子供の頃に、心に痛みを負った人へ
このページを開いたあなたは、子どもの頃体験したことをもう一度思い出してください。子どもの頃に体験したつらい経験が、いまも精神的な傷となってあなたの中に残っているのではありませんか? そしていま、それが原因で、夫や恋人との関係が難しくなっていませんか?
大人になってから築く人間関係は、私たちが子どもの頃に学んだもの、目にしたものに大きな影響を受けています。そして、その悪影響があまりにも強いと、夫や恋人と関係を続けていくうえで問題が起こるのです。
では、ここで一度、よく考えてみましょう。
あなたが子どもの頃に見聞きした人間関係のルールとは、どんなものでしたか?
両親は一緒に暮らしていましたか?
あるいは別居、または離婚していましたか?
あなたは両親が深く愛し合い、信頼し合い、誠実で、尊敬し合っている様子を見ながら育ちましたか?
それとも両親が嘘をつき、裏切り、互いを軽蔑し合っている様子を目の当たりにして育ってきましたか?
あなたは「両親から十分愛情を注いでもらえなかった」と感じており、夫や恋人に親の代役を務めてもらいたいと思っているのではありませんか?
あるいは暴君的な父親の真似をして、相手に対しておそろしく支配的な態度をとっていませんか?
それとも、親に押さえつけられて育ってきたので、いまでも夫や恋人に抑圧されているような感じがしていませんか?
いまここで、自分が育ってきた環境、受けてきた教育やしつけがどんなものだったか、よく考えてください。そして、ほんとうは夫や恋人からどんなふうに扱ってほしいのか、自分はどのような行動をとりたいのかを、じっくりと見きわめてください。ひょっとすると、あなたはいまだに親離れできていないのかもしれません。
誰をどのように愛するか、あなたは自由に自分の意思で決定することができますか?
答えが「ノー」ならば、いまだに親とつながっている「へその緒」をみずから断ち切りましょう。あなたはもう子どもではありません。いまこそ、肉体的にも精神的にも、家を出なくてはならないのです。
過去から学び、自分が過去からどれほど影響を受けているかを認識しましょう。そのとき初めて、あなたは過去と決別し、未来への第一歩を踏み出すことができるのです。
出典 : 過去を見直そう ~子供の頃に、心に痛みを負ったへ』より
【コラム】 恨み言に囚われない
子供時代の辛い記憶は誰にとっても人生の足かせです。
そこに囚われている限り、どれほど才能があっても、容姿や金銭に恵まれても、幸福を感じることはありません。
酷い傷を負ったのは、あなたのせいではないですが、そこから抜け出すのは、自分の人生の課題です。
親の死を願っても、人生は変わらないにも書いているように、たとえ、諸悪の根源である親が死んでも、自分の中に恨みや不幸感が残っている限り、誰と付き合っても、何をしても、生涯、満たされることはありません。
周囲に同情を求めても、「あなたも気の毒ね」と頷くのが精一杯。
最後には自分の力で抜け出さないと、誰も助けてくれないのです。
それには長い時間がかかりますが、恨みがましい気持ちで生きていくより、抜け出す努力をした方がはるかに幸せに近いです。
何かに躓いた時、「私は子供時代に、こんな酷い目に遭ったから、仕方ない」「誰も私を分かってくれない」というような恨み言をやめるだけでも、物事は大きく違ってくるものです。
Childhood Issues 解決すべき心の問題を放置しない
この章の原題は、Childhood Issuesです。
childhoodには、「子供時代」「幼少期」、issueには、「問題」「争点」「心配事」といった意味があります。他には「子、子孫(法律用語)」「出口」「結末」といった使い方もあり、幅広い言葉です。
‘問題’といえば、problem(プロブレム)がよく知られていますが、「problem」が、困難や支障としての問題を表すのに対し、issueは、金銭問題や失業問題のように、「解決すべき問題」として語られます。
喩えるなら、嫁姑の対立はproblemですが、その為に、奥さんが実家に帰ったり、離婚問題に発展するようなら、issueです。
誰の人生にも、problemは付きものですが、それをproblemのまま放置して、「大変だ、大変だ」と騒ぐだけで終るか、「これについては全力で解決しなければならない」と覚悟を決めて、全力で取り組むか(issueとして考える)の違いは大きいです。
覚悟を決めて、全力で取り組んだところで、理想通りに解決するとは限りませんが、何もしないよりは自信が持てます。
ダイエットも、理想通りに痩せるのが目的ではなく、「毎日、30分間、ストレッチ体操をする」を継続している自分に誇りを感じるのと同じです。
立派になって恨みを晴らそうとか、同じ痛みを味あわせてやろうとか、復讐は考えないこと。
恨みのある人間のことは横に置いて、自分の仕事や目の前の人間関係に注力しましょう。
そうすれば、いつか呪縛も解けて、良い友人や伴侶もでき、その頃には、親にされたこともすっかり忘れていると思います。