理想とする結婚がよくわからない人へ
このページを開いたあなたは、夫や恋人との間に具体的なルールを設ける必要があります。ルールとは二人の間の決まりであり、少し難しい言葉で言うと「規範」です。
「規範」とは、行動や判断の基準となるもの、手本となるもののことです。道義的に考えて正しいか、正直であるか、誠実であるか、品位があるか……といったことが、判断の基準となります。あなたと彼が深く愛し合い、信頼し合うためには、こういった判断基準が必要不可欠なのです。
人を愛するとき、あなたは何を重視していますか?
愛する人と結婚する際には、相手を尊敬し、信頼を置き、自分も夫に対して一生忠実でありたいと思っていますか?
結婚してもただ生活に追われるだけではなく、二人だけの親密な時間を定期的に持ち、いつまでも情熱的でありたいと思っていますか?
それとも、夫がほかの女性や、彼の母親をいちばん大切にしはじめても、自分は二番目の地位に甘んじますか?
あなたが結婚に対してどんな信条を持っているのか、よく考えてください。そして、これからどんなルールを設けていこうと思っているのか、じっくり考えてください。自分が理想とする結婚生活の条件をはっきり認識している人は、恋愛に関しても成功を収めます。二人の間にどんなルールを設ければいいかがわかっているからです。
ただし、簡単なことをルールにしてはいけません。妥協は許されません。言い訳もダメです。いまこそ、自分を甘やかすのをやめるときなのです。
「私は価値のある人間、貴重な人間である」と信じていれば、彼もそのようにあなたと接するでしょう。ところが、いまのあなたは自尊心を高く持っているにもかかわらず、こと愛に関しては自尊心が持てないのです。つまり、気高い愛がふさわしい人なのに、それを自覚していないのです。
これ以上、つまらない慰みで自分をごまかしてはいけません。いきあたりばったりの恋ばかりしたり、寂しいからと街で声をかけられた男性の誘惑に乗っていたのでは、理想の恋などできはしません。お手軽な恋愛ばかり続けていると、悪循環に陥ります。それがどんなにつまらない恋愛であっても、一度味を覚えてしまうと、もっと欲しくなるものです。一人でいることに耐えられなくなるのです。しかし、それではいけません。
ぜひ、理想を高く持ってください。意志を強く持つのです。そうすれば、いつの日か、あなたは理想の男性と出会えます。一時の慰みなど気晴らしにすぎないことがわかるはずです。まず、基本に戻りましょう。
あなたは尊敬される価値のある、すばらしい女性です。彼は、電話をかけると言ったらかけなければならず、約束を守るといったら守らなければなりません。そして、あなたに、あなたの人生に興味を持たなければならないのです。
では、あなた自身は、ルールを守っていますか?
ルール違反をしていませんか?
自分のことは棚に上げて、相手を非難していませんか?
自分が大切に扱われたいのなら、あなた自身もルールを守らなくてはなりません。
理想を高く持ち、いったん決めたルールは厳守しましょう。
そうすれば、あなたは大きな恩恵を受けるのです。
出典 : ルールを設けよう ~理想とする結婚がよくわからない人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より
親しき仲にも礼儀あり
「好き」=「相手に何をしてもいい」と勘違いしている人も少なくないですが、親子関係にも「部屋に入る時はノックする」「机の引き出しを勝手に開けない」「本人の許可なく日記やスマホを覗き見ない」というルールがあるように、恋人・夫婦にもルールは必要です。ルールが厳しければ、マナーと言い換えてもいいですね。いくら恋人でも、デートの約束をドタキャンするのはルール違反ですし、相手の入浴中にスマホの通話歴をチェックするような無礼も許されません。
「親しき仲にも礼儀あり」というように、大事な関係だからこそ、他より厳しいルール(マナー)が求められます。
親しくなると、だんだん遠慮の気持ちをなくし、厚かましいお願いをしたり、無神経なことを口走ったりするからです。
家族や恋人は、自分の全てを許してくれる、都合のいい存在ではありません。
「これぐらい、いいか」の気持ちが相手の信頼を損ない、恋人関係にヒビを入れてしまうのです。
Standard ルールは束縛ではなく、互いに気持ちよく過ごすためのマナー
この章の原題は、Standardsです。
standard(単数形)には、「基準」「標準」「規範」といった意味があります。 [ジーニアス英和辞典第5版]
邦題に「ルール」とあるので、原題もruleのイメージがありますが、standardが使われているのは、罰則を伴う’決まり事’ではなく、「自ずと求められる規範」のニュアンスがあるからでしょう。
誰にも何も言われなくても、相手に対する敬意や想像力があれば、自ずと分かることはたくさんあります。
「部屋に入る前にノックする」「引き出しを勝手に開けない」「夜中に相手の自宅に押し掛けない」等々。
また、お互いの価値観が違えば、言葉にして確認した方がいいこともあります。
「朝から大音量でロックを聴かない」「風呂の温度は42度に設定する」みたいな、些細な事でも、つのりつのれば、相手に対する不満となって爆発するからです。
さらに、お金の使い方や働き方、人生設計、出産・育児計画など、取り決めることは山のようにあり、何かある度にころころ考えが変わるようでは、カップルの暮らしも成り立ちません。
ルールは束縛ではなく、お互いに気持ちよく暮らすためのマナーみたいなものです。
朝起きる時間も、ベッドに入る時間も、互いのライフスタイルを尊重する気持ちがあれば、自ずと決まっていくのではないでしょうか。