食事を食べさせたいのは親の都合
子供の食事は気をつかうし、疲れますよね
何を作ればいいのか分からないし、作ったところで食べないし。
三度の食事が恐怖という人も少なくないと思います。
しかし、食に関する戦いは、ちょっと考え方を変えれば、楽になるケースが大半です。
「何が何でも、これだけ食べさせよう」とか、「今、好き嫌いを許せば、一生偏食になる」とか、親の一方的な思い込みで四苦八苦しているだけで、どれも大した問題ではないからです。
私も子供たちが大きくなって、つくづく思いますけど、幼児期の栄養うんぬんより、成人してからの不摂生の方がよほど弊害が大きいし、一日、二日、子供の好きなものをお腹いっぱい食べさせたところで、ただちに病気になるというものでもありません。
それより、なぜあの時、バナナを欲しがった時に、気持ちよくあげなかったんだろう。
食事前のキャンディは絶対ダメにこだわったんだろう。
子供と食事を楽しんだ思い出より、そうした後悔の方がはるかに大きいです。
そして、振り返ってみれば、実にくだらない事で神経を尖らせ、子供にストレスばかり与えていたことが思い出されるんですね。
それもこれも、育児書のせいなんですけど
ああいうの、本当に罪深いと思います。
日本の育児の常識は世界の非常識
ちょっとやり過ぎ? 日本の消毒信仰
この際、声を大にして言いたいのは、『日本の育児の常識は世界の非常識』ということです。
非常識というのは大げさにしても、かなり偏った考えが流布しているのも確かです。
たとえば、日本では授乳前に乳首の周囲を清浄綿(消毒綿)で拭き取るのが当たり前のように指導されますが、私の在住国では、そんな話は一切ありません。
哺乳瓶をミルトンで消毒するのも同様です。
逆に、清浄綿や消毒液の成分が赤ちゃんの口に入ってもいいの? と疑問を呈されます。
なので、私の在住国では、「温かいタオルで乳首や乳房をきれいに拭けば大丈夫」、「哺乳瓶も熱湯消毒で十分」という考え方です。
現地の人いわく、どうせ乳首や哺乳瓶だけ厳重に消毒しても、赤ちゃんは、毛布を噛んだり、指を舐めたり、母親のほっぺたにチューしたり、ありとあらゆるものを口に入れるもの。
乳首だけ、哺乳瓶だけ、薬品を使って消毒しても、その後、歯固めを口に入れたり、母親の指を舐めたりしたら、意味ない、という訳です。
確かにその通りで、乳首の周りは厳重に消毒しても、赤ちゃんが母親のファンデーションのついた頬にチューしたり、指先をしゃぶっても平気な人もいますよね。
哺乳瓶にしても、厳重に殺菌したところで、床に転がったオモチャを噛んだり、毛布の端をチューチュー吸ったりすれば、雑菌が入ることに変わりないですし。
もちろん、ミルクの品質に関しては、厳重に管理しなければならないけども、哺乳瓶も食器と同じ、しっかり洗って、熱湯消毒すれば、それで十分なのです。
だから、薬局に行っても、授乳用の清潔綿も消毒綿は売ってませんし(実際、薬局で尋ねたら、「何それ?」と言われた)、ミルトンみたいな家庭用の消毒液も扱ってません(あくまで医療用)
それでも、特に病気することなく、普通に育つのですから、日本の消毒信仰が必ずしも世界の常識ではないのは確かでしょう。
本当に『三食』、必要なのか? ~厳格な日本の食習慣
同じように、食事に関しても、日本と私の居住国では、大きな考え方の違いがあります。
まず、「三食」という習慣がなく、大人でも、「朝食」「第二の朝食(スナック)」「メインのディナー」「夜食」と分けて食べる家庭が多いですし、基本的に、本格的に調理するのはメインのディナーのみ、それ以外は、カナッペやトースト、サラダ、オートミール、ヨーグルトと軽く済ますのが一般的です。
保育園や幼稚園の食事スケジュールも、10時に「第二の朝食」に相当する軽食があり、13時にメインのディナーを取ります。ディナーと呼ぶのは、国の習慣です。また、食事はすべて園内の調理場で作られます。働く女性が多いので、義務教育の間は、すべて園や学校が提供するのが決まりなのです。(貧しい家庭に対する福祉の意味もある)
つまり、大人も子供も、一日、4回~5回、少しずつ分けて食べるのが一般的で、日本のように、三食、決まった時間に、「ごはん」「味噌汁」「主食」「副菜」という習慣はありません。
一日一回、「肉・野菜・炭水化物(ジャガイモや粥)」の揃った料理を取れば、それで良く、後はパンとか、ピクルスとか、果物とか、適当に取る感じ。
子供に対しても、そこまで厳格ではなく、一日複数回でも、所要のカロリーと栄養素が摂取できれば、それで良し、という考え方なんですね。
