「オールドミスであることは、溺れて死ぬようなもの。もがくのをあきらめて沈んでいくような喜びに似た感情です」
と、エドナ・ファーバー(訳注=アメリカの女流小説家・劇作家)はいいました。
年老いて「ひとりっきり」になることを考えると、怖くなって不安になります。
だからこそ、その状態から逃れるために、大勢の人が相性の合わない人と結婚するのです。
わたしは最近、人間関係について、新しい見方をするようになりました。
初めから、配偶者を見つけなければならないなどと思わずに生きるようにすることです。
あなたも自分の子供に、人生の目的は自分自身の人生を歩むことであり、配偶者と一緒に生きる人もいれば、一生独身を通す人もいるということを、しっかり教えたらどうでしょうか。
そして、一人ひとりが自分に与えられた人生の義務を受け入れ、それに十分に注意を払うようにしたらどうでしょうか。と同時に、もしも神様が配偶者と一緒になったほうがいいとお考えになれば、その配偶者を見つけて与えてくださり、有無をいわさず、その配偶者と一緒に暮らさざるをえなくなると信じたらどうでしょう。
そうなれば、配偶者を探すために、わざわざ「ハント」する必要などありません。ということは、まちがった出会いもないはずです。また、人間関係を無理して続ける必要もありません。この世に「オールドミス」も「結婚したくてもできない男性」も、いなくなることでしょう。人生は、ただ生きるためのものになるはずです。
こうして、わたしたちが人生に対してもがくのをやめれば、人生は好転するにちがいありません。
「○才になったら結婚をしなければならない」というばかげた法律などないのです。
心配しなくても、神様が「そろそろ結婚させたほうがよいだろう」とお考えになれば、そのときにぴったりの相手が現れます。
【コラム】 自分の努力で変えられないこともある
人間の一生には、自分の努力ではどうにも変えられないことがたくさんあります。
恋人の心変わりもそうだし、出会いもそうです。
勤め先が倒産することもあれば、働き盛りの親が突然急病で倒れることもあります。
自分の人生を、何もかもコントロールしようとすれば、自分自身のみならず、相手も疲弊します。
努力が報われるのは、せいぜい中学生ぐらいまで。
それから先は運によりけりで、個人の努力ではどうにも変えられない事の方が圧倒多数です。
なかなか結婚できないからといって、その全てが本人のせいではありません。
世の中には、まったく別の使命をもった人もいて、どれが正しいという事はないです。
ただ一つ確かなのは、今この瞬間の生き様が未来を創るということ。
正しく努力すれば、少なくとも、この社会で生き抜くスキルはつきます。
金持ちと結婚して一発逆転みたいな、ずるいやり方ではなく、経済力や自立力を身に付けることを考えましょう。
つらい、淋しいと嘆くばかりで、何もしなかったら、ますます使えない人間になってしまいます。
たとえ独身でも、自分のスキルを活かして、社会の真ん中で活躍している人はたくさんいます。
自由な時間を活かして、趣味を楽しんだり、友だちと旅行に出かけたり、充実した人生を送る方法はいくらでもあります。
結婚で、人生の良し悪しが決まるなどと思わないことです。
人生なんて、最後まで生きてみないと分かりません。
なければ無いで、また別の人生が続くだけです。
その人には、結婚以外の、別の使命があった、というだけです。
自分の努力でどうにも変えられない事態に遭遇したら、後は神さまに任せましょう。
そして、ただただ、目の前の課題に没入するのです。
そのうち、自分の為すべきこと、役割などが、はっきりと見えてくるのではないでしょうか。