恋人に大切にされていないと感じている人へ
「事は起こるべくして起こる」――これは自然の法則です。まず、この法則を深く掘り下げて考えましょう。
この法則の意味は、「自分がとった行動の報いは、結局自分に返ってくる」ということです。そのうえ、それは往々にして大きくなって返ってくるのです。そして、あなたと彼との関係にも、この法則は当てはまります。
ですから、自分が扱ってもらいたいようなやり方で、相手を扱ってください。自分がしてもらいたいことを、相手にもするのです。やさしさと思いやりを持ち、相手を大切にすることが肝心です。しかし、いまのあなたには、自分しか見えていません。
あなたはいつも不平不満ばかりを言い、他人を非難するようなものの考え方ばかりしていませんか?
人生の目標に向かってコツコツと努力するのをやめ、日課として決めたことをサボってはいませんか?
はたして、そういった行動や態度は、あなたが相手にそうしてもらいたいと願っていることなのでしょうか?
「信頼を裏切るようなひどい扱いばかり受けている」と感じると、私たちは苦痛を覚えます。そして、相手を恨んだり、憎んだりします。しかし、それはあなたが以前とった行動が、めぐりめぐってあなたの元に戻ってきているだけなのです。すべての原因は、あなたが以前とった行動にあるのです。
相手に誠意を示してもらいたいのなら、あなたが最初に誠意を示さなければなりません。
思いやりがなく、不誠実で、わがままな愛し方をしていると、あなた自身がそういうやり方でしか愛されなくなります。他人を利用すれば、他人から利用されるのと同じです。自分がいったいどういう行動をとっているのか、相手に対してどんな態度をとっているのか、思い起こしてください。結局、それは全部あなたに返ってくるのです。
そして自分の責任の範囲を常に意識してください。相手の責任の範疇であることに、いちいち口を出してはいけません。相手の責任を背負いこんだり、相手にこちらの責任を負わせたりするのもいけません。
うるさく干渉したり、甘えて依存したりせずに、互いに助け合って暮らしていくことが大切なのです。
私たちはいま現在、この瞬間に、未来を創造しています。そして、いま私たちがとっている行動が、将来自分の元に返ってくるのです。
出典 : 自分の行為を省みよう ~恋人に大切にされていないと感じている人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より
カップルは合わせ鏡 ~相手は自分に、自分は相手に似る
よく「飼い主は飼っている犬に似る」と言いますが、カップルも、一緒に過ごす時間が長いほど、お互いに影響されやすいものです。
「性格が似る」というよりは、「相手がこういう事をするから、自分もそうなってしまう」というパターンです。
たとえば、親子関係の場合、独身時代は穏やかだった人が、幼子の我が侭に振りまわされて、だんだん神経質、あるいはアグレッシブになっていくことがあります。
「元からそういう性格」と言えば、そうかもしれませんが、ヤンチャな幼子を持たなければ、神経質でアグレッシブな面はずっと水面下に潜んだまま、自覚することもなかったのではないでしょうか。
ところが、毎日、幼子の我が侭に振り回されると、10だったものが、20、30と増幅し、ついには水面下から顔を出します。状況によっては、さらに悪化することもあるでしょう。
このように、人間関係は、その人が潜在的に持っている面を増幅する傾向があります。
「朱に交われば赤く染まる」と言うように、真面目な学生も、反社会的なグループと付き合えば、だんだん考えが歪んでくるのと同じです。
恋愛・結婚も、誰と付き合うかで全く違うし、たとえ無難な相手でも、「せっかち」か、「のんびり」か、で、女性の振舞や価値観も大なり小なり影響を受けるものなんですね。
ですから、相手がいつも怒りっぽいのは、あなたがいつも怒りっぽいからで、こちらがイライラと怒るのを止めれば、相手もだんだん穏やかになっていきます。
何かと非難すれば、相手もあなたを非難するようになり、どんな人間関係も、修羅場になっていくでしょう。
本人にしてみたら、「悪いのは相手。私は真実を言っているのだ」と考えますし、借金問題や子育ての無関心などは、確かにその通りかもしれません。
しかし、相手の非を詰ったところで、人は一朝一夕には変わりませんし、説いて聞かせて良くなるものなら、その日のうちに直るはずです。
『理屈で人を変えることはできない』にも書いているように、全ての説教は無駄なんですね。
上手くやりたければ、自分の方から変わるしかないし、勝った・負けたの気持ちがある限り、人間関係が良くなることはありません。
こちらが一方的に折れて、相手は威圧するだけ、みたいな主従関係は早く切った方がいいですが、こちらが下手に出ることで、相手も態度を和らげるなら、もう少し様子を見ていいでしょう。
どんなカップルも合わせ鏡。
良好な関係を維持したければ、不公平に感じても、あなたから良い人になるほかありません。(その上で相手がまったく変わらなければ、縁を切る)
What Goes Around,Comes Around 因果は巡る
この章の原題は、What Goes Around,Comes Aroundです。
What Goes Around,Comes Aroundには、「自業自得・因果は巡る・情けは人の為ならず」といった意味があります。
下記URLに詳しい解説があるので、参考にして下さい。
英語的に言えば、「物事は、巡り巡って、自分のところにやって来る」といったところでしょうか。
自分が相手に対して発した言動、態度、振舞い等は、すべて自分に返って来る、という考え方は、仏教圏に限らず、英語圏も同様なのが興味深いです。
傍から見れば、威張ってる人はずっと威張っているし、暴力的な人はずっと暴力的で、何の報いも受けていない! と感じますが、あなたが報復しなくても、周りに嫌われたり、仕事をなくしたり、ついには傷害事件を起こして一生台無しにする人もありますから、因果応報は存在するのではないでしょうか。
この世のことは、何でも不公平に見えますが、もっと大きな視点から見れば、悪には悪の、善には善の報いがあって、何だかんだでバランスが取れているのかもしれません。
嫌なことがあっても、「同じ痛い目に遭わせてやる」とか、復讐を考えるより、自分自身の仕事や暮らしに集中して、気持ちを高く持つのが幸せの秘訣と思います。