前に、何かの本で読みました。
子供にとって最高の贈り物は、夫婦が愛し合っていることだと。
私も子供の頃、両親が仲良くしている姿を見るのが一番好きでした。やれケツがでかい、屁が臭い、といった話でも、両親の間に笑いがあるだけで、安心して家に居られたものです。
ポーランドで子育てするにあたって、私は何度も日本の豊かさを思いました。
おむつ一つとっても、高機能、高品質のMade in Japan。
世の中、物騒になったといっても、まだまだ治安は良いし、医療福祉も整っている。
選り好みしなければ、仕事もあるし、教育レベルも高い。
それに比べて、何もないポーランドで子供を育てて、得になることなどあるのかな、と。
「幸せは物質では測れない」と言うけれど、物がなければゆとりが生まれないのも確かで、私は、「豊かさ≠幸福」の考えをそっくり支持することはできません。
何だかんだ言っても、生活にゆとりは必要です。
物不足や行政システムの問題などから、ギスギスと生きて行かねばならないとしたら、どんなに心の豊かさを目指しても、得られないのではないかと。
そんな時、思うのは、子供にとって最高の贈り物は何かということ。
もし、私たち夫婦が、バカみたいな話でも仲良く笑い、寄り添っているだけで、子供が幸せに感じてくれるなら、生活する場が日本でも、ポーランドでも、変わりないと信じたいです。
初稿 2004年秋