戦国三大武将の性格を表す句といえば、
織田信長 『鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス』
豊臣秀吉 『鳴かぬなら 鳴かせてみよう ホトトギス』
徳川家康 『鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス』
この三句が非常に有名ですが、あの天下の松下幸之助さんは、次のように詠んでおられるそうです。
松下幸之助 『鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス』
この喩えは、よく中間管理職のセミナーで使われるそうですが、これって、サラリーマンだけでなく、子育てにも共通していると思いませんか。
母親には、「鳴かせてみよう」タイプと、「鳴くまで待とう」タイプと、二通りあるような気がします。
私は、「鳴かぬなら それもまたよし」が好きです。
子供といえど、一人の意志持った人間、鳴きたい唄もあれば、鳴きたくない唄もある。
それを何でも親の思うとおりに「鳴かそう」とすれば、お互い、すり減るのが当たり前じゃないか、と。
天下の松下さんも、人使いには苦労されたのだと思います。
社員の皆が皆、高い志とスキルを持った人間ばかりじゃない。
中には、やる気のない社員もあるし、反抗的な社員もある。
強引なタイプもあれば、引っ込み思案もいる。
それを同じように動かそうと思えば、管理者も本人も、ストレスばかりが溜まって、会社はちっとも良い方向に行かないでしょう。
そうではなく、「鳴かぬなら それもまたよし」。
そう割り切ることで、真にその人の持ち味を生かした使い方というのが見えてくるのではないでしょうか。
親も、どうしたって、自分の思う通りに鳴く子が可愛い。
鳴かぬなら、意地でも鳴かしてやろうとムキになったりもする。
が、そんな時、「鳴かぬなら それもまたよし」と思うことで、冷静になれる部分もあります。
私も、息子に対しては、「オムツはずし」という、今年最大の課題を抱えていますけど(何が何でも年内に完了しなければならない、ということはないのですが・・)、ムキになって、お互いストレスで潰れてしまわないよう、
「取れぬなら それもまたよし」
ぐらいの気持ちで取り組んでいこうと思っています。
初稿 2006年1月3日