世の中にはいろんなアドバイスが溢れかえっていますが、その多くは怒りや憎しみを否定し、感情をコントロールすることの大切さを説いています。
しかし、怒りもまた人間の感情の一つです。
悪いのは、相手に怒りをぶつけることであって、怒りそのものに罪があるわけではないんですね。
トーベ・ヤンソン原作のムーミンに、次のような名言があります。
「この人は怒ることもできないんだわ。それがあんたの悪いとこよ。『たたかう』ってことを覚えないうちは、あんたには自分の顔はもてません ――ミイ」
怒りは悪いものと思い込み、無理に押さえたり、自分を責めることは、自分で自分を蔑ろにするようなもの。本当に怒るべき時に怒りを表明せず、逆に、怒りを感じている自分に罪悪感を持つようになれば、周りにまで蔑ろにされるようになります。
怒りもまたあなたの心の一部であり、心が感じることに良いも悪いもありません。
問題は表現方法や処理の仕方であって、感情そのものが人間を不幸にするわけではありません。むしろ、怒っている自分を責めたり、自分で自分の怒りを蔑ろにすることによって、いっそう自己無価値感に陥ることもあります。
あなたはもっと「怒り」を大事にしていい。
怒りもまた人間の尊い感情の一つです。
自分の怒りを大事にすることで、他人の怒りにも寛容になれます。