勤めるベテランの徳子は、ほのかに憧れていた後輩の兄から「婚約者のウェディングドレスを縫って欲しい」と依頼される。ミシンを踏みながら、「男の人から愛していると言われたこともなくて……」と涙を流す徳子の姿に共感する女性も多いと思う。結婚と独女の生き方に関するコラムと併せて。 -
オスカルは日本の女 実写映画「ベルサイユのばら」評論より ~ジェンダー革命のアイコンにしてはいけない理由
男装の麗人オスカルというイメージから、ジェンダー革命のアイコンのように語られがちですが、オスカルは日本文化に生まれ育った、典型的な日本女性であり、父親から与えられた苛酷な運命を受け入れ、肯定し、自分らしい生き方に昇華した、理想の女性です。実写映画『ベルサイユのばら』特別号に寄稿された虫明亜呂無氏の評論を交えながら、男社会における女性の生き方について解説。 -
鉱業問題が手軽に分かる ゴルゴ13『コルタン狂想曲』 / タンタルと携帯電話
バッテリー性能に優れた携帯電話を量産するには材料となるタンタル(コルタン鉱石)が不可欠だ。だが産出国・コンゴ共和国では民族紛争や武力抗争が続き、安定供給が難しい。メーカーの依頼を受けて、岩國氏はゴルゴ13に武力組織の抹殺を依頼するが、意外な結末が待ち受ける。コラム『鉱物資源は産出国の人々を決して幸せにしない』 -
姉妹という半身 ~萩尾望都の傑作マンガ『半神』
シャムの双子ユージーとユーシーは身体の半分が繋がっている。優秀でしっかり者のユージーは知能的に劣った美しい妹ユーシーの面倒を見るが、心の中では不満を抱えていた。やがて分離手術が行われ、ユージーは美しい娘に成長するが、切り離されたユーシーは痩せ衰えていく。姉妹の葛藤を描いた萩尾望都の名作。『』 -
オタクとマニアとファンの違い
わいわいするのが好きな『ファン』、収集そのものが楽しい『マニア』、一枚の絵に恋をして、人生まで変えるのが『オタク』それぞれの違いを解説。オタクは存在自体が大きなポテンシャルであるというエッセーと併せて。 -
MAD MAX とパクリと北斗の拳
『北斗の拳』の原作者である武論尊と原哲夫先生を掴まえて「マッドマックスをパクりましたね」という人は皆無でしょう。 あの作品にインスパイアされて北斗の拳が生まれたのは誰もが知ってる話だし、先生自身も公言されている。 マッドマックスだけでなく、ケンシロウ=ブルース・リー、ユダ=ボーイ・ジョージ、ファルコ=ドルフ・ラングレ... -
テクノロジーによる格差社会を描く『銀河鉄道999』~永遠の命(機械の身体)を求める人は案外幸せなのかも
『銀河鉄道999』では機械化人間が永遠の命を得るが、それを欲する人は幸福な人ではないかという心のコラム。テクノロジーの発達による格差の拡大に関する社会的考察と併せて。『銀河鉄道999』が描く格差社会 / スティーブン・ホーキングの「技術による格差」 -
魔夜峰央のパタリロは究極の二次創作(褒め言葉) / 貪欲で博識だった昭和の少女漫画ファン
『宝塚』『風と木の詩』『ポーの一族』をはじめ、古今の文学や史実をモチーフとした知的なギャグ満載の昭和コミックの傑作。貪欲で博識な少女漫画ファンが二次創作的に楽しみ、感動を共有した背景を解説。元ネタの分かるオールドファンが失われていってるのが淋しい。 -
大人の優しさって何だろう 『秘密戦隊ゴレンジャー』 ユニークな仮面怪人と制作裏話
昭和の子供を熱狂させた戦隊ものの元祖。『ストーブ仮面』や『パイナップル仮面』など毎回ユニークな仮面怪人が登場し、制作スタッフの熱意と気づかいが伝わってくる。解説本『ゴレンジャー大全』のインタビュー記事には役者やスタッフの子供に対する気づかいが感じられる。コラム『大人の優しさって何だろう』と併せて。 -
バブル期の日本の強みと若者への願いを描く 劇画『サンクチュアリ』 池上遼一 / 史村翔
1990年代、バブル景気に湧く日本社会を舞台に、カンボジア大虐殺を生き延びた北条と浅見が、裏と表から日本のサンクチュアリに挑む。唱和の一党支配や金権政治を知る上でも参考になる政治ドラマの傑作。日米自動車競争の折、日本社会の強みについて語る浅見の言葉が印象的。 -
竹宮恵子の漫画『風と木の詩』と非実在青少年の性愛について / 性的描写と物語における必然性
少年同士の性的表現で知られる『風と木の詩』は恋する者の心情を描いた名作である。絵だけを取り上げれば不健全とみなされかねない。創作物における性的表現と、物語における必然性について考察するコラム。漫画のあらすじと見どころも紹介しています。 -
灰も残らぬほど創作に燃えて ちばてつやと『あしたのジョー』感動のラスト秘話
自分を懸けられる「何か」が見つかった時点で、人生は成功したも同じ -
池上遼一の耽美コミック傑作選 『肌の記憶』/ 禁欲と抑制の隙間からあふれ出すエロス
悪と快楽が蠢く上海で上流夫人の雅子は泣き息子に瓜二つの少年を世話係に雇い入れる。夫不在の淋しさを癒やすように少年を求めるが、その正体は……。耽美と官能が渦巻く珠玉の短編集。勝目梓の解説『完結と象徴性』、コラム『禁欲と抑制の隙間からあふれ出すエロス』 -
水島新司先生の訃報に寄せて ~お父さんの居場所と子供の遊び場もなくなった
昭和の時代、家庭と子供社会の中心に野球があり、水島漫画があったことの思い出話です。今は父親も定時で帰らなくなり、子供の遊び場もなくなった。 -
人間の生き様を熱く語る名セリフの宝庫 少年漫画『愛と誠』(梶原一騎 / ながやす巧)
人を愛することだけはこの世を支配する法則とは別世界のものです。この世の法則――それは人間が幸福に生きていくことです。美貌の財閥令嬢と三日月傷のアウトローの心の闘いを描いた青春アクション巨編。投げナイフ、影の大番長、君の為なら死ねるの岩清水君など、脇の魅力も素晴らしい。 -
『北斗の拳』名言集 ~『兄弟ならば違う道を歩め』『きょうだいは平等に愛せるか』『ラオウが教えてくれたこと』
ラオウ、リュウケン、ユダ、ケンシロウらのお気に入りの台詞を紹介。兄弟喧嘩をテーマにしたコラム『兄弟ならば違う道を歩め』『きょうだいは平等に愛せるか』『ラオウが教えてくれたこと』を掲載。 -
漫画『DEATH NOTE』 なぜ人を殺してはいけないのか
DEATH NOTEによって死神の力を手に入れた優等生・夜神ライトは、世直しと称して悪人の削除を繰り返すが、最後は手当たり次第に邪魔な人間を抹殺する大量殺人犯となる。「非凡な人間は法をも超える権利を有する」というドストエフスキーの『罪と罰』の世界観を交えながら、人が一方的に人を裁くことの危うさを説くコラム。『 優れた人間が悪い人間を削除していい、という考え方』『ライトの考えは独裁と同じ』『裁きは神の領域 ~神だけが本当の善悪を知っている』