最後の「さよなら」が言いたいのは自己満足
彼氏への未練を断ち切るために、あるいは、二人の関係をきれいに清算して、前向きに生きるために、最後の「さよならメール」を書く人も少なくないと思います。
「あなたと出会って、どれほど幸せだったか」「人間として大きく成長できたか」etc。
一度だけなら、相手も受け取るかもしれませんが、何度も送りつけられたら、うざったいだけです。
あなたは感謝の気持ちを伝えたいだけでも、相手から見れば、あれこれ言い訳して、気を引こうとしているのが見え見えだからです。
「さよならが言いたい」というのは、あなたの自己満足であって、相手を幸せな気持ちにするわけではありません。
むしろ相手に罪悪感をもたせるだけで、ますます嫌な気分になるだけです。
終わったら、潔く現実を受け入れましょう。
「もう一度」を望んでも、相手の気持ちが元に戻ることはありません。
終わったものは、終わったのです。
あなたの余計な一言で「いいところもあった」という思い出も、「二度と顔も見たくない」という嫌悪に変わってしまいます。
引き際こそ、人間の器がタメされる時です。
相手に「いい子」と思われたいだけ
里中満智子さんの「アリエスの乙女たち」という漫画に、次のような場面があります。
ヒロインの路見は、司という青年に恋をし、司も路見に好意を寄せますが、司には以前関係のあった敬子という女性がいて、敬子は今も司に思いを寄せています。
ある時、路身と司が言い争い、疎遠になった時、敬子が路見の所にやって来て言います。
「司はあなたを愛してるのよ。どうか、司のところに行ってあげて」
路身は司のことが気になって、司の住まいを訪れ、「敬子さんはいい人だわ。心底あなたを愛しているのね」と敬子のことも顧みるように促しますが、司はこう答えます。
「違う。なんとしてでも俺に感謝されたいという気持ちがあるんだ。ああ、いい子だ、優しい子だと思わせることによって、少しでも愛を繋ぎ止めたいんだ。見えすいている。本当の自己犠牲なら、相手の気付かないところでやるはずだ」
さよならメールが嫌われるのも、なんだかんだで相手の気を引きたいあなたの魂胆が透けて見えるからでしょう。
どれほど言葉を繕っても、相手の心は取り戻せません。
気持ちに踏ん切りをつけたいのは、あくまで自分の都合。
相手はそれを望んでないかもしれません。
どれほど辛くても、忘れましょう。
それ以外に、あなたも、相手も、救われないと思います。