恋人を自分の思いどおりにしようとしている人へ
このページを開いたあなたはいま、夫や恋人を自分の思いどおりにしようとしています。彼の行動だけでなく、考え方やものの感じ方にまであれこれ口を出し、指図しようとしています。あなたはいま、彼に対して自分が支配的になっていることがわかっていながら、言い訳を並べ立てては、自分の行為を正当化しているのです。
あなたは彼の生活に必要以上に干渉していませんか?
彼が何を着ようが、何を食べようが、どんな人生を送ろうが、結局のところあなたに口出しする権利はないのです。たとえ二人が夫婦であっても、もともとは別々の一人の人間同士、
他人同士なのですから。あなたはただ自分に責任を持ち、他人から支配されそうになったときにきちんと対応できれば、それでいいのです。
なにも周囲のものすべてを自分の自由にできなくても、不安を覚えることはありません。他人を思いのままに操ることができなくても、彼があなたの言うことを聞かなくても、気に病む必要はないのです。あなたは、あなたなのです。自分に対する自信は、あなたの内部から湧き上がってくるものであり、他人を支配することによって得られるものではありません。
もしあなたが、望みのものを手に入れたいがために、すねてみたり、ねだってばかりいるようなら、いますぐやめましょう。ちょっと身体の調子が悪くなると、その原因や治療法を考えもせずに愚痴をこぼし、「もうダメだわ」などと弱音を吐くのもいけません。それは結局、あなたが自力でどうにかしようとしているのではなく、彼にやってもらおう、彼を思いのままに操ろうとしていることなのです。
たとえば、子どもの頃を思い出してみましょう。あの頃は自分の身に何がふりかかろうと、なす術を知りませんでした。転んでケガをしても、自分で傷口の手当てをすることができず、周囲の大人の手を借りなければなりませんでした。また、親を思いのままに操ろう、わがままを通そうともしていました。欲しい玩具があれば、駄々をこね、大人にねだるのです。
やがて大人になるにつれ、自分を抑制することを知ると同時に、どうすれば他人を思いどおりにできるかがわかってきます。そして、相手が自分の好きなようにならないと、子どもの頃の苦痛、心細さがふたたびよみがえってきます。そのため、よけい必死になって相手を自分の思いどおりにしようとするのです。
しかし、あなたには他人をコントロールする権利はありません。コントロールできるのはあくまでも自分自身だけ。ですから、彼のありのままの姿を尊重してください。自分のことは自分で決めさせるのです。もし彼が別れたいというのなら、それがあなたにとってどれほどつらいことであろうと、別れてあげなさい。心の底からあなたと一緒にいたいと願っている相手とでなければ、結局、あなたは幸せにはなれないのです。
独身のあなたは、恋に恵まれないのを、人のせいにしたり、運の悪さのせいにしていませんか? ところが実際は、あなたは高望みをしていたり、まったく脈のない相手に思いを寄せたりしているのです。そして、ほんとうはあなたにピッタリのお似合いの相手がいるのに、「私のタイプじゃないわ」と彼のことをよく知りもせずに拒否しているのです。
これからは、他人のあるがままの姿を寛容に受け入れましょう。そして、相手を尊重しましょう。
そうすれば、他人をコントロールしようとしなくても、真実の愛を惹きつけることができるのです。
出典 : 望みをはっきり伝えよう ~甘え方が下手な人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より
対等な大人として意見を交わそう
『『No』と言わせない女性 ~罪悪感で人を支配しない』にも書いているように、相手に罪悪感をもたせて、相手の行動や考えを自分の都合のいいように操ろうとするのは、一番やってはいけないことです。
「私はこんなに身体が弱いのに」「私はこれほど傷ついているのに」等々。
私は被害者、悪いのはあなた、という図式で話をすれば、最初は同情していた人も、だんだん嫌になって離れていきます。
皆、それぞれに辛いこと、悲しいことを抱えて必死です。
仲間同士の冗談や仕事の指摘、飲み会のキャンセルなどで、意図せずして、相手を傷つけてしまうこともあります。
確かに、相手も悪いかもしれませんが、それを楯にとって、「もっと私に優しくすべき!」などと言いだすと、それは気づかいではなく、支配でしょう。
そんな主従のような関係は相手も自分も幸せにしないし、むしろ問題をこじらせて、ますます孤立していきます。
それよりも、対等な大人として会話を楽しみ、お互いに平等な立場で、意見を伝える努力をしましょう。
ラブ・ウィズダムのコラムでも繰り返し書いていますが、人間関係=コミュニケーションは誰にとっても苦手なもの。
美貌や才能に関係なく、相手の心を思い通りに操作できる人など皆無です。
みな、傷つき、苦しみながら、人との接し方を学びます。
自分を被害者に仕立て上げ、相手に罪悪感を持たせて、思い通りに操作するやり方は、最初は通用するかもしれませんが、それに味をしめて、何度も繰り返すと、確実に嫌われます。
そんなやり方をしなくても、対等な大人として、意見し、要望を伝える権利は誰にでもあるのですから、正面から相手と向きあって、伝える勇気をもって欲しいと思います。
その中で合わないと感じたら離れる。
それはあなたに魅力がないからではなく、合わない人とは、どうやっても合わないからです。
周りの人は、みな家族や友人や恋人に恵まれているような気がしますが、そんな人は稀です。みな、何かを我慢し、何かと戦いながら、なんとか関係を保っています。
あなただけが特別に下手なのではありません。
少しずつでも頑張っていきましょう。
Control コントロールされた相手は恨みに思うもの
出典は忘れましたが、若い頃に読んだエッセー本で、「あなたは彼のコントロールに成功して、ほくそ笑むかもしれませんが、コントロールされた相手は一生恨みに思うでしょう」みたいなことを言及されていました。
たとえば、彼に別れを告げられた時、「私はこんなに尽くしたのに、人間として最低と思う。責任をとるべきだ」と相手に罪悪感をもたせ、思惑どおり、結婚に漕ぎ着けたとしても、彼は一生、あなたを恨み続け、あなたも決して幸せにはなれない――という話です。
これは恋愛に限らず、仕事でも、友だち付き合いでも、みな同じ。
コントロールに成功した人は、相手に謝罪させ、自分の思う通りの状況に誘導できて、ほくほくかもしれませんが、その時には相手の気持ちも完全に冷め切って、二度と心を開くことはありません。表面はニコニコ顔でも、心を踏みにじられた屈辱は一生忘れないものです。
「こう言えば、こう動いてくれるだろう」みたいに画策するのは止めましょう。
打算は捨てて、人間として、真心から話すことです。