見栄と羞恥心こそ若者の最大の敵 ~名より実を取ろう

仕事を選ぶ時、

「女の子が作業着とヘルメットを身に付けるのは恥ずかしい」

「こんな所で働いたら、周りに馬鹿にされる」

という理由で敬遠する人がいます。

実際、働いている人にしてみたら、定時で帰れるし、収入も安定してるし(むしろ平均より上)、一生もののスキルも身につくのに、なんで? と思います。

自分が得るものより、周りの評価が気になるのでしょう。

しかし、一時期、人に羨ましがられるような職場も、十年後はどうなるか分かりませんし、年を取ればお払い箱になるような部署も存在します。

特に女性の場合、結婚や出産で退職・休職を余儀なくされるケースも多く、いったん、第一線から退けば、前と完全に同じ状態で戻るのは困難です。

周りに自慢できるのも、最初の数年だけ。

年を取るほど、見た目より、身に付けたスキルが物を言うのは言うまでもありません。

周りに冷やかされたからといって、それが人生にどれほどの影響を及ぼすのでしょう。

それより、一生もののスキルを身に付けて、最後まで安定して走り抜ける方が、よほど利口だと思いませんか?

どこも経済的に低迷しているとはいえ、世の中には絶対に無くならない職種があります。

「誰でもちょっと訓練すれば出来る仕事」ではなく、それ相応の知識とトレーニングを要する仕事です。

商社マンが偉い、という話もありますが、大雨で住宅浸水した時、自分で配線や水道管を直せますか?

いざという時、荒れ地を耕作可能な状態に戻して、野菜や果物を収穫するスキルがありますか? 家庭菜園ではなく、商業レベルの食物です。

髪が伸びたら、誰に切ってもらいますか?

パソコンやスマホに使われる微細な部品は、どこで、どのように、作られると思いますか?

将来、AIやロボット工学が著しく発達しても、絶対に機械に置き換えられない職種もたくさんあります。

その中でも、マネージャークラスや企画・設計できるレベルになると、非常に稀少です。

そこまでハイレベルな業務でなくても、「英語が出来る」というだけで、活動の幅がうんと拡がるケースもあります。

メディアでちやほやされる職業が全てではなく、よくよく周りを見まわせば、「自分にも出来て、そこそこに収入も安定し、なおかつ代替の利かない仕事」は少なくないんですね。

私の住んでいる地域でも、エクステリアの修理やペンキの塗り替えを依頼しようと思ったら、数週間待ちなど、ザラです。

業者に話を聞くと、数ヶ月先まで予約がいっぱいで、仕事が切れることがないそうです。

肉体労働はきついと、やる人が少ないので、稼げる穴場になってるんですね。

しかも、こうした仕事は、細部に人手が必要なので、将来も機械に置き換わることはありません。

機械化できるのは、むしろ工程管理や資材の運搬、経理や情報共有といった、大きな部分です。

均等にタイルを敷き詰めたり、天候に合わせて工程をずらしたり、各家庭の敷地の形状に合わせて、建材をカットするような小技は、完全に機械化できません。

世の中には、そうした個々の需要を満たす、隙間産業が数多く存在して、『小さいけれど、途切れない』という特徴があります。

仕事を探す時、求人誌を眺めたり、SNSで情報収集するだけでは、そうした『小さな仕事』は見えません。

進路相談の先生だって、全てを知っているわけではありません。

それよりも、自分の目で見て、社会の有様を理解し、「一生ものの仕事 / 会社をやめたらそこで終わる仕事」「世の中から求められる職種 / 一時の流行」を見極めることが非常に重要なのです。

私も、親戚のおじさんから、「世の中には、黙っていても、客の方からやって来る仕事がある」と聞いて、そんな仕事が本当にあるのかと不思議でしたけど、『予約しても何週間も待たされる』『不況やコロナ禍でも、ほとんど影響を受けない』ような人たちを見て、実感しました。

そして、そういう仕事は、学生向けのメディアや、経済新聞の特集では、決して紹介されないのです。

見栄と羞恥心で職業を選ぶほど、愚かなことはありません。

見た目ではなく、実際の収入。

評判よりも、世間の需要を見極めて、自分に合った、長続きする仕事を選びましょう。

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