ボズ・スキャッグスと80年代AORについて
ボズ・スキャッグスは、80年代、世界的ブームとなったAORを代表するミュージシャンで、アダルト・コンテンポラリーの立役者でも知られています。
そのサウンドは、「お洒落」「都会的」「メロディアス」など、アーバンな世界観に満ちあふれ、歌詞も大人の恋を歌ったロマンティックなものが大半。
とりわけ、ボズ・スキャッグスの代表作『ミス・サン』は、恋人を太陽に喩えた歌詞とメロディが印象的で、ソウルフルな女性ヴォーカルと相成って、世界的ヒットとなりました。
日本では、NHK-FMの深夜番組『クロスオーバー・イレブン』の影響もあり、夜な夜なエアチェックを楽しむ、ハイセンスな洋楽ファンの必須コレクションであったと認識しています。
ボズ・スキャッグスのラブソングといえば、スローバラードの『We are all alone』が圧倒的に知名度が高いですが、私の一押しは、ジャジーなサウンドが印象的な『MISS SUN(ミス・サン)』
前奏なしで、突然、ヴォーカルから始まる旋律も印象的でした。
21世紀においては、ラップやクラブミュージックが圧倒的人気で、こうしたメロディアスなヒット曲はめっきり減りましたが、30年以上経っても、まったく色あせない作りは白眉のもの。
特にジャズ系が好きな人は、後半の女性ヴォーカルに魅了されるのではないでしょうか。
Guess you got me in your spell
But I think that I’ll be alright
Even if I don’t get well
Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
but the moon got in the way
It won’t be long before the morning
Has you back in my arms
I can still remember
What you told me with your eyes
One kiss
Now it’s down to this
Guess it’s time you realize
Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in the way
It won’t be long before the morning
Has you back in my arms
Has you back in my arms
[Instrumental Interlude]
Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in the way
It won’t be long before the morning
Has you back in my arms
In my arms
(Whoooooa)
Whooooa-hooo-hoooo
(Ooooooh, yeah)
Hey, Miss Sun
What could I say
I tried to hold you
But the moon got in my way
It won’t be long before the morning
Has you back (in my arms)
[Intrumental Interlude]
(One kiss is what I need)
(One kiss give it to me)
(It won’t be long until the mornin’)
(It won’t be long until the mornin’ has you)
(Won’t be long until the mornin’)
(Has you back in my arms)
(One kiss)
(I realize)
(One kiss I can see it in your eyes)
(Oh, it won’t be long before the mornin’)
(Has you back in my arms)
一晩中、君のことを思っている
まるで呪文にとらわれたよう
が、たとえ解き放たれることはなくても、僕はそれで構わない
ねえ、ミス・サン
言うべきことばが見つからない
君を抱きしめようとするけれど
月は遠くに沈み
君を腕の中に取り戻すには
朝まで時間がなくて
今も思い出す
君が眼差しで語ったこと
ただ一度の口づけ
今は遠い記憶だけれど
今こそ君が叶える時が来たと思わないか
女子高生の夢の彼氏 ~ミス・サンの世界観に憧れて
FMラジオ少女だった私 ~エアチェックとカセットテープとクロスオーバー・イレブンでも書いているように、私も中学生の頃から大変な洋楽ファンで、朝から晩までFMラジオにかじりついていました。
当時のヒット・チャートの顔ぶれといえば、ビリー・ジョエル、ロッド・スチュワート、クイーン、ブロンディ、オリビア・ニュートン・ジョン、TOTOなど、錚々たるものでしたが、分けてもボズ・スキャッグスとAORに惹かれたのは、そこで歌われている大人の恋の世界に憧れたからです。
特に、ボズ・スキャッグスの歌声は、アダルト、かつロマンティック。
優しい声色にジャジーなムードがぴったりマッチして、都会の片隅に生きる、孤高の男性そのものでした。
夜、寝る前に目を閉じて『ミス・サン』を聴いていると、いつか私のところにも、背が高くて、ハンサムで、薔薇の花束をいっぱいに抱えて、朝焼けの美しい海岸にドライブに連れ出してくれる彼氏が現れるんじゃないかと夢を見ることもありましたが、そんな彼氏はついに現れませんでした。
妄想ばかりが先行して、「生臭いのはイヤよ」と二次元に走った影響も大きいと思います。
それでも『ミス・サン』と共に過ごした青春時代は今も不滅の思い出です。
当時の憧れと熱狂は、21世紀の現在、Spotifyのサブスクリプション代に昇華し、今も豊かに人生を彩っています。
『LowDown』『JoJo』『Simone』
ボズのヒット曲といえば、『LowDown』も素敵な曲でした。
夜の都会のイメージで、イントロのドラムソロとギターの合いの手に心を鷲づかみにされること請け合い。
『JoJo』もジャジーなサウンドが魅力的なスローバラード。
『Miss Sun』の世界観を踏襲する出来映えで、一度、聴いたら忘れられません。
アルバム『ミドルマン』も世界的にヒットしましたが、カバージャケットが「セクシーすぎる」と問題視されたこともありました。
意外と知られてないのが、メロディラインの美しい『Simone(夜のシモーヌ)』
ややカントリー調の楽曲で、ハートをブレイキングする、アップテンポの失恋ソング。
ちょっとコブシが入って、洋楽演歌みたいなノリもよい。途中で転調するのが印象的。
ボズさまの心を破るとは、けしからん(`・ω・´)
CDとSpotifyの紹介
ボズのベスト盤といえば、『ヒッツ!(エクスパンディッド・エディション)』が有名ですが、日本ファンならこちらの特別編集バージョンがおすすめ。
日本でリリースされた全シングル曲とMUSIC VIDEOを網羅した最新・最強ベスト盤が登場! !
01. 恋人同志(シングル邦題:二人だけの世界)|We Were Always Sweethearts
02. ダイナ・フロー|Dinah Flo
03. ジョージア|Georgia
04. ロウダウン|Lowdown
05. リド・シャッフル|Lido Shuffle
06. ハード・タイムス|Hard Times
07. ハリウッド|Hollywood
08. ウィアー・オール・アローン(二人だけ)|We’re All Alone
09. トワイライト・ハイウェイ|You Can Have Me Anytime
10. ブレイクダウン・デッド・アヘッド|Breakdown Dead Ahead
11. シモン(僕の心をもてあそぶ)(シングル邦題:夜のシモーヌ)|Simone
12. 燃えつきて|Look What You’ve Done To Me
13. ミス・サン|Miss Sun
14. スロー・ダンサー|Slow Dancer *
15. ジョジョ|JoJo *
16. ハート・オブ・マイン|Heart Of Mine
17. クール・ランニング(シェップ・ペティボーン・リミックス)|Cool Running (Shep Pettibone Remix)
18. イッツ・オーヴァー(すべては終り)|It’s Over BONUS TRACK ♰
19. フェイド・イントゥ・ライト|Fade Into Light BONUS TRACK
+その他
Spotifyはこちらで視聴できます。