誇りを持とう ~自分のことを好きになれない人へ

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自分のことを好きになれない人へ

いまのあなたにとっていちばん重要な課題は「自尊心」です。というのも、自分自身をどう思っているかが、夫や恋人との関係に大きな影響を与えるからです。

自尊心とは、「自分の人格を大切にし、誇りを持つこと」です。

いま、あなたは自分に誇りを持っていますか?

それとも、他人のことばかりに気をとられ、自分のことをおろそかにしていませんか?

あるいは、自分のことばかりにかまけていませんか?

自分をダメ人間と決めつけ、毎日くよくよとしていませんか?

彼との関係をうまくいかせるには、自尊心を高く持たなければなりません。互いが互いを尊重するような関係を築かなければならないのです。自分は相手より劣っていると思い、自分に誇りが持てないと、相手にすべてを求め、依存してしまいます。

「私よりずっと頭がいいんだから、彼の言うことがきっと正しいのね」

「私は専業主婦だけど、夫は仕事をしている。経済力がないんだもの、私には口を出す権利がないわ」

「彼のほうが家柄も地位もずっと高い。それにくらべて私は・・・・・・」

こんなふうに思っていると、彼との関係は決してうまくいきません。

あなたは、どのくらい自分のことが好きですか?考えてみてください。きっとあなたは自尊心をなおざりにしているのです。

自分が善良な人間であるとわかっていながら、自分を卑下しているのです。あるいは、プライドが高いようなふりをしながら、ただ虚勢を張っているだけなのかもしれません。

「そんなことないわ、私には自信も誇りもあるもの」

ムキになってこう言う人ほど、問題は深刻です。不安でおびえている人ほど、弱い部分を隠そうとしてうぬぼれやすく、独断的な態度をとるものです。誰にでも弱点はあります。真の自尊心とは、自分の弱点を隠すことではなく、弱点をも含めた自分を大切にし、いたわることなのです。

いまは、自分の内なる声に耳を傾け、もっと深く自分を知るべきです。日記をつけたことがなければ、二、三週間だけでも書いてみましょう。いままで気がつかなかった何かが、きっと見つかるはずです。やさしく、いたわるように自分と接してください。親友と接するときのように、自分と語り合うのです。

ひょっとすると、あなたの周囲の人々が、あなたの自尊心を深く傷つけているのかもしれません。

あなたと彼との間を、ほかの誰かが邪魔していませんか?

あなたと彼との間に違う第三者の存在があれば、あなたの自尊心が傷つくのも当然です。

あなたは、自分を愛おしく思えますか?

あなたは、自分本来の姿ではなく、他人がこうあってほしいと望んでいる人間のふりをしていませんか?

あなたはこの世でたった一人の個性を持ったかけがえのない存在です。どうか、自信を持ってください。

自分を尊敬できない人は、他人からも尊敬の念をいだかれることはありません。

ですから、自分を愛してください。そのとき初めて、他人もあなたを愛するのです。

出典 : 誇りを持とう ~自分のことを好きになれない人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より

【コラム】 他人を尊重することから始めよう

自分を愛することが、どういうことか分からない人は、他人を尊重することから始めるといいです。

尊重は、「尊敬」とは異なります。

凄い人を絶賛することでもなければ、相手に対してへりくだることでもありません。

尊重とは、相手も一人の人間として、丁重に接することです。

「年寄りだから」「キモイから」という理由で、他人を粗末にするのは、尊重とは言えません。

あなたも周りの人から尊重されたいと願うように、周りの人も、人として尊重されたいと願っています。

まずは、その基本に忠実になることで、周りのあなたに対する見方も変わってきます。

接客の丁寧な店員さんは、誰が見ても気持ちいいように、人間関係においても、老若男女のわけへだてなく、丁寧に接する人が好かれます。

そうして、周りの尊敬や愛情を得る中で、おのずと、自分自身のことも愛せるようになるのではないでしょうか。

接客の丁寧な店員さんが、きらきら輝いて見えるのは、褒められて嬉しいからではなく、無愛想な男性客にも、コミュニケーションが難しい高齢者にも、尊重を失わず、わけへだてなく接する自分に誇りが持てるからです。

そこを勘違いして、「人に褒められたら、誇りがもてる」と周りの賞讃を追い求めると、人生に疲れてしまうのです。

self estimate 自分を低く見積もらないで

この章の原題は、『self estimate』す。

self は自身のこと。

estimate には、「価値について判断する」「評価する」「見積もる」といった意味がありますが、古くは「鑑定する」「尊重する」といったニュアンスで使われることもありました。 [ジーニアス英和辞典第5版]

ビジネスにおいては、値段や工期など、数値で語られることが多いですが、「自分を見積もる」ということは、自分で自分の価値を計ることです。

70点の実力しかないのに、100点以上も高く見積もる人もあれば、10点ぐらいしか自己評価できない人もいて、自分で自分を適切に評価するのは、なかなか難しいものです。

しかし、人間の能力は、総合評価ではなく、一点豪華主義で決まるもの。

運動は苦手だけど、ピアノ演奏はプロ級という人もあれば、手書きの漫画は下手クソだけど、コンピュータのグラフィックデザインは得意な人がいるように、あれもこれも優れた人はいません。

人の魅力もそれと同じで、「おっちょこちょいだけど、いつも陽気」「生真面目だけど、仕事は絶対に信頼できる」といった、一点豪華なところが周囲の目を引くもの。

自分を見積もるのが下手な人は、能力や性格にも完璧さを求めているのではないでしょうか。

今の世の中、コスパよく手料理が作れるというだけで、非常に価値が高いものです。

でも、当人は、「料理なんて、作れて当たり前」と思っています。

そうした自身の価値観と世間の評価基準が大きく離れているのも、自分を低く見積もってしまう原因かもしれませんね。

誰かにこっそり教えたい 👂
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