気ままなつきあいを続けている人へ
このページを開いたあなたは、彼との関係を続けていくうえで、きちんとした心構えができているかどうか、自問してみてください。
愛する人とずっとつきあっていくためには、「誓いを立て、責任を持ち、約束を守る」という心構えを持つことが大切です。つまり、いい加減な気持ちではなく、相手を深く愛し、信頼していくことが重要なのです。
ところが現代社会では、「信頼と責任」の重要性を教わる機会などほとんどありません。ですから、いまこそ初心に戻ってください。責任を持って相手を愛するというのはどういうことなのか、もう一度考えてください。
あなたは、健全で、愛情にあふれた、お互いに支え合う、一夫一婦制の結婚生活を送っていますか?
あるいは、いまの恋人と、そういった結婚生活を送るつもりがありますか?
あなたには、そういった結婚生活を送る権利があります。
もし彼との関係が真剣なものでなければ、いますぐ考え直してください。言い訳は無用です。自分の手で、自分の力で、信頼と責任ある関係を獲得するのです。とにかく、まず前向きに行動を起こしてください。あなたが行動を起こせば、結果はあとからついてきます。「そのうち」「いつかね」と、曖昧なことばかり言って、ぐずぐずしていてはいけません。いったん「する」と決めたことは、必ず実行してください。
あなたの言葉を法律にするのです。
ただし、一夫一婦制の結婚には、当然「束縛」がともないます。責任ある行動をし、約束を守ると相手に誓うことは、自分の好きなことだけをしていられなくなることも意味します。それで、私たちは結婚する際に、多かれ少なかれ怖くなるのです。しかし、その恐怖心を克服し、少々の不自由に我慢しなければ、真に満ち足りた愛情深い生活を送ることなどできません。
あなたはいまの夫や恋人を、これから先もずっと愛し、信頼していくことができますか?
苦しいときやつらいときも逃げ出したりせず、二人の関係を続けていくことができますか?
どのような問題が起こっても、二人の関係を守るために努力し、耐えることが、はたしてあなたにできるでしょうか?
なんだか自信がなくなってきた人もいるでしょう。まあ、初めのうちは、あまり難しく考える必要はありません。誰だって、いくら目の前にいる相手を愛していても、その人と結婚し、一生愛していく自信があるかどうかと自問すれば、多少の不安を覚えて当然なのです。よほどの決断力がなければ、そうそう簡単に決心がつくことではありません。
しかし、迷ってばかりはいられません。いくらショッピングが好きだからといって、
「これにしようかしら?やっぱり、あれにしようかしら?」と、いつまでも品物選びで迷ってはいられないのと同じです。店が閉まれば、物を選ぶことができなくなるように、いつまでもウジウジしていると、健全な関係を築く機会の扉も閉まってしまうのです。
たとえいまの彼との関係がどんなに楽しくても、遊び半分のいい加減な関係を続けていては、あなたは決して幸せにはなれません。
常に尊敬でき、心から愛することができるような相手と生活してください。あなたがそのために努力し、真剣に取り組めば、いつかその努力に見合うだけの深く大きな喜びが得られるでしょう。
出典 : 互いを信頼する ~気ままなつきあいを続けている人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より
人間関係には責任を伴う
どんな恋愛関係も、「好き」な気持ちで始まりますが、実際に交際が始まれば、責任を伴うもの。
それは、友人、親族、仕事、どんな人間関係も同じだと思います。
「もう自分の気持ちは冷めたから、関係ない」
「自分の人生を生きたいから、相手はどうなってもいい」
いくら心変わりしたとはいえ、犬や猫を捨てるように、関係を断ち切っていいものではありません。
犬や猫でさえ、飼い主には保護が義務づけられているのに、人間だけが好きにしていい、という事にはならないでしょう。
相手にも、相手の生活があり、幸せに暮らす権利があります。
いったん関わりをもったからには、相手の人生に責任をもち、誠実を尽くす義務があります。
その結果、どうしても好きになれない、上手くやっていく自信がないなら、関係を断ち切る選択肢もありですが、だからといって、口汚く罵ったり、相手の暮らしを破壊したり、河原に猫を捨てるような感覚で、粗末に扱うのは許されないことです。
「気楽に付き合える」のと、「相手に対して気楽になる(無責任)」は、まったく別ですし、心変わり=責任も放棄していい、ということではありません。
そうした最低限のルールも守れない人は、誰と付き合っても、上手くいかないのではないでしょうか。
誰にとっても、人間関係はデリケートで、深刻なものです。
自分にとって都合のいい相手と、自分の好きなように付き合いたいと思います。
でも、相手も人間ですから、何もかも自分の思うようにはいきません。
それは相手にとっても同じこと。
自分がしんどい事は、相手もしんどいと考えて、最後まで誠実に尽くしたいものです。(関係の強要という意味ではありません)
Commitment 責任能力のある大人の約束
本章の原題は、Commitmentです。
commitmentには、「約束」「公約」「献身」「責任・義務」といった意味があります。 [ジーニアス英和辞典第5版]
似た単語に promise (プロミス)がありますが、こちらは「指切りげんまん」の世界で、破られることもあります。
その点、commitment(コミットメント) は、ビジネス用語としても使われるように、『責任』を伴います。
一方的に約束して、平然と破るようなことは許されません。
また、その場のノリで、指切りげんまんするのではなく、お互いの利益や社会のルール、能力なども考慮して、慎重、かつ真剣に約束を交わします。
一方的に破棄することも許されないし、また、無責任に約束を交わすこともNGです。
プロミスを子供の約束とするなら、コミットメントは責任能力のある大人の約束ですね。
好きな気持ちだけではなく、社会人としての責任も大事に考えたいものです。