恋人を理想のタイプに変えたいと思っている人へ
このページを開いたあなたにとって、いまは素直に夫や恋人のありのままの姿を受け入れる時期です。
これは、あなたにとってたいへん重要な問題なのですが、同時に難しい注文でもあります。私たちは、愛する人と交際を始めたり、結婚したりすると、相手を自分の望みどおりに変えたいと思いがちです。そして、相手の意向など無視して、相手にあれこれ注文をつけはじめます。しかし、こういったことは、いますぐやめてください。あなたが無理やり相手を変えようとするのは、相手にとってもよくありませんし、あなた方二人の関係においてもよくありません。
もし相手に、いまとは違うタイプの人間になってもらいたければ、いますぐ別れることです。そして、あなたが理想とするタイプにあてはまる人を探し直してください。
もし、あなたに好きな人がいて、どうしてもその男性と交際したいのであれば、その人本来の姿を受け入れなければなりません。
あなたには、他人を変える権利などありません。あなたに裁量があるのは、相手に対する対応だけです。夫や恋人から何かを要求されたとき、それを受け入れるか、受け入れないかを判断するだけです。判断できたら、あなたはその返事を相手に伝えます。そして、その返事を知って相手が何をしようと、それもまた相手の責任なのです。あなたには関係のないことなのです。
たとえば、夫が煙草を吸うことに、あなたが我慢できなくなったとしましょう。
「お願いだから、煙草を吸うのはやめてくれない?」
とていねいに頼めば、夫は快く応じてくれるかもしれません。応じてくれたら、感謝しましょう。しかし、応じてくれない人は、いつまでたっても断固として応じてくれないでしょう。そういうときは、仕方ありません。煙草を吸う夫を受け入れてあげましょう。
あなたが煙草を吸う夫を非難したい気持ちはわかりますが、それでも、私たちは誰もがいろいろな意味で完璧な存在なのです。誰にでも長所と欠点があり、それらをすべてひっくるめて、完璧な存在なのです。
ですから、だらしない人にきちんとしろと命令したり、活発な人に静かにしなさいと言ったりして、強制するのはやめましょう。相手の幸運を祈り、あなたにとっては気に入らない部分も受け入れてください。相手を変えようとするのはやめることです。
じつは、変えなければならないのは、自分自身、自分の行動である場合が多いのです。自分の弱点や改善点を考えるより、相手の欠点をあげつらうほうがずっと簡単ですから。愛する人のありのままの姿を受け入れてください。その努力を重ねているうちに、きっとあなたは自分のありのままの姿もわかるようになり、それをきちんと相手に伝えられるようになります。
そうすれば、あなたは自分と合わない人を自由にしてあげられます。そして、心から深く愛し合える相手と生涯を共にすることができるのです。
出典 : ありのままの姿を受け入れる ~恋人を理想のタイプに変えたいと思っている人へ 『恋に揺れるあなたへ 56の処方箋』より
人は変わらないし、変えられない
『理屈で人を変えることはできない』にも書いているように、説得ぐらいで人を変えることはできません。
誰もが「こう言えば、分かってくれるだろう」「こう言えば、ちょっとビビって、必死になるだろう」と考え、必死に言い聞かせるわけですが、優しく言おうが、厳しく言おうが、変わらない人はか変わらないし、理屈で人を変えることはできないんですね。(熱意は伝わるかもしれませんが)
それよりも、こちらの言い方や態度を改めた方が、はるかに緩和しやすいです。
コチラの動画は、神奈川県公式の「ゲーム依存」の漫画エッセイですが、まさにその通り。オンラインゲームの弊害や、勉学の大切さをどれほど言い聞かせても、たとえ優しい物言いでも、ゲームや、その他のことで凝り固まった人の考えや生活習慣を変えることはできません。変えられるのは、こちらの言い方や接し方だけ。ゲームの場合、ゲーム漬けになっている本人が悪いには違いないけども、それを責めたところで、誰をも救わないのです。
ゲーム依存とまではいかなくても、短気だったり、鈍感だったり、どんな人も一長一短あるものです。
「この人の、ここが許せない」と思っても、仕事上、付き合っていかなくてはならないこともあります。
その時に、「この人の、ここが気に入らないから、直してもらおう」と、怒ったり、責めたり、くどくど言い聞かせても、お互いにしんどくなるでしょう。
それよりも、「この人の、短気なところは仕方ない。それなら、どうしたら気持ちよく付き合えるか考えよう」と自分から工夫した方が効果が高いと思いませんか?
その際、自分から態度を変えるのは損だ、負けたと考える限り、誰と付き合っても上手く行かないと思います。
たとえ相手が悪いのが明らかでも、時には、自分から下手に出た方がいいこともあるからです(相手の非を無かったことにするのではなく、自分から和解しやすい雰囲気を作る)
「人は変わらないし、変えられない」
それが人間関係の大原則です。
もし、今、相手を説得したり、非難することに躍起になっているとしたら、いったん、頭の中を真っ白にしましょう。
『馬耳東風』の喩えもあるように、くどくど言い聞かせても、変わらないものは変わらないし、響かないものは響かないのです。
Acceptance ~受け入れる力
この章の原題は、Acceptanceです。
acceptanceには、「受諾」「容認」「受け入れ」といった意味があります。 [ジーニアス英和辞典第5版]
「現実と向かい合う」「自分自身と向かい合う」「相手と向かい合う(対話)」、受け入れる対象も様々です。
「ありのままを受け入れる」のは、人間関係に限ったことでなく、現実も、自分自身も、みな同じです。
「こんな結果は認めない」「自分の本音など知りたくない」
事実から目を背けて、「私がいつまでも独身なのは、結婚制度が現代にそぐわないからだ」「周りの男性のレベルが低いからだ」とあれこれ言い訳しても、何も変わりませんね。むしろ、言い訳ばかりしている人に、周りもうんざりするのではないでしょうか。
それよりも、「なかなか、いい人が見つからないの」「このまま、一生独身だったらどうしよう 」と素直に口にした方が、周りも応援しやすいでしょう。
人は、問題が核心に近いほど、「あのブドウは酸っぱいんだ」と言い訳して、ブドウが採れない自分を正当化するものです。
言い換えれば、「ブドウが採れない自分」と向き合い、受け入れる勇気がないからですね。
そうではなく、ブドウが採れなくても、キツネはキツネ。ブドウがダメなら、リンゴもある。本気でブドウが欲しいなら、どうやったら採れるか、真剣に考えてみよう。
こんな簡単なことが、受け入れる勇気がないと出来なくなるのです。
『受け入れる力』は偉大です。
それこそ本物の強さです。
自分に対しても、他人に対しても、『受け入れる力』を育てれば、人生全体が大きく変わっていくのではないでしょうか。
他人には「ありのままの私を愛して」と要求するくせに、自分自身は「ありのままの相手」を受け入れる努力をしない人も少なくないですね。ありのままの自分を愛されたければ、自分もありのままの相手を受け入れ、理解する努力をしなければ。そうして初めて、相思相愛になるのではないでしょうか。