また、日本の場合、離乳食もバラエティに富んでいますが、こちらでは、授乳中は、リンゴと人参、たまにパン(白い食パンではなく、茶色がかった麦芽や全粒粉パンです)を口にする程度でOKという考え方です。あれもこれも食べさせたら、かえってアレルギーになるので、食べさせないで下さいと指導されます。栄養的には、リンゴと人参が安全かつビタミン豊富で、あとはフォーミュラミルク(栄養強化ミルク)で補えばOKという考え方なんですね。
その点、日本は、あれもこれも食べさせろ、あれ買え、これ買えと刷り込みが凄いじゃないですか。
そのくせ、こちらでは禁じられているパック入りのベビーフードとか電子レンジで調理とか、「よくそんなものを口に入れるなあ」というものが普通に使われていて、危険視する基準が違うんですよね。
あんな中にいれば、真面目なお母さんがノイローゼになるのも当たり前だし、海外の育児事情を知っている人経由で、極端な○○主義に走る人が爆誕する理由も分かるような気がします。
食育とは味覚を育てること
文部科学省の『食育って何?』という公式サイトによると、
食育とは、下記のように定義されています。
2. 好き嫌いしないで栄養バランスよく食べること
3. 食事のマナーなどの社会性
4. 食事の重要性や心身の健康
5. 安全や品質など食品を選択する能力
6. 地域の産物や歴史など食文化の理解など
しかしながら、これらを満たそうと思ったら、「各家庭に十分な経済的余裕があること」、なおかつ、「親に時間的・精神的余裕があり、手間のかかる下ごしらえも面倒がらずにやる性格」が必須でしょう。
それでなくても、旦那集は長時間労働を強いられ、母親は『家庭内すき家』(=ワンオペ)と化している状況で、昭和のサザエさん一家のような充実した食生活を再現するのは、相当にハードルが高いと思います。
だったら、金を寄越せ、夫を長時間労働から解放しろ、ですよね
今の世の中、健康も、まともな食生活も、お金で買わないと手に入らないのです。
とはいえ、子供の身体の成長は何よりも大事ですし、食育に気をつかう余り、ガミガミ叱ってばかりでは、子供も食べることが苦痛になってしまいます。
そこで、私が考えたのは、『味覚を育てる』ということです。
「味覚を育てる」というのは、「味が分かること」。
危険な食べものに対しては、自然な防御反応が働くことです。(なんか臭う、変な苦みがある、一部が変色している、etc)
「味が分かる」ということ
私は現住国に暮らすようになってから、ドレッシングも、ミートソースも、スープも、全て手作りするようになりました。
何故なら、日本みたいに既製品がなかったからです。
クノールや地場メーカーのインスタント食品は存在しますが、美味しくないし、種類も少ないです。
それで、仕方なく手作りするようになったのが始まりです。
私は日本のレトルトカレーや和風ドレッシングや鶏ガラスープの味を知ってますから、最初は物足りなく感じました。
あー、日本のスーパーで買い物したいと、何度思ったか知れません。
ところが、何年も手作りを続けるうちに、逆に、工業製品の食品が食べられなくなったんですね。
何年かぶりに、お土産の和風ドレッシングや鶏ガラスープを口にしたら、化学臭がする、とでも言うのですか。
食べ終わった後も、いつまでも口の中に塩味が残る感じで、「どうしてこんなものを美味しいと思いながら食べてたんだろう」と。自分でも不思議なくらいでした。
その点、手作りのドレッシング――最近では、イタリア製のオリーブオイルだけで十分なのですが、食後感もスッキリして、化学臭も感じません。
鶏ガラスープも、今では「臭い」と感じるほどで、自分でショウガとネギと骨付きもも肉からスープを取った方が、はるかに美味しいことに気がついたんですね。
他にも、ミートソース、バジルソース、ハンバーグ、ラザニア、コロッケ、春巻き、、、、日本で一人暮らししていた時は、レトルトや冷凍で済ませていましたが、今では不味くて食べられないです。お湯にチャポンのミートボールとか、有り得ないほど・・
その時、つくづく思ったのです。
人間の味覚は、日々、口にする物によって作られるんだな、と。
ある人にとって美味しいものが、他の人にも美味しいとは限らないし、一度、本物の味を知ったら、忘れないものだな、と。
それは子供も同様で、栄養価が高いからといって、美味しいとは限らないし、三食きちっと用意しても、雑で不味いものは不味いです。
それなら、栄養ガー、三食ガー、にこだわらず、一日一回でいいから、「美味しいもの」を食べさせようと。
もちろん、肉ばっかり、フライドポテトばっかりの偏食は良くないですが、だからといって、ピーマン食べろ、焼きナス食べろと、苦手なものをぐいぐい押しつけたところで、嫌いな食べものは一生変わらないし、たとえ栄養価は高くても、苛めと思いませんか?
