Record Chainaというネットメディアで、「近頃の大学生がオタク化して困っています」みたいな記事が配信されていたので、「意味不明な世界観にどっぷり浸かって、一般社会の普通人と話が噛み合わなくなっている、変人さん」の話かと想像していたら、内向き志向+在宅傾向の事でした。それはオタクではなく、「ザイタク(在宅)」でしょうに。
中国で多くの大学生が夏休みになると「オタク化」―中国メディア
中国で多くの大学生が夏休みになると「オタク化」―中国メディア
大学生の半数以上が、夏休み中「ほとんど外出しない」、または「外出しない」と答え、「オタク」状態になっていることが分かった。 夏休みの計画について、回答した大学生の56%以上が、「様子を見て決める」、または「何も考えていない」と答えるなど、2カ月の休みの間、はっきりとした計画もないまま、することもなく、ただなんとなく過ごしている大学生の姿が浮かび上がった。また、お金がない、興味のある活動があまりない、インターネットやスマホに夢中などの理由から、5割以上の大学生が夏休み期間中、全く外に出て活動することはなく、毎日目が自然に覚めるまで寝て、不規則な時間に食事をし、デリバリーやおやつばかり食べている。そして、7割近くが、夏休みにあまり満足しておらず、退屈と感じたり、後悔の念を感じたりしている。引用元の記事はすでに削除されています
「家にじっとして、インドアな遊びばかりしている」という文脈でオタクという言葉を使われると、真性オタクは大きな違和感を感じてしまいます。なぜなら、真性オタクは、ワーグナーの墓参りをする為に、本当にバイロイトまで行ってしまうからです。家に引きこもり、Googleマップの画像だけで満足することなど、まず有り得ません。
それに、真性オタクは、周りの人が考えている以上に忙しいものです。
欲しい本、読みたい漫画、見たい映画が山積み(人生100年でも足りない)
好きなものに出会うためなら、一日中本屋、史跡、美術館、図書館を巡り歩くことも厭わない。
聖地巡礼のためなら、どんな遠くへも出かけて行く
突然、体力維持の重要性に気付き、ジム通いを始める
親に文句を言われたくないので、必然的に自活を選択。結果的に、勤勉、働き者になる。
また、真性オタクは、周りの評価を一切気にしません。
傍目には、ゴミ屑としか思えないような古本や円盤を買い漁り、訳の分からない活動に狂奔する。
一冊の漫画、一本の映画、一人のアーティストに人生を捧げ、皆がディズニーワールドで遊んでいる時も、突然、新潟の○○村とかに行ってしまうのが真のオタク。
一般人には到底理解不能な世界観に暮らし、幸福の基準は自分の推しに全振りしています。
決して虚勢ではなく、家でぼーっとしている暇もないのが、真のオタクなんですね。
ゆえに、上記のように、「ザイタク」とごっちゃにされると、大いに違和感を感じてしまう。
オタクほど虚無や孤独とは無縁の人種もないから。
ゆえに、オタク同士でけなし合い、争うのではなく、ああ、あの人も自分の推しに狂ってるのね、ぐらいの気持ちで生温かく見守りましょう。
そして、ひと度、同志に出会ったら、決して蔑ろにしてはいけません。
なぜって、この特殊な世界において、趣味や価値観を同じくする人は、まさに天の恵みに他ならないからです。
オタク道を馬鹿にされても、他人は、所詮、他人。あなたの代わりに人生を生きてくれるわけではありません。
一般人に誤解されることがあっても、『引かぬ! 媚びぬ! 省みぬ!』で頑張って欲しいと思います。
行ってよかった、やってよかった、貫いてよかった
オタク道にどっぷりはまって、私も結構な年齢になりましたが、自分の半生を振り返っても、「行ってよかった、やってよかった、貫いてよかった」の三言しかありません。
もし、どこかで躊躇し、自分を偽っていたら、これほどの充実感は味わえなかったでしょう。
もちろん、連れがいた方がいいこともありますが。
基本、オタクというものは、一人で楽しみ、一人で生きて行くものではないでしょうか。
自分の推しだけを道連れに。