忍耐と我慢の違い ~忍耐には希望があり、我慢には終わりがない

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思うように事が運ばずイライラしている人へ

このページを開いたあなたには、いまは忍耐強さが求められる時期です。

「忍耐」とは、信念を持ち、寛容の精神を忘れず、いつの日か夢がかなうことを信じ、じっと待ち続ける能力のことです。

人生の時間割の中には、思うように事が運ばず、期待していたような結果が出ない時期があるものです。まず、その事実を受け入れてください。私たちはロボットやコンピューターではなく、人間なのですから、思うように事が運ばないことだってあります。そして、人間愛慈愛といったものにも、忍耐力は不可欠です。いまはただ、すべてを、ありのままの姿でうけいれましょう。じっと待つことが、いまのあなたにとっては何より必要なことなのです。

あなたはどれくらい辛抱強いですか?

夫や恋人がのんびりタイプだったら、相手のペースを尊重し、彼が何かをなし遂げるまでじっと待つことができますか?

あせらず、いましかんければならないことだけに気持ちを向けることができますか?

未来ではなく、いまこの瞬間だけに集中することができますか?

じっと待つことができず、イライラし、あわてて無理に結果を出そうとしても、決して成果はあがりません。

たとえば、おいしいパンを焼くためには生地を寝かせておく時間が必要です。蝶には、毛虫からさなぎになる過程が不可欠です。あせって、ゴールに向かってひたすら突き進んでいくのでは、その過程を味わい、楽しむことができません。

たとえば、旅の目的は、目的地に着くことではなく、道中を楽しむことにあります。

高層ビルを建築する際には、建物の重量に耐えられるかどうかもわからずに、適当に基礎を作ったりしません。生きていくうえでも、愛する人とつきあっていくうえでも、これとまったく同じことが言えるのです。

もっとのんびりしましょう。あくせくしないことが肝心です。ものごとのありのまま、自分のありのままの姿を受け入れてください。あなたがいま経済的、感情的に、どんな状態であろうともくよくよしてはいけません。目標があるのなら、計画を立て、それに向かって行動を起こしましょう。ただし、時間はかかるかもしれません。

イライラすることがあっても、苦しいことがあっても、ぐっとこらえてください。歯をくいしばるのです。

「思うように事が運ばないときこそ、人生の貴重な授業を受けているのだ」

と考えるようにしましょう。辛抱するだけの価値はあるのです。

出典 : 忍耐強くなろう ~思うように事が運ばずイライラしている人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より

忍耐と我慢の違い

『忍耐』と言うと、自分の嫌なことをひたすら我慢する、というイメージがありますが、忍耐と我慢は異なります。

たとえるなら、忍耐は、寒い冬の時期。桜の木も、じっと厳しい寒さに耐えて、春には美しい花を咲かせるように、どんな人にも苦しい冬の時代があります。

我慢は、良い悪いにかかわらず、自分の感情や欲求を抑えて、辛抱することです。

お菓子が欲しくても、遠慮の気持ちから我慢する。

トイレに行きたくても、今行ける状況にないので我慢する。

ダイエットみたいに、必要な我慢もありますが、時間外労働や体罰みたいに、我慢すべきでないストレスもありますね。

忍耐と違って、やる価値のない、無駄な自制も含まれるのが我慢の特徴ではないでしょうか。

その点、忍耐は、試練の先に「開花」というご褒美があり、それさえ見えれば、いくらでも耐え忍ぶことができます。

国際大会に向けた厳しいトレーニングも、試験勉強の辛さも、優勝や合格という素晴らしいご褒美が見えるからこそ続くし、続ける価値があります。

たとえ思うような結果が得られなくても、必死に取り組んだ経験は一生の財産ですし、トレーニングで培われたスキルは、他のことで生かすことができます。

そう考えると、忍耐も成就の一環であり、成功に不可欠な冬の時期と言えるのではないでしょうか。

いつ終わるのか、まるで先の見えない我慢と異なり、忍耐には希望があります。

今、つらい思いをしているなら、それは「我慢」か「忍耐」か、考えてみましょう。

もし先の見えない我慢であり、理不尽な抑圧ならば、無理に続ける必要はないでしょう。(ブラック企業や過剰な部活など)

逆に、ゴールが明らかな場合は、もう少し頑張ってみましょう。

冬の時代を耐え忍べば、たとえ、自分の思い通りにならなくても、いつかトンネルから抜け出して、春を謳歌することができるのではないでしょうか。

Patience

この章の原題は、Patienceです。

patienceには、(やっかいな問題や人に対する)「忍耐」「辛抱」「我慢」「我慢強さ」といった意味があります。 [ジーニアス英和辞典第5版]

ちなみに、patienceから派生した言葉にpatient「患者(病人)」があります。辛い冬の時期という意味では、病気を抱えた人もそうですね。

誰もが困難な問題と向き合い、苦痛や理不尽と闘っています。

人ひとりがこの社会で生きていく為には、お金、仕事、健康、友人など、多くのものが必要で、その全てが簡単に手に入るとは限りません。

何かを諦め、何かを失うこともあります。

多くの人にとって、生きることはストレスに他ならず、生まれてから死ぬまで、何の問題もなく、脳天気に生きていける人など少数でしょう。

ただ、上記のように、忍耐にもいろんな意味があり、耐え忍ぶ価値のあることもあれば、我慢するだけ無駄なこともあり、その点は自分で見極めるほかありません。

人間関係でも、仕事でも、耐え忍ぶ価値があるなら、頑張りましょう。

冬の時代から抜け出すまで、数ヶ月、数年、時には十年以上かかることもありますが、それが本当に価値ある試練なら、何もかも枯れたように見えても、根っこの部分はしっかり養分を蓄えているものです。

誰かにこっそり教えたい 👂
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