子供に分からないように、ピーマンのみじん切りをハンバーグに混ぜて、食べさせるのに成功したところで、何を達成したと言うのでしょう。
ピーマンを食べれば、絶対的に病気しないという訳でもないでしょう。
それよりも、自然に味付けしたものを美味しいと思う。(塩、醤油、砂糖といった基本の調味料)
その方が、長い目で見れば、健康的だと思います。
何故なら、自然な味付けが好きな子は、インスタントやレトルトといった既製品は欲しがらないからです。
ケーキ、ラーメン、チップス、ハンバーガー、フライドチキン、等々。
基本的に自然な味付けで満足するので、お腹が空いた時も、海苔で巻いたおにぎり一個で十分なんですね。
逆に、化学調味料や既製品や外食などの濃い味を覚えてしまうと、自然な味付けは物足りなくて、手作りの炒飯にも塩や醤油を振りかけたり、手作りハンバーグにソースをぶっかけたり、おかしな食べ方をするものです。
私の知人も、白ご飯に食塩を振って食べてましたけど、知人いわく、「白いご飯は味がしない」と言ってました。
普通、白いご飯は、噛めば噛むほど甘味が増して、味噌汁だけで十分でしょう。
ところが、人工的な、濃い味が普通になってる人は、白いご飯も、卵焼きも、唐揚げも、「味がしない」と言って醤油やケチャップを足すし、手作りのミートソースも、挽肉のプチプチ感が苦手と言うんですね。いつもレトルトのソースを使ってるから。
果物ジュースも、いつも薄めた液体みたいなのを飲んでると、逆に果汁100%が物足りなくて、人工甘味のものしか受け付けなくなるし。
そうなると、自然な味に戻るのは難しいし、常に濃い味を求めて醤油やケチャップを追加するので、塩分の取り過ぎにもなりますよね。
お腹が空いた時も、カップラーメンや菓子パンみたいな濃い味でないと満足感が得られず、食べ過ぎたり、偏ったりで、身体の負担になります。
インスタントやレトルトが絶対悪という訳ではなく、一度、既製品の味が標準になると、自然な味付けは受け付けなくなる、という話です。
それが長期で続くと、たとえ三食を手作りしても、塩分過多や脂肪過多になりますし、ちょっとの努力で変えられるものでもないです。
つまり、「味が分かる」ということは、食材のもつ本来の味――
白いご飯であれば、噛むごとに、何ともいえない甘味が広がるのを美味しく感じられることです。
「塩やマヨネーズをかけないと、白ご飯が美味しくない」というのは、すでに味を見失っていると思います。
そう考えると、「三食きっちり」「好き嫌いをなくす」にこだわるよりも、自然な味、食材の本来の味を知ること。
白いご飯は、白いままで美味しいと思えることの方が、うんと大事だと思いませんか。
たとえ、調理は一日一回でも、「味が分かる」というのは、何にも優る財産と思うのです。
何故なら、一度知った自然な味は、生涯にわたって、人工的な、濃い味付けを遠ざけるからです。
たまに、ラーメンやチップスやハンバーガーをドカ食いする日があったとしても、です。
ちなみに、私の現住国の料理は、非常にシンプルです。
豚肉(鶏肉)、ジャガイモ(穀類)、緑黄色野菜だけです。
メインがスープとパンだけの時もあります。
手の込んだものは土日ぐらいしか作りません。
でも、皆さん、体力もあるし、お年寄りも元気な人が多いです。
思うに、塩とバターだけのマッシュポテト、生クリームとマッシュルームのキノコソース、豚肉のオーブン焼き、デザートはバナナとヨーグルトという、シンプルかつ自然な味付けに馴れてるからでしょう。
一度の食事で満足するので、余計な間食もしないし、さらなる刺激と濃い味を求めて、外食やチップスに走ることもない、というのが、健康維持の最大の鍵だと思います。
調理する時、『○○の素』を使う人も多いかもしれませんが、炒飯にしても、基本は塩と醤油のみ、あとは干しエビ、ナッツ、ドライフルーツ(特にクランベリー)、紅ショウガ、ハム、グリーンピースなど、冷蔵庫の余りものを組み合わせれば、味に深みが出るものです。
