ポリスの『シンクロニシティ』を旅する -ロック史に残る名盤-

目次 🏃

80年代を代表するアルバム『シンクロニシティ』

80年代を生きたことのない人に、サブカルの甘美さはわからぬ』というのは、シャルル=モーリス・ドタレーランの名言「1789年以前に生きたことのない人に、人生の甘美さはわからぬ」の応用。

今でもサブカル・パワーは旺盛だし、この瞬間、旬のサブカルを愉しんでいる人には、「80年代でなくても、いいものはいっぱいある」「自分が青春時代を過ごしたから特別に感じるだけでしょ」と思うかもしれない。

しかし、いろんな点を割り引いても、70年代から80年代にかけてのサブカルは、現代とは全く異なる勢いがあり、遊びがあった。あの時代を代表するスーパースター、デイヴィッド・リー・ロスも、『オレが死んだら、80年代に灰を撒いてくれ』と言っているように、洋楽のみならず、映画、マンガ、小説、日本の歌謡曲に至るまで、それまで土の下の蕾みだったクリエイターの個性や情熱が一気に開花するような百花繚乱の時代だったのだ。

現代、自分のモバイル端末で、自分だけのプレイリストを愉しみ、関心のない曲やアーティストは見たことも聴いたこともない音楽生活が当たり前と思っている人は、大人も子どももポール・モーリア・グランドオーケストラの『真珠の首飾り』のメロディを知っていて、洋楽など興味がなくても「スリラー、スリラーあないっつ」のサビの部分は歌えた社会など想像もつかないだろう。

たとえるなら、全世界が一つの東京ドームという感じ。

国境も、人種も関係なく、全世界が同時に、同じヒット曲に親しみ、町中に、メディアに、繰り返し流れて、話題にしていた。

現代のパーソナライズとは全く異なる、全世界一体型のエンターテイメントだ。

それも決して宣伝や洗脳ではない。

ポップスもジャズも歌謡曲もポール・モーリアも、私たちの生活に自然に溶け込み、生活の一部だった。

忌野清志郎がヒット曲『トランジスタ・ラジオ』で、「ベイエリアから リバプールから このアンテナがキャッチしたナンバー ホットなメッセージ 空にとけてった」と歌っていたが、本当にそんな感じ。

当時の「世界的ヒット」といえば、本当に世界中の誰もが知ってるレベルで、現代の「ヒット」とは、規模も、影響力も、まったく異なるのだ。
(ちなみに、現在は、楽曲ではなく、YouTubeやiPhoneといったツールが若者のライフスタイルを変える時代)

そんな全世界=東京ドーム時代、FM大阪のポップスベストテンの常連で、町中のレコードショップでひっきりなしに流れていたのが、THE POLICE。

彼らの代表曲は、毎回ヒットチャートの上位を独占し、『世界最強の黄金トリオ』と称されていた。

ただ、当時の私は、THE POLICEを理解するにはお子ちゃま過ぎて、本格的に聞くようになったのは20代半ばになってからだが、それでも『シンクロニシティ』のファーストインプレッションは強烈に心に残っている。当時、スティングが『デューン 砂の惑星』というSF映画に出演していたこともあり、エコーを効かせたアレンジに宇宙的な広がりを感じたものだ。今、聞き返しても、ベース、ギター、ドラムだけでやってるとは思えないほどシンフォニックで奥行きがある。(その他の効果も入っているけども)

また『シンクロニシティ』という哲学的なタイトルが THE POLICE らしく、何を歌っているのか分からなくても、高校生には十分刺激的だった。

「シンクロニシティ」という言葉はもちろん、「ユング心理学」という言葉も、この曲を通して知ったからね。(ちなみにスティングが読書家で、移動中も飛行機の中で本を読み漁る……というのは有名な話)

人気度では、同アルバムに収録されている『見つめていたい(Every Breath You Take)』の方がはるかに上だが、こちらは大衆的で、私はあまり好きではない。この曲が作られた背景に、前妻との離婚話、新恋人トゥルーディ・スタイラー(現妻)のエピソードが噛んでいる理由も大きいが。(悔しい)

ちなみに、同アルバムのライナーノーツは何と語っているのか。

それにしても≪SYNCRONICITY≫というのは、かなり完成度の高いむしろものである。(注:これは”高いしろもの”の誤植だと思われる)
ポリスにとっては(今現在)マスターピース的作品といえるだろう。それだけに、あとがない……という感じ。それが、ちょっぴりコワイ。スティングも、「ぼくたちは、お互いをおさえつけず、とてもフリーにつきあっている。三つ頭のヒドラじゃあるまいし、もとの方でくっつきあったりしていない。だから、これからもひとりひとりがやりたいことをやっていくだけさ」といっているしネ。(注:事実、この頃、スティングとスチュワート・コープランドとの亀裂が決定的になり、スティングはソロ活動をはじめてJAZZ色の強い「ブルータートルの夢」をリリース、その後、THE POLICEの集大成的なベストアルバムを出したのを最後に解散)

