文句を言わずにいられない人へ
このページを開いたあなたはいま、夫や恋人を否定的に見ています。
あなたは最近、誰かに裏切られたことがあるのかもしれませんし、失望したことがあるのかもしれません。あるいは、何らかのトラブルの渦中にいるのかもしれません。おそらく、否定的な気分になっても当然な状況にあるのでしょう。
しかし、忠告しておきます。否定的な気分は自己増殖し、どんどん成長していきます。あなたが夫や恋人を否定的な気持ちでながめはじめると、それはどんどんエスカレートしていきます。そして、相手の頭のてっぺんから足の先まで、何もかもが不愉快になり、やることすべてが気に入らなくなります。ですから、いますぐ、ものごとを斜めに見たり、相手に対して否定的な態度をとるのをやめてください。
もし、夫や恋人への愛情がほんとうに失われているのなら、いますぐ彼と別れてください。相手のいやなところを並べ立て、愚痴をこぼしながらずるずる関係を続けていても無意味です。彼と別れ、彼を自由にしてあげるべきです。
もし、あなたが彼と別れたくないのなら、相手に文句ばかり言うのはやめましょう。肯定的に、前向きになってください。
ものごとを否定することは簡単です。しかし、それは単なる怠慢であり、臆病であるにすぎません。相手の間違いまで無視しなさいと言っているわけではありませんが、それを頭から否定せず、肯定的なやり方で前向きに接することが大切なのです。そのためには、まず、自分が好きなもの、幸福な気分になるものに目を向けましょう。相手への非難でいっぱいになっているあなたの気持ちを、あなたの好きなもので満たすのです。
そうして「否定」から「肯定」へと気持ちを切り替えると、希望が生まれます。
いまあるもの、いま持っているものに不満を並べ立てるかわりに、感謝できるようになります。すると、それまで悪い部分しか見えなかった彼の長所が見えてくるはずです。
自分の好きなものを思い浮かべ、気持ちを肯定的にすることで、夫や恋人に寛容な気持をいだくことができるのです。もしかすると、否定のエネルギーを放出しているのは、あなたではなく、あなたの周囲の人なのかもしれません。
いま周囲に、あなたの足を引っ張っている人はいませんか?
あなたの一挙手一投足にいちいち干渉し、文句ばかり言い立てる人がいるのであれば、家庭や職場の環境を少し変えたほうがいいかもしれません。親しく接している相手を見直す必要もあるでしょう。
手段は問いません。とにかく運気を下げるような不要なものを一掃しましょう。雑然とした部屋を整理し、窓を開け放ち、悪い習慣を変えましょう。淀んでしまったエネルギーの流れ、健全な愛を育むために必要なエネルギーの流れを、改善してください。
否定的になると、私たちはやる気を失ってしまいます。これといって何もせず、怠惰な生活を送り、ただ現状に不平ばかり言うようになります。このような後ろ向きの生活と、いまこそ決別してください。
安易で怠惰な生活へと堕落してはいけません。
新鮮で前向きなエネルギーを、あなたはいまこそ、持たなければならないのです。
出典 : 否定的にものを見ない ~文句を言わずにはいられない人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より
自分を変えるのが嫌なだけ
世の中には、「楽しいネガティブ」と「毒々しいネガティブ」の二種類があり、前者は、「コップの水がもう半分しかない」と考えるタイプです。周囲を傷つけるのでなければ、それは内向的、あるいは悲観的な個性の一つだし、時には愛される要素にもなります。また悲観的な考え方は、危機を回避するのに役立ちますし、本人が気にするほど悪いものでもないです。
問題は、「毒々しいネガティブ」の方で、こういう人は、雨が降っても、牛乳が値上がりしても、とかく何かを批判せずにいられません。人が純粋に褒めた言葉でも、「自分も褒められたいから、おだててる」と悪い方に解釈し、周りの人に「あの人は打算的だ」などと吹聴する為、人間関係クラッシャーになりやすいです。職場にこういう人が一人でもいると、それだけでストレスになりますね
思うに、毒々しいネガティブは、問題が起きた時、自分の方から変わるのが嫌なのでしょう。
普通の人は、誰かに足を踏まれても、「満員電車だから仕方ない。相手も謝ってくれたのだし・・」と良い方に考えますが、毒々しいネガティブは、「相手に悪気がない」→「理解する」
と、自分の中で考えを改めるのが嫌なので、相手が謝罪し、自分が勝ったと確信するまで、攻撃を繰り返します。その人にとっては、自分から物の見方を変えるより、相手の態度や考え方を改めさせた方が居心地がいいからです。
もし、あなたにそういう傾向があるとすれば、損得勘定を抜きにして、自分の方から考えを改める勇気を持ちましょう。
あなたの方から頭を下げたからといって、あなたの価値が下がるわけではありません。
むしろ、頭を下げるほど、周りの評価が上がることもあります。度量の大きい人だね、と。
どちらが誤りとも言えない人間関係においては、正義よりも、思いやりの方がはるかに説得力を持ちます。
正しさで対処するよりも、優しい気持ちで接した方が、はるかに好ましい結果を生むのが人間社会です。
時には理不尽に感じるかもしれませんが、それこそ人間の器の問題。正しい人より、器の大きな人の方が好かれます。
自分から変わる勇気を持てば、ネガティブな物言いも少しずつ変わってくるのではないでしょうか。
Negatively 自分の価値を信じよう
この章の原題は、Negativelyです。
negativelyには、「否定的に」「悲観的に」「陰電気を帯びて」といった意味があります。 [ジーニアス英和辞典第5版]
よく心理学講座などで言われることですが、同じ空を見上げても、「これから晴れそう」と感じる人もあれば、「また曇ってくる」と思う人もあり、人の心象は様々。
『理屈で人を変えることはできない』にも書いているように、「こんな風に考えろ」と心に命じることはできません。たとえ、自分自身の心であっても、です。
しかし、意識して直そうとするのと、「どうせ私はこんな人」と完全に開き直るのでは大きな違いがありますし、自分の欠点を改めようとする姿勢は周りにも伝わるものです。
この世に、長所ばかりの人もなければ、短所だけの人もいません。
自分の価値を信じて、少しでも良い方に心を向ければ、「最近、あの人、感じがいいよね」と周りの人もきっと気付いてくれるはずですよ。