年齢的な焦りと向き合う ~大切なのは本音を知ること
女性もある年齢に達すると、言い知れぬ不安や焦りを感じるものです。
大切なのは、そうした心の変化を素直に認め、じっくり向き合うことです。
「焦ってもしょうがない」と開き直ったり、「今が充実してるからそれでいい」と自分に言い聞かせたり、「女性の生き方は一つじゃない」と世間に反抗的な態度を取っても、人生が好転するわけではありません。
むしろ自分にも周りにも頑なになり、いっそう扱いにくくなるだけです。
そもそも、適齢期に差し掛かった女性が焦りや不安を感じることは、決して恥ずかしいことではありません。焦る女性を「みっともない」とあげつらう方が間違いです。
焦りや不安を感じたなら、「なぜ自分はそう思うのか」、じっくり自分自身に問いかけてみましょう。
一人でも生きられると高を括ってきたけれど、人生の厳しさを知って、伴侶の必要性に気付いたのかもしれません。
あるいは、子育てに興味が湧いてきたのかもしれません。
「このままでいいの?」という疑問は現状に対するアラートです。理屈でどう言い聞かせようと、自分自身が納得してないから、現状に不安を感じるのです。
自分で自分を嘲って、茶化したり、虚勢を張っても、周りは「痛い人」と思うだけ。自分自身も苦しくなるだけでしょう。
人間の感情に、間違いも、恥ずかしいもありません。
問題は、どのように対処するかです。
年齢的に焦りや不安を感じた時、「私は出来る女。焦りも不安も超越して生きてます」といい格好するか、「こんな時、どうすればいいの?」と素直に受け止め、自分の心の声に耳を傾けるのでは、大きな違いがあります。
自分に言い聞かせるうちは自由じゃない
言い知れぬ不安を感じた時、独身女性の中には、
「焦ってもしょうがない」
「女性の生き方は一つじゃない」
「周りに焦っているように思われたくない」
「今が充実しているから、それでいい」 等々
自分で自分に言い聞かせ、気持ちを紛らわせる人も少なくないと思います。
それで一時的に気が楽になっても、根本的な問題は何一つ変わらないので、些細な事がきっかけで、また気持ちが落ち込んで……その繰り返しではないでしょうか。
虫歯になったら、歯が痛むように、「心がうずく」ということは、そこに治療すべき問題がある証です。
辛い、淋しいというネガティブな気持ちは、心のSOSでもあるんですね。
それを理屈で封じ込めて、「私は大丈夫」と取り繕っても、虫歯の上にセラミックを被せているようなものですから、時間が経てば、傷口も疼きます。
痛みの原因を取り除かない限り、心が安らぐことはありません。
でも、それは今すぐ結婚しろ、子供を産めという話ではなく、「何故、自分はこんなに心が騒ぐのか」と、まずは自分と向かい合うことです。
同期はみな結婚してるのに、私だけ彼氏もいない、とか。
今は仕事に夢中で充実してるけど、周りはそうじゃない、とか。
いろんな原因があると思います。
そこを一つ一つ自分に問いかけ、分析して、「本音はこうなんだ」と気づくところから新たな人生も始まるんですね。
「あなた、結婚に焦ってるんでしょ」と言われて、ムカっときた時、「女性の地位が、差別が」と外側に原因を求めても、何の救いにもなりません。
何故なら、結婚に焦るのは、社会がそれを求めるからではなく、自分が自覚しているからです。
20歳の子が同じことを言われても、「やだなぁ、私、まだ大学生ですよぉ」と軽く切り返せるのに、28歳になるとイライラするのは、自分で肉体的・社会的リミットを自覚しているからで、社会があなたを焦らせているわけじゃないんですね。実際、28歳でも、のほほんとしている人は少なくありません。
そうした本音と真剣に向かい合うか否かで、女性の将来も大きく変わってきます。
たとえ女性の地位が向上しても、周りでうるさく言う人がなくなっても、あなたが誰かに愛されるわけではありません。