不満から愛は育たない ~不満は人間関係を好転させるチャンス

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不満がつのっている人へ

このページを開いたあなたは、いま無意識に、否定的なものの見方をしています。そして、愛する人に対して不満をつのらせています。

相手の欠点ばかり見ることをやめ、誰にでも長所と短所があるものだという事実を認めましょう。そうすれば、どれほど気持ちが楽になることか。

これからは、夫や恋人を、あるいは自分自身を批判したくなったら、こう言い聞かせましょう。

「不満や批判から、愛は育たない」と。

私たちは、自分の望むことが受け入れられないと、不満を持つようになります。そして他人のあらさがしを始め、悪口を言いはじめます。

あなたがいま批判しているのは誰でしょう? 恋人? 夫? それともあなた自身?

しかし、考えてみてください。その批判は、はたして公平になされているのでしょうか?

あなたはただ一方的に、不平不満をぶちまけていませんか?

不平というものは非常にやっかいで、いったん言いはじめると歯止めがきかなくなります。

「あの人は、私の望みどおりのことをしてくれない」

「彼ったら、頭にくることばかり言う」

と、相手への不満をつのらせていくのです。

しかし、自分以外の人間の立場や考えを理解しようともせず、相手を一方的に悪人に仕立てあげたところで、二人の間のわだかまりをぬぐい去ることはできません。たとえ相手の行動がその場にふさわしいものでないように思えても、あなたの価値観にそぐわなくても、批判してはいけません。やみくもに相手を非難し、攻撃してはいけないのです。きちんと話し合ってください。そして、相手の行動や考えを素直に受け入れ、認めるようにしてください。

不満や批判の裏には、しばしば、ある種の欲求が隠されています。

あなたがいますぐ欲しいと思っているものは何ですか?

ああだこうだと他人を非難するのに忙しくなかったら、ほんとうは何が欲しいと思っているのでしょう?

願いさえすれば、望みのものは手に入るのです。望みをかなえてくれる相手を責め立てさえしなければ。

自分の心の奥底の欲望を見つめなおし、相手の気持ちを考慮し、一方的に不満を並べ立てるのをやめれば、いまよりはるかに楽しく充実した人生を送ることができるでしょう。

出典 : 不満から愛は育たない ~不満がつのっている人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より

【コラム】 不満は人間関係を好転させるチャンス

一般に「不満は悪いもの」と思われがちですが、良い方に考えれば、問題修正のチャンスでもあります。

お互いが我慢して、不満を内に溜め込めば、どれほど表面的に上手くいっても、いずれ息苦しくなって、破綻するからです。

不平不満は自分主体で伝える ~「私はこう思う」の大切さ』にも書いているように、要は伝え方の問題で、相手に不満を感じること自体が悪いのではありません。

友だちが自分の推しキャラについて、ペラペラ喋りまくっている時、「もうちょっと、ゆっくり話してくれる  その手の話題は疎くて・・・」と言えば、「えっ、そうなの。知ってると思ってた。一方的に喋って、ごめんね~」で済むところを、「早口の人って、思いやりが足りないんだよねー」みたいな言い方をするから、相手も不愉快になり、人間関係もこじれてしまうのです。

不平・不満を伝えるのが苦手な人は、問題を解決することよりも、「自分が悪人にならないこと」に全神経を集中するので、上手くいかないのだと思います。

ストレートに言えば済むところを、自分は傷つかぬよう、また悪人にならぬよう、言葉を選んで、遠回しに言うので、相手に嫌われてしまうんですね。

確かに、不平・不満を口にされて、喜ぶ人など皆無です。

「もうちょっと、ゆっくり喋ってくれる 」みたいなひと言さえ、「人格を否定された」と大騒ぎし、「あの人は心が冷たい」と逆ギレする人もいることを思えば、言う方も慎重になる気持ちも分かります。(これぐらいなら、私が我慢するしかない……)と自分を押さえ込む人も少なくないでしょう。

しかし、そうして溜め込んだ不満を、嫌味や、あてこすりといった形で爆発させたら、相手との関係もいっそうこじれてしまいます。

それより、「あっ」と思ったその時に、こまめに伝える努力をした方が、修復も早いと思いませんか?

何事も、言い方一つ。

自分の意思表示はしつつ、相手の顔も立てることを優先すれば、案外、あっさり解決するものです。

「私はこうしたい」「こんな事に困ってる」というのをストレートに言えば済む話です。

そこで先回りして、「あなたは思いやりが足りない」みたいな言い方をするから嫌われるのです。

最初はなかなか勇気がいるかもしれませんが、一つ一つ、チャレンジして、乗り越えるしかありません。

たとえ、一時的にヒビが入っても、誠心誠意、詫びることで、乗り越えられる事もあります。

要は、いかに相手との関係を続ける意思があるか。

そして、相手を立てるかです。

たとえ相手が100%、間違っているのが明らかでも、「私は被害者。あなたが悪い」という態度では、修復のチャンスはおろか、人間関係さえも潰してしまうものです。

Critical 批判的な態度は人間関係を壊す

この章の標題は、Ciritical です。

critical には、「批評」「批判的な」「難癖をつける」といった意味があります。[リーダーズ英和辞典第5版]

この場合、critical の対象は、あなた。批判的な人物を指します。

人間関係に限らず、仕事でも、芸事でも、critical(クリティカル)な態度は嫌われますし、批判されて、成長する人はまずありません。

物事を正しく見定め、間違いは間違いと指摘することは大事ですが、「指摘」と「批判」は異なりますし、何でも言えばいい、というものでもないです。

間違いを指摘しつつ、それを良い方向に導くには、高いコミュニケーション能力が必要で、その大本は何かと問われたら、やはり思いやりと想像力なんですね。

興奮すると、ついつい言い過ぎるのは誰しものことだし、不満がたまれば、相手のせいにしたくなるのが人の性です。

しかし、本当に相手との関係を大切に思うなら、自分から「謝る」「正す」「尽くす」といったことにも同じくらい注力しなければなりません。

言ったら、言いっぱなし、言われた方の気持ちなど考えないのはNGでしょう。

人間関係は、心とスキルのアート(art)です。

良い関係を作るには、仕事や芸事と同じくらい、工夫と錬磨が必要です。

誰かにこっそり教えたい 👂
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