世の中、いろんな○○論が溢れています。
情熱をもって生きろと説く人がいる一方、ゆっくり生きればいいと説く人もあり、どちらが正しいのか、分からなくなりますよね。
それとは別に、この世には絶対不可侵の規律が存在します。
殺すな、盗むな、嘘をつくな、etc。
こうしたことは、文化や宗教の違いにかかわらず、大抵共通しています。(細部にまで目を向ければ、それが正当化される世界もありますが)。
後者を真理とするなら、○○論に相当するものは、処世の知恵といえるでしょう。
真理は変わりませんが、処世の知恵は、その時々に応じて変わります。
あえて言うなら、処世の知恵は、自分が損しない為の戦略といったところでしょうか。
真理は万人に救いの手を差し伸べることを良しとしますが、現実社会で、善人にも悪人にも、同じように施していたら、身が持ちませんよね。
現世を生きるには、二つの認識が必要で、真理を重んじつつ、処世の知恵を駆使するのが理想だと思います。
相反する○○論が存在したとしても、迷う必要はありません。
どちらも本当で、どちらも現実。
なぜなら、○○論は、現世の鏡のように、その時々に応じて形を変えるからです。
どちらが正しいか正義の天秤で量ろうとするから迷うのであって、その時々に応じて、都合のいいように取り入れたらいいだけのこと。
処世の知恵は、真理と異なり、その時々に応じて沈んだり、もてはやされたりする、浮き草みたいなものですから、そんな教えに絶対的な価値観や正義を求める方が間違いなのです。
ある意味、魂は真理に、理性は処世の知恵に習うのが理想かもしれません。
人は魂で生き、理性で現世を渡るからです。
参考になる記事
上記をテーマにした小説の抜粋はこちらです。縦書きPDFです。