『依存』というと、アルコールやドラッグを連想するかもしれませんが、交際中のパートナーに自身の幸福を預けるのも一つの依存だと思います。
彼氏がいなければ、一人で居られない。
彼氏から期待通りのレスポンスがなければ、無視されたと思い込み、傷つく。
朝から晩まで彼氏のことで頭がいっぱいで、彼氏の態度に一喜一憂し、生活や人生の全てが彼氏中心に回っているような毎日。
気が付けば携帯電話をいじり、病的に着信をチェックし、応答がなければ、世界中から見捨てられたような気持ちになっていませんか?
その対象が、ゲームやSNSならまだ対処のしようもありますが、彼氏は生きた人間です。しんどい時もあれば、一人になりたい時もあります。
他人の心は、スマホみたいに、ON / OFF できるものではありません。
自分の心の平安を保つ為に、彼氏の親切や気遣いに依存すると、相手もしんどくなって、どんなに好きでも疲れてしまいます。
そして、あなたも、どんどん気持ちに歯止めがかからなくなり、ついには相手を憎むようになるかもしれません。
そうなると、相手も不幸だし、自分も救いがなくなってしまいますね。
彼氏に依存して、心の平安を得ようとする気持ちは分かります。
せっかく掴んだこの愛を逃したくない、という気持ちも強いでしょう。
だけど、その為に、相手も自分も不幸にしては、元も子もありません。
彼氏がいようと、いよまいと、自分の幸せには、自分で責任をもたなくてはいけないのです。厳しいなぁと思われるかもしれませんが、自分で自分の幸せの袋をいっぱいにするスキルがないと、次はこれ、次はあれと際限なしに他人に求めるようになるからです。
あなたも辛いけど、相手も辛い。
どんなに優しい人も、自分が生きていく為に必死です。
私たちは皆、タイタニック号から海に投げ出された乗客みたいなもの。
必死で水を蹴り、海面に顔を浮かせて、生き延びるのに必死です。
余裕で生き残れるのは、救命ボートに乗った一部の恵まれた人だけ。
そうでない者は、必死で泳いで、生き残るしかありません。
そんな時、「私も苦しいの。お願い、助けて」と背中にしがみつかれたら、誰だって力尽きるでしょう。
自分も泳ぐし、相手も泳ぐ。
二人が力を合わせて初めて、岸に辿り着くことができます。
真の愛と信頼は、互いに支える中で育まれるものであって、どちらか一方が相手を支え、もう一方は、何もせずに寄りかかる……というものではないんですね。
淋しい、彼氏に構って欲しい、という時も、まずは自分で自分を楽しませることから始めましょう。
本を読んだり、ショッピングに出掛けたり。
「このモヤモヤを今すぐどうにかしたい」という時も、相手の事情もお構いなしに訴える前に、まずは自分で気持ちを整理しましょう。
少し間をおけば、他人にぐちぐち打ち明けるほどの事でもなかったと気付くと思います。
そうして、少しずつ、自分で自分の面倒を見る習慣を身につければ、いつか一人が苦にならなくなるし、自分で自分を楽しませることができれば、他人が思うようにレスポンスをくれなくても、だんだん気にならなくなるはずです。人は人、自分は自分、お互いにペースがあることが分かってきますから。
その上で、互いに助け合い、好意を深めることができたら、これほど幸せなことはありません。