数あるピアノ・インストゥルメンタルの中でも、メランコリックで透明感あふれる曲調が印象的なアーティスト、ENZO。
特に代表作の『Mystic River』は遠い涅槃を感じさせる、幻想的で、非常に美しい楽曲だ。
ところが、ENZOのプロフィールはどこを探しても見当たらない。
まるで存在そのものが Mystic River のように、ピアニスト・ENZO の情報だけは、どこを、どう探しても出てこないのだ。同じ『ENZO』でも、カンツォーネ歌手や他の作曲かなら見当たるのだが。
そんな謎のピアニスト、ENZO。
存在そのものがミステリアスで、どこの国の人かも分からない。
その極致が、『Mystic River』だ。
聞けば分かるが、まるで朝焼けの河口のよう。
深い霧の中、一人、静かに、時の大河をわたる。
その先にあるものが、孤独であれ、楽園であれ、恐れずに進む。
少しばかりの涙と
ただ一度の愛を道連れに
私が『私』になる以前、
まだ名前もなかった頃の、
魂の海へと。
Last Bus Home
バスの車窓から、優しい家の円居が見える
夜のはざまに、一つ、二つ
あれは幼子の笑い声
そして少女の淋しい祈り
一つ一つの明かりに人の暮らしと願いがある
誰に届かずとも
月明かりの下では すべてが尊い
たとえ今日がだめな一日でも
だから私も帰ろう
私を待つ家に
カタコトと暗い田舎道を 小さなバスに揺られながら
MAGIC MOON
月が私を見ている
暗いカーテンの隙間から
涙に濡れた横顔を
何をそんなに見つめることがあるの
私は今日を生きるのに精一杯
誰も頼りにならないというのに
私もお日様になりたかった
世界を照らす絶対的な明るさに
だけど私は闇より深い夜の陰
自分では輝けない星
光を投げかけられないと生きてはいけない
カーテンの隙間から月が見ている
疲れきった私の姿を
夢も見ない
一人ぼっちの寝顔を
ENZOのプレイリスト
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