しかし、『○○の素』など、既製品の味に慣れてしまったら、手作りの炒飯も物足りず、化学的に調味されたものしか美味しいと感じなくなります。以前の私もそうでした。
だから、一日一回の手抜き料理でも、自然な味付けに馴れて、食材の本来の味が分かるようにするのが大事だという話です。
自然な味を知れば、食物の異常が分かる
次に重要なのが、「食物の異常が分かる」ということです。
腐敗や汚染の目安となる、微妙な酸味や苦み、変色、異臭などは、食材本来の味を知ってないと気付かないものです。
納豆にしても、本当の味を知っている人は、納豆がいたんでいるのが分かるし、ヨーグルトも、ナチュラルな味を知っている人は、微妙に臭いのに気付くものです。
ところが、本来の味を知らない人は、微妙な酸味や異臭に気付かず、そのまま口にしてしまうことがあります。
たとえば、友だちの家に遊びに行った時、少し日にちの経った手作りのケーキが置いてあるのに気付き、子供のことだから、黙って口にすることがありますね。
その際、自然な味を知ってる子は、「ツンとする臭い」に気付いて、これヤバくない? と疑問をもつことができます。
ところが、味覚自体がおかしくなっていると、それが分からないんですね。
その逆も然りで、いつも既製品の、ゴテゴテの甘いケーキばかり食べていると、手作りケーキが物足りなく感じるし、「手作りミートソースの肉のプチプチ感がイヤ」とか、「手作りコーンスープは変な臭いがする」とか、受け付けなくなるものです。これが自然な味だよ、と言っても、インスタントのスープしか食べたことがないので、自然なとうもろこしの風味やタマネギの隠し味などが物足りなく感じるのです。その反動で、おやつに塩味バリバリのチップスを食べたりする。
それがエスカレートすると、白ご飯に塩を振りかけたり、唐揚げにケチャップをかけたり、どんどん不健康な方に走っていく上、酸味や異臭に対して正常なセンサーが働かないので、「おかしいな」と感じても、マヨネーズや醤油でごまかして食べてしまうんですよ。
知り合いの子供は、ちらし寿司がほのかに臭っていたにもかかわらず、醤油をぶっかけて、食あたりしたことがあります。
「味が分かる」ということは、食物の異常に気付くということでもあります。
人間も動物ですから、嗅いだり、舐めたり、見た目で食物の良し悪しを判断します。
でも、味覚がおかしくなっていると、些細な異常に気付かず、うっかり食べてしまったりするんですね。
味覚は一生の財産
文部科学省が言うように、『一日三食』『栄養きっちり』『楽しい会話』『感謝と手伝い』も大事ですが、そこばかりにこだわると、親のプレッシャーも半端ないですし、たとえ、一日三食、きっちり作ったとしても、味付け自体が偏っていると、かえって害になることもあると思います。
たとえば、「○○の素を使った炒飯とドレッシングたっぷりのグリーンサラダ、鶏ガラ風味の卵スープ」など、一見、バランスが取れているように見えますが、味としては、既製品に偏ってますよね。
それが日常化すると、チップスやカップラーメンにも、何の抵抗もなくなって、親が食育に必死になっても、いずれそういう濃い食べものを好むようになります。
逆に、一日一回の手抜き料理でも、○○の素などは使わず、醤油ベースで味付けした雑多な炒めご飯、オリーブオイルだけのグリーンサラダ、鶏ガラスープではなく、「さやいんげんのゴマあえ」「茹でたブロッコリーとカリフラワーのバルサミコ酢あえ」といったものを併せて、それが「美味しい」と感じられた方が、長い目で見れば、薄味でヘルシーな食生活を維持する原動力になります。
そういう意味で、ほんとうの食育は自然な味を知ることだし、味覚というのは、一生の財産だと思います。
