なぜ自分の子どもが欲しいのですか ~自己複製の本能と女性の悩み

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子供が欲しい理由は死に際に分かる

最近、「発言小町」という掲示板に、興味深いトピックスが立ちました。

特に子供が欲しいとは思わない女性からの、『なぜ自分の子供が欲しいのですか』という質問です。

それに対して、こんなレスをつけた方がおられました。

死に際にわかる

私の母親がなくなる時、
「子供がいて本当によかった」
と言っていました。
私達子供は、母親と自分たちが似ている所を話しながら、
「母親は亡くなるけど、遺伝子は私たちの中で生きてるんだって思ったら救われるような気持ちになるね」
と言い合いました。
母親が亡くなる時、母親のDNAが自分の中に生きていることが無性に嬉しかったです。
理由はわかりません。本能だと思います。

>じゃあなんで私は自分のDNAを残したいと思わないんだろうか・・と、

それは死に間際にものすごく感じる気持ちなんじゃないかと思います。

とても印象深い言葉でした。

「救われるような気持ち」になるのは、母親だって同じこと。

私が上の子を産んだ時、一番強く感じたのは、「ああ、これで、生物としての大きな役割を果たした」と思ったし、あとは、風に吹かれて死んで行くカマキリの気分でした。

人間は、カマキリと違うので、子作りしてからが長いが、それでも産んだ時点で、生物的に、一つ大きな役割を終えたのは確かだと思います。

子供と自己複製

数ある本能の中でも、一番強烈なのが、自己複製の本能でしょう。

生命の本質は「維持」にあり、さらなる繁栄の為に「複製」を繰り返すものです。

自己複製の本能があるからこそ、氷河期や、恐竜絶滅のような苛酷なイベント下でも生命は続いたわけで、人間の感情や理屈で誤魔化したり、置き換えたりできるほど単純なものではないと思うんですね。

たとえば、スズメが自分の存在理由を疑い、「生きることに意味なんてない」「子供なんかいらない」と考えるようになれば、あっという間に絶滅するでしょう。

あんな小さな鳥でも、生きようとするから、厳冬期も、食糧の乏しい時期も、生き延びるわけで、その元になっているのは何かと言えば、やはり遺伝子レベルの「自己複製の本能」だと思うのです。

それは人間も同じで、どれほど頭の中で「子供なんか、いらない」と考えても、どこか収まりが悪いのは、遺伝子レベルでは自分がどうすべきか、知っているからでしょう。

腹の底から納得しておれば、匿名掲示板に書き込んだりしないし、イーオンのフードコートや公園で仲良くランチを食べている親子連れにイライラすることもありません。

本能に反した考えを持っているから、自分でも不安だし、落ち着かないだけで、答えは非常にシンプルだと思うんですね。

子供を産んだり、育てたり、、、というのは、人間の理屈をはるかに超える営みで、主義主張や社会体制で変えられるものではないです。

もし、それが人間の意思でコントロールできるなら、この世から女性の悩みなど、とうの昔になくなっているでしょう。

だから、女性の皆さん、子供を産みなさい……という話ではなく、大半の女性は、それほど強烈な本能を抱えているということです。

強烈だから、誤魔化すことも、忘れることもできない。

そこに現代女性の苦悩があります。

その苦悩から逃げられる人など、皆無ではないでしょうか。

下手に自分の気持ちを誤魔化して、「そうよね」と他者の同意を求めたところで、何の救いにもなりません。

それよりは、これが生物の本能と受け止め、時に焦り、時に疑問に思う気持ちと、仲良く生きていくのが賢明と思います。

生き方や考え方は変えられても、DNAに刻まれた本能は、誰にも決して変えられないのですから。

動画『地球そして生命の誕生と進化』

YouTubeに無料公開されている、非常にクオリティの高い科学ビデオです。

生命科学に関する知識がなくても、生命誕生から人類の進化に至るまでの過程を美しいアニメーションで堪能できます。

誰かにこっそり教えたい 👂
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