人生なんて、人に相談しても仕方がないことが多い

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人生なんて相談しても仕方がないことが多い

数奇な人生を経験した奇跡のピアニストとして一躍有名になったフジ子・ヘミングさんの著書『運命の力』に、こんな言葉があります。

人生なんて、人に相談しても仕方がないことが多い――

本当にその通りで、相談する方も、される方も、どうしようもない事の方が圧倒的に多いです。

別の章にも、私を認めて勇気をつけてくれた人は、みんな純粋でいい人ばかりだった。でも「じゃあ、どうすればいいの」って訊くと応えられない。言ってくれる人も貧乏で、なにもできなかったからというエピソードがありますが、それが現実です。

たとえば、ブラック起用の過重労働に悩んでいる人に、「仕事が辛い。辞めたい」と相談されても、「そうね、今すぐ辞めた方がいいかもね」ぐらいしか、答えようがないでしょう。

その人の代わりに、もっといい仕事を見つけたり、一年分の生活費を渡したりできるでしょうか。

恋人と別れた人に、もう一度、彼女が愛されるよう、魔法をかけることができるでしょうか。

それと同じで、周りに悩みを打ち明けたところで、霧が晴れたように解決する方が少数です。

結局は、自分で考え、自分で動き、悩みの原因を取り除いて、乗り越える他ありません。

みな、相談、相談と簡単に言うけども、他人に相談して解決できることなど、ほんの一握りなんですね。

だから、自助努力が大切という話ではなく、「他人とはそういうもの」と理解することで、疎外感や不幸感をコントロールできるという喩えです。

「本当に心が優しいなら、私の悩みにいつでも耳を傾けて、何でも手助けするはず」と思い込んでいたら、人と付き合う度に裏切られ、世の中は冷たいと恨みを抱くだけでしょう。

そうではなく、「他人に出来ることには限界がある」と割り切ることで、他人のさりげない親切が身に染み、その感謝の気持ちが周りとの関係を円滑にして、より良い援助に繋がっていくんですね。

誰も助けてくれないのは、あなたが愛されない人間だからではなく、人には出来ることと、出来ないことがある。

それが分かった上で、人に助けを求めるのと、まったく理解せずに、どかっと寄りかかるのでは雲泥の差があります。

「他人が与えてくれるのは、ほんのきっかけに過ぎない」と心に留めるだけで、この世はずいぶん生きやすくなるものです。

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