窮屈な毎日に息がつまりそうな人へ
このページを開いたあなたは、人生にはユーモアが大切であることを思い出してください。
そして、すべてを忘れて思う存分遊ぶことが、どれほど楽しいかを思い起こしてください。
いまのあなたの頭の中からは、人生を楽しもうとする考えなどすっぽり抜け落ちているのかもしれません。あるいは、そもそもあなたは、心の底から笑えるような経験をしたことがないのかもしれません。
さあ、そんな窮屈でつまらない生活とはこのへんでサヨナラしてください。
これからは大いに楽しもうではありませんか!
頭の中を空っぽにして、楽しいことを思い浮かべ、声を上げて笑ってみましょう。思う存分遊び、愉快に時を過ごしてリラックスしましょう。あなたの日々のエネルギーを、ほんの少しでも遊びに向けてください。少しずつ、楽しむ努力をしてみましょう。
日々忙しい社会の中で生きていると、ユーモアがなければやっていけない場面によく出くわします。楽しさからほど遠い気持ちでいるときほど、ユーモアが必要なのです。
夫や恋人との関係をもっと楽しいものにするためにも、あるいは理想の恋人を見つけるためにも、人生にユーモアを求め、大いに楽しみましょう。
自分を楽しませる時間をつくれたら、どんなにおもしろいでしょう!
あなたは、どんなことで笑いますか?
大きな声で思い切り歌いたくなるのは、どんなときですか?
たまには、ハメをはずしましょう。好きなことをして、思う存分楽しみましょう。そうです、自分の中の子どもを見つけるのです。
その子は、いま何歳ですか?
何をして楽しみたいと言っていますか?
きょう、その子に何をさせれば、あなたを気に入ってくれるでしょう?
公園に行く。クレヨンで絵を描く。粘土をこねまわす。ジョークを言う。雪玉を投げる。それとも、木に登る・・・・・・。
大切なのは、あなた自身がのびのびと自由になることです!
ただ注意しなければならないのは、「楽しみ」がいたって個人的なものであるということです。つまり、あなたにはおもしろくて仕方のないことが、他人にはおもしろくもなんともない場合がよくあるのです。だからこそ、自分にとって何がおもしろいのか、じっくり考えてください。
自分が好きなことがほんとうにわかったら、無責任にならない程度に用事を放り出し、遊びに出かけましょう。いまこそ、遊ぶ楽しさを再発見してください。
あなた自身が陽気にならなければ、彼はあなたと一緒にいても楽しくないはずです。あなたと一緒にいてつまらなければ、彼はあなたとではなく、ほかの人と一緒に何かを楽しもうとするでしょう。彼にしてみれば、陽気なところがまったくないあなたが、自分本位で無責任に見えるのです。
ただし、必死になって遊ぼうと努力することはありません。楽しみを、義務的な仕事にしてはいけません。あなたが心底楽しめることだけをすればいいのです。
いまは「しなければならない」ことは忘れ、楽しいことだけ考えるのです。
大いに羽を伸ばしましょう!
ユーモアとは場を和ませる知恵
ラブ・ウィズダムでは「ユーモア」を主眼とし、米国のコメディドラマのような明るさを引き合いに出していますが、突き詰めれば、どれだけ人を楽しませ、また自分も楽しむかという、知恵と思いやりの話です。
たとえば、誰かが仕事でミスをした時、頭のてっぺんから怒鳴る人がいます。
たとえその人のやり方が間違いとしても、そんな言い方をしたら、次から萎縮して、何もできなくなってしまいますね。
周りの人たちも、自分にまったく関わりのないことでも、とても嫌な気分になります。
米国のコメディドラマを見ていると、ウェイトレスが注文を聞き間違えて、希望と異なる料理を運んできた時、「俺、ハッピーセットと言ったっけ?」みたいなジョークで場を和ませるシーンがありますが、ラブ・ウィズダムの言う「ユーモア」とは、「おもろいギャグ」ではなく、場を和ませるための知恵と思いやりです。
たとえハッピーセット・ネタが周囲にウケなくても、「ふざけやがって!」と怒鳴りつけるより、うんとマシでしょう。
また、そうして相手に救いの手を差しのべ、場を和ませようとする姿勢は、周囲にも伝わるもの。
あなた自身も救われ、その日一日、誰もが明るい気分で過ごせるのではないでしょうか。
そうした気働きをするには、あなた自身に余裕がなければできませんし、日頃、いい人でも、気が立っていると、ついつい店員や部下に当たり散らしたりするものです。
無用な悲劇を避けるためにも、オフの日には好きなことをしてリフレッシュするのが何よりも大事です。
ユーモアなど、何の役に立つ……と思われるかもしれませんが、仕事でも、人間関係でも、場が膠着すると、真っ先に失われるのがユーモアです。
意識して使わなければ、ルールと権力が全てを支配する世界に置き換わります。
何事も頭ごなしに批判するのではなく、ユーモアで接してみましょう。
一人が救われれば、その場にいる人すべてが救われます。
Fun ユーモアは他人も救う
この章の原題は、Fun です。
fun には、「楽しみ」「おもしろみ」「ふざけ」といった意味があります。 [ジーニアス英和辞典第5版]
日本人がイメージする「楽しい(オモロイ、笑える)」とはニュアンスが異なり、レクリエーションとしての楽しさ、雰囲気の明るさ、人柄の陽気さに通じるものがあります。
「○○さんの漫才、楽しいね」というよりは、「クリスマス休暇が楽しみだね」という時の fun です。
英語の humor(ユーモア)は、funと異なり、機知(ウィット)に近いニュアンスがあるので、 話芸や文筆の形容として使われることが多く、「今年のクリスマス休暇はユーモアがいっぱいです」とは言いません。それを言うなら、a lot of fun (楽しみがいっぱい)です。
ただ、日本の読者に対しては、ユーモアの方が通じやすいので、訳者の栗木さんも「ユーモア」と表現されたのではないでしょうか。
何にせよ、他人の失敗や間違いを、「ゆるふわ」で、明るく和ませれば、誰にとっても救いになります。
どんな時も、怒りより、ユーモアが先に立つよう、心掛けたいものですね。