不平不満は自分主体で伝える 「わたしは、こう思う」の大切さ
誰にとっても苦手なもの。それは不平不満の伝え方だと思います。
とりわけ日本社会は同調圧力が激しく、うかつにNoと言えません。人と違った意見を口にすれば、たちまち爪弾きにされて、孤立することもあります。
そうした経験から、恋人にも不平不満を伝えることができず、遠回しに言って相手を怒らせたり、相手の言いなりになってしまう人も少なくないのではないでしょうか。
不平不満も言い方一つで、相手の受け止め方も大きく変わるものです。
たとえば、重い荷物を二階に運んで欲しい時、一方的に「運んで」と命令すれば、相手も不愉快ですし、あなたも相手が言うことを聞いてくれなかったことをいつまでも恨みに思うでしょう。
逆に、相手が断ることも想定して、「あなたの都合のいい時にお願いできますか?」と声かけすれば、相手も自分を尊重されていると感じるし、断る余裕もできます。
最初から「あなたは手伝うべき」という強硬な態度で要望を伝えるから、相手も身勝手に感じ、あなたと距離を置くようになるのです。
不平不満を伝える時は、相手の欠点をあげつらったり、一方的に命じるのではなく、まず自分の正直な気持ちを打ち明け、どうすれば解決するかを具体的に示しましょう。その際、相手にも断る余裕を与えます。あなたの都合がどうあれ、相手にもNoを言う自由があるからです。
人と異なる意見や要望を伝えることが間違いなのではなく、相手を責めたり、罪悪感をもたせることで、我を通そうとするから嫌われるのです。
我が侭とは、相手にプレッシャーかけて、断れないような状況に誘導することを言います。
自分の気持ちを正直に話そう
多くの人は不平不満を伝えるのが苦手です。
特に日本は同調圧力もあり、個人の意思よりコミュニティの意見統一が重視される部分があります。
皆がYesと推す中、自分だけがNoと言うのも大変な勇気が要るのではないでしょうか。
不平不満を伝えるコツは、自分主体で話すことです。
自分主体とは、「あなたが悪い」ではなく、「私はこう思う」という自分の気持ちを正直に話すことです。
自分の気持ちを正直に話せば、傷つくこともあります。
相手は必ずしもあなたの思う通りにしてくれるとは限らないからです。
だからといって、相手を誘導するような物言いは、相手にとって不快なだけです。
「この荷物が重たいから、手伝って欲しい」と素直に話せばいいのに、「友人なら手伝うのが当然」「目の前で人が苦労しているのに、何とも思わないのかしら」というような物言いをするから嫌われるのです。
言いたいことを言うのは、我が侭とは違います。
相手にプレッシャーをかけて、物事を自分有利に運ぼうとするのが我が侭であって、自分の辛い、悲しいを正直に話すことは我が侭ではないんですね。
恐らく、自分の気持ちを正直に話さず、相手を誘導するような言い方をしてしまう人は、傷つくのが怖いのでしょう。
しかし、『No』と言わせない女性 ~罪悪感で人を支配しない~にも書いているように、相手があなたの要望にNoというのは、単に都合が悪いか気が進まないだけで、あなたという人の全人格を否定しているわけではありません。
都合は都合。愛情は愛情。
それはそれと割り切って、素直に自分の気持ちを話してみましょう。
結果は思いがけなく良い方に向かうかもしれないですよ。