記:我妻広己 CD『ポリス/シンクロニシティ』 ライナーノーツより

↓ 大人になると、アンディ・サマーズの魅力に気付く❤ 

ポリス シンクロニシティ

2010年のメモリアル・レビュー

スティング&ポリスを語る上で絶対に欠かせないのが、ポリス最後のアルバムとなった『シンクロニシティー』。

ユングの心理学から名をとったこのアルバムは、グラミー賞を受賞したロック史上に残る名盤であり、これを聞かずして「ポリスが好き」「スティングが好き」といっても、眉唾モノなのである。

この『シンクロニシティ』のどこが凄いかといえば、まず完成度が高い。

今や世界的スタンダードである『Every breath you take(見つめていたい)』をはじめ、『Syncronicity Ⅱ』『Wrapped around your finger』『King of pain』はいずれもヒットチャートの上位を占めたし、アルバム最後の収録曲『Murder by Numbers』のスティングのヴォーカルも非常に印象的でありながら、「ポリスはもう終わりだよ」と言っているようで心に突き刺さる。

多くのヒット・アルバム、ベスト盤と呼ばれるものを聞いても、どの曲も似たり寄ったりで、曲名すら思い出せないような代物が結構あったりするが、ポリスに関しては同じものは二つとしてなく、どれもが強烈なインパクトをもっている。

そして、『シンクロニシティ』は、世界を駆け抜けたポリス、とりわけスティングの前半期の実力の集大成であり、その後、解散してしまっただけに(25年目にひょっこり再結成などなさったが)、余計でその輝きが不滅のものに感じられてならない。

別の見方をすれば、解散スレスレの状態で、よくもこんな完成度の高いアルバムが制作できたものだと感心せずにいないのである。(スティングの著書によれば、この頃、スチュワート・コープランドとの亀裂はもはや修復不可能なほど悪化していたという)

さて、本作の要は、やはりアルバム・タイトルにちなんだ『シンクロニシティⅡ』であろう。

家族病理を歌ったようなこの曲は、何とも奇怪な世界観をたたえている。

ビデオでは、スティングがパンクなヴォーカルを披露して、なんとも魅力的。
今のおじさまスティングも良いけど、私はやっぱり昔のパンクなスティングが好きかな。

ちなみにこのコスチュームは当時スティングが出演した『デューン 砂の惑星』の悪役Feydを模したものだと思う。
(某誌で主演のカイル・マクラクランはアホだと公言していた。役自体もすごくイヤだったらしい)

Synchronicity Ⅱ

Another suburban family morning
Grandmother screaming at the wall

We have to shout above the din of our rice crispies
We can’t hear anything at all
Mother chants her litany of boredom and frustration
But we all know her suicides are fake
Daddy only stares into the distance
There’s only so much more that he can take
Many miles away
Something crawls from the slime
At the bottom of a dark
Scottish lake

Another industrial ugly morning
Tha factory belches filth into the sky
He walks unhindered through the picket lines today
He doesn’t think to wonder why
The secretaries pout and preen like cheap tarts in a red light street
But all he ever thinks to do is watch
And every so called meeting with his so called superior
Is a humiliating kick in the crotch
Many miles away
Something crawls to the surface
Of a dark Scottish loch

Another working day has ended
Only the rush hour hell to face
Packed like lemmings into shiny metal boxes
Contestants in a suicidal race
Daddy crips the wheel and stares alone into the distance
He knows that something somewhere has to break
He sees the family home now looming in his headlights
The pain upstairs that makes his eyeballs ache
Many miles away
There’s a shadow on the door
Of a cottage on the shore
Of a dark Scottish lake

Many miles away
Many miles away
Many miles away…

とある郊外に住む家族の朝
おばあさんは壁際で叫んでいる

ライス・クリスピー(朝食)の上で聞こえるのは
僕たちのやかましい叫び声だけ
他には何も聞こえない
ママはベッドルームで賛美歌を歌い
欲求不満ぎみだ
だけど僕たちは彼女の自殺が狂言だってことを知っている
パパだけが距離を置いてみている
彼に出来ることはそれだけだ