朝はヨーグルトとフルーツでも、無糖のナチュラルヨーグルト+バナナが美味しく感じられるなら上出来ですし(加糖の果肉入りしか食べない子もいる。ケロッグ系のシリアル大量)、炊きたてご飯+味噌汁で満足するなら上等なので(ふりかけやトッピングがないと白ご飯の美味しさが分からない子もいる)、一日三食や偏食云々にこだわらず、のんびりやっていきましょう。
美味しい料理を作るコツ
以下は、日本のように、大量の加工食品が存在しない国で暮らす人間の悟りです。
地元の奥さん曰く、「好きで手作りしてるわけじゃない。何もないから、手作りせざるを得ないだけ」
そんなママさんたちの手料理を味わう中で学んだことを記します。
食材より調味料にお金をかける
美味しい料理を作るのに、高い食材を買って、調味料は安いものを使う人もありますが、逆です。
食材は二流でいいから、塩や砂糖、醤油、調理用油にお金をかけましょう。
安い食塩ではなく、ヒマラヤの岩塩(ピンクソルト)や伯方の塩。
安い上白糖ではなく、沖縄のきび砂糖や黒砂糖。
安売りの醤油ではなく、ちょっとだけグレードの高い醤油。
市販のドレッシングではなく、本場イタリアやギリシャ産のオリーブオイル。
私が調味料に開眼したのは、実家のお歳暮の残りの「むらさき醤油」という高級醤油で肉じゃがを作ったら、料亭の味みたいに美味しかったからです。
いつものスーパーの食材で、これほど高級感のある肉じゃがが作れるとは夢にも思いませんでした。
有機野菜や無農薬など、スペシャルな高級食材も身体にいいかもしれませんが、結局、決め手になるのは、調味料なんですね。
だから、無理に高級野菜を買わなくても、塩や醤油を良質なものを選ぶだけで、料理の味は格段に違います。
差額といっても、一回分の外食代より安いですよ。
ドレッシングも、市販のをそのまま使う人が多いと思いますが、本場のオリーブオイルを使えば、それだけでサラダもバゲットも美味しく食べられます。(岩塩やフェタチーズ、ドライオニオン、スパイスなどをプラスすればOK)
確かに、輸入もののオリーブオイル(500ml~750ml入り)は高価ですが、市販のドレッシングも、一ヶ月に2~3本は使うでしょう。
トータルすれば、そんなに差はないですよ。一度、計算してみて下さい。
IH(電磁調理器)よりガスかハロゲン
家のオール電化で、IH(電磁調理器)を使ってる人も多いと思いますが、ガス火やハロゲンによる熱調理に比べたら、確実に味は落ちます。
何とも感じない人もあるかもしれませんが、私は初めてIH調理器を使った時、電子レンジと似たような、奇妙な風味を感じました。
実際、IH調理器で米を炊くと、加熱による自然な対流が起きないので、非常に不味いです。
鍋の中の様子は、ガラス製の鍋蓋を使えばよく分かります。
米でも、スープでも、熱の通り方が違うので、食材の動きもガス火などとは異なります。
なので、私はハロゲン調理器に買い換えました。
二度とIH調理器は買わないです。
確かにお湯が沸くのは早いけど、調理中に、キンキンゴンゴン、変な音がするし、ピラフでも、鶏肉でも、ベターっとした感じで、ガス火のような香ばしさはありません。
中華料理店が強力な火力で一気に仕上げる所以です。
鍋や包丁は多少高くても良質なものを買う
鍋や包丁も良い物は高価ですが、お金をかけて買う価値があります。
安物フライパンは傷むのも早く、何度も買い換えたら、結局、高級フライパン1個と同じ値段になりますので。
包丁もしかり。
安物は、切れない、削げないで、ストレスばかりたまります。
その点、ドイツ製の高級包丁は、肉でも、野菜でも、スパっと切れて、切り口がきれいなので、手先の不器用な主婦でもシェフの気分がします。
プロの調理師が、道具にお金をかける所以ですね。
ブランドの良質なものは、高い値段がするだけのことがあります。
それでいて、5年、10年と使い込めるので、安い鍋やフライパンを何度も買い換えるより、はるかに価値があります。
煮込み料理や炒め物の仕上がりも美味しいですよ。