イソップ寓話集– tag –
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獣性のままに生きるか、善性に殉じるか イソップ寓話『善と悪』
イエスの言葉を聖なる教えとするなら、イソップ寓話は脈々と受け継がれてきた処世術のようなもの。 岩波文庫いわく『実は、歴史上の人物としてのイソップ(アイソーポス)が作ったと実証できる話はひとつもない、いわば「イソップ風」寓話集であるが、そこには、読み手の立場にょってさまざまな解釈が可能な、実に奥深い世界が展開されている... -
仕事の良し悪しはパートナーで決まる ・ 能力よりも出会い運 ~イソップ寓話『炭屋と洗濯屋』
炭屋と洗濯屋が無理に一緒に働けば、どれほど綺麗に仕上げた洗濯物も真っ黒になる。どれほど能力があっても、成功するか否かは、職場の人間関係や出会い運が大きく左右されるという喩え。 -
大層な空理空論を吐くくせに、人間として当たり前のことができない『天文学者』~イソップ寓話より
「ねえ、先生。空のものは見ようとなさるのに、地上のものは見ないんですかい」大層な空理空論を吐くくせに、人間としてあたり前のことができないような連中にこの話は適用できる。イソップ寓話の有名なエピソードより。 -
詐欺師は他人にも詐欺行為を勧める イソップ寓話『尻尾のない狐』
なぜ尻尾のない狐は、尻尾の価値を否定し、他人にも尻尾がない事を勧めるのか。それは尻尾のない狐が増えた方が自分に都合がいいからである。同じ理屈が世間でもまかり通っていないだろうか。尻尾の価値を全否定する主張は要注意である。 -
イソップ寓話『狐と鶴』 文化の違いと日本のお・も・て・なし
イソップ寓話集の『狐と鶴』といえば、「他人に意地悪をした者は、同じように意地悪をされる」という寓意で知られているけども、全文読めば、決してそれが主旨でないことが解る。 狐が油をたっぷり使った豆スープを平べったい石の皿に入れて、鶴を招待したが、鶴はご馳走になるどころか笑いものにされた。豆スープは液体で、鶴の細い嘴ではす... -
政治の本質『三頭の牛とライオン』争いある所に
三頭の牛がいつも並んで草を食んでいた。ライオンがこれを捕まえてやろうと狙っていたが、三頭一緒では勝ち目がない。陰険な言葉と讒言で衝突を誘い、仲間割れさせてから、一頭ずつ切り離して、易々と平らげた。争いの影には勝者以上の利益を得ようとする狡猾な存在がある。 -
二度敗れた人に忠告する。三度目に火を求めぬように。『虱と農夫』イソップ寓話集
農夫が畠を耕していると、虱がこっそり咬みついた。二度までは耕作を止めてシャツの掃除をしたが、またも咬まれるので、再々仕事の手を止めなくてもよいように、シャツを火にくべた。私も二度敗れた人に忠告する。三度目に火を求めぬように、と。 -
扇動政治家は祖国を内紛へと誘導する時、最も力を発揮する『水を打つ漁師』イソップ寓話集より
「しかし、こうやって川をかきまぜないと、俺さまが飢え死にせにゃならん」このように国の場合でも、扇動政治家は祖国を内紛へと誘導する時、最も力を発揮するのだ。ジョン・レノンのイマジンと併せて。 -
安逸な日常を疑え 『隣同士の蛙』イソップ寓話集より
隣同士の蛙が二匹、一匹は深くて道からも遠い沼に、もう一匹は道にできた小さな水たまりに住んでいた。沼の蛙がもう一方に、自分の側へ引っ越して来て、もっと楽しく安全な暮らしをするように、と勧めたが、こちらは、住み慣れた場所から離れがたい、と言って従おうとしなかった。そしてとうとう、通り過ぎる車に轢き殺されてしまった。
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