スコットランドの暗い湖の底
何マイルも向こうから
何かがやって来る

とある工業的でしけた朝
工場は空に向かって煙を噴き上げる
彼は今日 監視の列を避けるようにして歩いている

彼はなぜ秘書がふくれっつらで
しかも通りに立つ安っぽい売春婦のように着飾っているのか
考えもしない
彼が今までにしようと思ったことといえば見張ることぐらい
毎度の重役会議は股ぐらへの屈辱的な蹴りのようだ

スコットランドの暗い湖の底
何マイルも向こうから
何かがやって来る

とある就業日の終わり
輝くメタルの箱の中に閉じこめられたタビネズミのように
ラッシュ地獄だけが待ち受ける
自滅的レースの競争者たち
パパはハンドルを握りしめ
遠くから一人でその様を見つめている
彼は何かがどこかで壊れているのを知っているんだ
そして今 彼はヘッドライトに照らされる我が家を見つめている
彼の眼球を痛ませる2階での嫌な出来事を思いながら

スコットランドの暗い湖の底
何マイルも向こうから
何かがやって来る

違う部分も多々あるかもしれませんが、こんな感じかな。

『シンクロニシティ』って、歌やアクションからは想像もつかない、屈折した家族の日常を綴った曲なんですね。

Spotifyのリマスター音源はこちら

『シンクロニシティ 1』の紹介

「ⅡがあるならⅠもあるやろ」ということで、次に紹介するのが、同アルバムのトップに収録されている『シンクロニシティⅠ』。

こちらはより哲学的な内容で、「飛行機で移動する際はいつも本を読んでいる」というスティングらしい歌詞になっています。

このビデオのスティングも若々しくて、とてもセクシー。大好きでした。

ビデオ全編を通して見れば分かるけど、ステージ上のスティングはギタリストのアンディ・サマーとばかりくっついて、スチュワートの方にはほとんど見向きもしないのね。

見る人が見れば、事情が分かると思う。

スチュワートにしてみたら、自分が見出してバンドに入れてやったのに、いつの間にやらお株を奪われて、そりゃま悔しかったことだろう。

ましてスティングは、そのことで恩義を感じるような人間じゃないしね。
(某誌で、スティングは、「スチュワートの音楽に対する考え方はくだらない」と公言していた)

二人の間に亀裂がいくのは当然至極というか、そもそも、こんな強烈なアクをもったアーティスト二人が「一緒にバンドをやろう」と考えついたこと自体、奇跡だと思う。

アンディは二人の板挟みにあって、ずいぶん苦しんだようだけど(スティングもアンディにだけはずっと敬意を表している)25年後、再結成するに至ったのだから、彼の苦労も報われたんじゃないかな。

私も、いつまでも、お互いに恨みを抱いたまま終わって欲しくなかったし。

ともあれ、シンクロニシティです。

With One Breath, With One Flow
You Will Know
Synchronicity

A Sleep Trance, A Dream Dance,
A Shared Romance,
Synchronicity

A Connecting Principle,
Linked To The Invisible
Almost Imperceptible
Something Inexpressible.
Science Insusceptible
Logic So Inflexible
Causally Connectible

Yet Nothing Is Invincible.

If We Share This Nightmare
Then We Can Dream
Spiritus Mundi.

If You Act, As You Think,
The Missing Link,
Synchronicity.

We Know You, They Know Me
Extrasensory
Synchronicity.

A Star Fall, A Phone Call,
It Joins All,
Synchronicity.

It’s So Deep, It’s So Wide
Your Inside
Synchronicity.

Effect Without A Cause
Sub-atomic Laws, Scientific Pause
Synchronicity

一つの吐息 一つの流れ
それがシンクロニシティ(共時性)であることを君は知るだろう

恍惚とした眠りと 夢の中の踊り
分かちあうロマンス
シンクロニシティ

結び合わされた原理
個々に繋がれたもの
ほとんど気付くこともない
予期せぬ何か
無神経な科学
柔軟性のない論理
causally connectible (これは分からん!)
「無」こそ最強のもの

もし僕たちが悪夢を共有するなら
僕たちはSpiritus mundiの夢をみることができるだろう

もし君が 思ったままに振る舞うなら
失われた輪
シンクロニシティ

僕たちは君を知っているし
彼らは僕を知っている
超感覚
シンクロニシティ

星が落ち 電話が鳴る
もしそれらが一つに結ばれるなら
それはシンクロニシティ

深く 広く
君の中で
シンクロニシティ

理由なき結果
原始の法則
科学的休止
シンクロニシティ

↑ わからん、わからん(^◇^;)

『Spiritus mundi』は、多分、『世界を支配する運命の女神 Fortuna Imperatrix Mundi』のmundiだと思うので、「精神世界」の意味じゃないかと思うんだが・・。

nothing is invincible (無は無敵なり)という歌詞がいい。
東洋思想にも影響されていたのか。

Spotifyのリマスター音源はこちら

スティングとSF映画『デューン 砂の惑星』

スティングが主演のカイル・マクラクランのことを「アホ」と言っていた、伝説のSF映画『砂の惑星』の登場シーンがこちらです。

敵役でしたけど、めっちゃ色気ありますよね。

あとで出演したことを後悔してたらしいけど、こんな映像を残せただけでもいいじゃないですか。

ちなみにグラミー賞のゴールドディスクを自宅の浴室に飾っていたのは有名なエピソードです。

CD『シンクロニシティ』 ライナーノーツより

米 Billboard紙の8月27日付け号のHOT100で、8週連続ナンバーワンにランクされたとき、ポリスの『EVER BREATH YOU TAKE』は、ビージーズの『NIGHT FEVER』と並び、ブリティッシュ・ロック・バンドのものとしては二番目にながいあいだ米ナンバーワンにいすわった曲となる。

二番目といっても、トップがビートルズの68年のヒット『HEY JUDE』がもつ9週連続だから、たいしたもの。

たったそれだけで称えちゃうのも、ちょっぴり早とちりという漢字だが、なんてったって結成後7年にさえ満たない中堅的バンドであるポリスがビートルズやビージーズに並ぶ大記録をつくっちなったんだからネ。しかも、初めての米のナンバーワン・ヒットでやはり、スゴイといわざるをえない。

「皆の思ってるみたいな、甘いラブソングなんかじゃなくて、胸が悪くなるぐらいひどい歌なんだけどネ。“愛”に絡む、監視、束縛、嫉妬といったイヤ~なものをひっくるめて描いたつもりなんだ」というスティングだけど、十分愛の歌になってしまったようである。

本作品はその『EVER BREATH YOU TAKE』がヒットチャートをかけのぼっているさなかの、通算5作目のオリジナルアルバム。ヒットの仕掛け人ヒュー・バジャムとポリスのプロデュースのもと、フランスのモンセラで、6週間費やしてレコーディングされている。 

≪中略≫ 

【バイオグラフィー】

ポリスのスーパーブレインの3人は、それぞれがバンドの組成前になんかしら音楽的活動をしている。

まずは、ポリスのリードオフマンで、ドラマーのスチュワート・コープランド。52年7月16日、米ヴァージニアで生まれた彼は、CIAのエージェントの子として、米国中東部で育つ。カリフォルニアのカレッジ卒業後、74年、渡英。英国プログレッシブ・ロックバンド、カーヴド・エアーに入る。そして76年、同バンドの解散後、ジャズ・クラブでスティングを見て気に入り、ポリスを組む。そのときのラインアップは、スチュワート・コープランド、スティング、ヘンリー・パントヴァーニの3人だった。

スティング(ゴードン・マシュー・サムナー)は、公務員、労務者、教師等をへて、音楽界へ足を踏み入れたという変わり種。51年10月2日、英ウォールズエンドで生まれた彼は、幼いころイエローとブラックの縞模様のジャージーを好んでいたので、スティング(蜂)というニックネイムがついている。そんな彼がまず音楽的活動にとりくんだのは、ニューキャッスルのラスト・イグジットというジャズ・コンボだった。(76年の7月教師を辞め本格的に取り組む)。そして、道コンボで活動中、コープランドとめぐりあい、バンドを組むことになる。

かくて77年の1月結成されたのが、さきのオリジナル・ラインアップによるポリスである。結成後すぐに、ニューヨークのパンク・ロックバンド・チェリー・ヴァニラのプリティシュ・ツアーのサポーティングを1ナイト15ポンドでうけおうかたわら、150ポンドかけて、オリジナル曲(FALL OUT / NOTHING ACHEVDNG)を自主的にレコーディング、これを77年の5月、IPS(Illegal Records Syndicate : スチュワート&舞留守のコープランド・ブラザースが作ったインデヒペンダントレイベル。尚、のちにマイルスはバンドのマネジメントをひきうける)のファーストシングルとしてだし、英国内だけで約7万枚売る。

そして77年の7月、ギタリスト / ヴォーカリストのアンディ・サマーズがポリスに入る。42年12月31日、英ブラックプールで生まれた彼は、ポリスの中で最もたくさんのバンドをへてきたセッション・ギタリスト。 ≪中略≫ そんな彼が、ポリスに入ったきっかけは、元ゴングのマイク・ハウレットによる、77年の5月28日と7月12日の“ストロンティウム90”セッション、同ショウにセッション・ミュージシャンとしてあつめられたのが、スティング、コープランド、そしてサマーズだった。やがて、サマーズが入り、一ヶ月のちにパドう゛ぁーにが抜け、77年の8月、今のポリスが形作られた。

78年、再始動後のポリスは、初めからほかのバンドとはあきらかに異なったやりかたでショウビズに入る。セッションをやりながら、スティングなどは、モデルや“QUA DROPHENIA(さらば青春の光)”等、映画で俳優業にいそしみ、さらにそろってリングレイのチューイングガムのTVコマーシャルでパフォーマンス――彼等はそのなかで、髪をブロンドに染め、イカれた(?) パンク・ロックバンドを演じ、ブリティッシュ・パンク・ロックをからかっている。

すでにA&Mとディストリビューション・コントラクトを結んでいたが、そのときの契約付帯条件も、契約金をあまりとらないかわりに、ロイヤリティーをふつうの%よりも引きあげるというものだった。

かつてたかが自主制作版を1枚だけ出しただけで、メジャーレイベルへあつかましく金銭的要求をつきつけたバンドなんてそうざらにない。・・・

記:我妻広己 CD『ポリス/シンクロニシティ』 ライナーノーツより

CD『シンクロニシティ』より、その他の名曲

こちらは私の一等お気に入りの『Murder by numbers』。

「もし君が人を殺すと決めたなら まず最初に心を石にすることだ」というショッキングな歌詞から始まる。

メロディは綺麗です。

ソロ活動後のジャジーなスティングに連なる曲調です。

シリアルキラーとの対決を描いたサイコホラー『コピーキャット(シガニー・ウィーバー主演)』のエンディングに使われていました。

どこか幻想的な『Wrapped Arround Your Finger』。
独特のメロディで、さびの部分がいいです。

邦題『サハラ砂漠でお茶を(Tea in The Sahara)』。
映画『シェルタリング・スカイ』にリンクする曲。
この頃、アラブやアフリカを題材にした作品が結構はやってたんですね。

『見つめていたい(Every Breath You Take)』は今更、レビューする必要もないので、割愛します^_^;

CDとSpotifyの紹介

ユングの著書『共時性』から題材をとった、83年発表の5作目にして最後のオリジナル・アルバム。
シンプルながらも濃密なバンド・アンサンブルが堪能できる。英米でチャートの1位を獲得。

グラミー賞受賞した伝説の一枚であり、ブリティッシュ・ロックの最高峰に立つ名盤中の名盤です。(褒めすぎ?)

メロディもさることながら、歌詞にスティングの哲学がますます色濃く表れて、この後、どんな境地に旅立つのかと思いきや、とっとと解散してしまった、いわくつきの作品。

まあ、ドラマーのスチュワート・コープランドとの軋轢は一朝一夕に始まったものではないし、「ポリス」というバンドを永遠のものにする為には、解散は不可欠だったのかもしれない。

今なおラジオから頻繁に流れ、何人ものアーティストがカヴァーする名曲『見つめていたい』をはじめ、『シンクロニシティ Part2』『Around your finger』など、ポリス&スティングのエッセンスがぎゅっと詰まった珠玉の一枚。

Spotifyのアルバムリンクはこちら

シンクロニシティー
シンクロニシティー

うちの娘の親友の名前が『ロクサーヌ』で、顔を見る度に、「今夜はレッドライトの下に立たないでくれ」の歌詞を思い出してしまう^^;
ヒット曲を全て網羅したベストアルバム。
しかし、こうして見ると、あれだけ世界を熱狂させて、これほど愛されているにもかかわらず、THE POLICEとしてリリースしたアルバムは、たったの5枚、活動期間5年という、火花のような短命バンドなんだよね。21世紀になってから再結成はしたけども。

Spotifyのアルバムリンクはこちら

ベスト・オブ・スティング&ポリス(SHM-CD)
ベスト・オブ・スティング&ポリス(SHM-CD)

これも繰り返し見ました。当時の熱気が今に伝わってくるライブ映像です。
が、この頃から、スティングはコープランドと目も見合わせようとせず、アンディ・サマーズとばかりイチャついています。
若かりし頃のスティングの、色気、情熱、野心、プライド、etc が弾けんばかりのお宝映像です。

Photo : http://www.telegraph.co.uk/culture/music/8146109/Sting-Exclusive-interview.html

誰かにこっそり教えたい 👂
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