ダンス・ミュージカル映画– tag –
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マイノリティに未来はあるのか 映画『グレイテスト・ショーマン』が描くノーマライゼーションの精神
異形、有色、障がい者など、社会的マイノリティにスポットライトを当て、一流の興行師を目指すバーナムと家族の葛藤を描いた新感覚のミュージカル。好奇と蔑みの眼差しの中、『This is Me(これが私)』と熱唱する場面は圧巻。 -
ロシア人のドタバタ珍道中とノスタルジーを描く 音楽映画『オーケストラ!』
ボリショイ交響楽団の名指揮者アンドレイはブレジネフ政権のユダヤ人演奏家排斥を拒否して、掃除夫に降格される。ある時、パリ・シャトレ座からの公演依頼を目にしたアンドレイは昔の仲間を集めてパリに乗り込むが、バイオリニストのアンヌ=マリーの間に秘められた過去があった。チャイコフスキーのバイオリン協奏曲をテーマにロシア人の珍道中を描くハートフル・コメディの傑作を動画で紹介。コラム『過ぎ去った時代へのノスタルジー』 -
チャーリー・パーカーの伝記映画『バード』 ~酩酊の「Lover Man」 レコーディング秘話
ビバップの創始者で伝説のサックス奏者チャーリー・パーカーの短い生涯を描いたクリント・イーストウッドの伝記映画。ドラマとしての物足りなさは否めないが、演奏は素晴らしく、極上のミュージック動画として楽しめる。酩酊状態でレコーディングに挑んだ『Lover Man』を動画とSpotifyで紹介。阿川泰子のヴォーカル&邦訳と併せて。 -
映画『敬愛なるベートーヴェン』と交響曲第9番「合唱付き」~世界で一番幸せな人は初めて第九を耳にした聴衆
難聴に苦しむベートーヴェンと彼を補佐する写譜師アンナの心の交流を描く伝記映画『敬愛なるベートーヴェン』より第九交響曲初演のエピソードを紹介。第九が作曲された背景とシラーの原詩の日本語訳、ドイツ語の読み方、合唱のコツ。「世界で一番幸福なのは初めて第九を耳にした聴衆」というコラム。 -
抜け出す意思のある者だけが抜け出せる 不遇と幸運の境目 映画『8 Miles』
貧困層と富裕層を分ける8マイル境界線の内側で、生活力のないシングルマザーと幼い妹とトレーラーハウスで暮らすラビット。ライムを作る才能に恵まれながらも、惨めな境遇から抜け出す術を持たない。初めてのラップコンテストで敗北しながらも、ノートにライムを書き綴り、本気で8マイルの外に抜け出す意思を固めていく。不遇にあえぐ若者への力強いエールでもある。 -
自己主張にも言葉のスキルが必要 映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』
ヒップホップを通じて貧困問題や人種差別を訴え、全米の若者の心を鷲づかみにした伝説のグループ『N.W.A』。早逝したイージー・Eや、ドクター・ドレ、アイス・キューブらの青春模様をスタイリッシュなライブ映像で描く伝記映画を動画・Spotifyを交えて紹介。コラム『自己主張にも言葉のスキルは必要』と併せて。 -
最低のクズ映画と酷評されても『ショーガール』が好きな理由
のっけから、吐く・脱ぐ・殴る、オッパイぶるぶるのトップレスダンスに、下品きわまりない、クズ映画で知られるポール・ヴァーホーベンの代表作。主人公のノエミはバイタリティにあふれ、ベガスの女王を演じるジーナ・ガーションもセクシーで魅力的。世間が酷評するほど悪い作品ではないというのが当記事の主張。パワフルなダンス動画をメインに、華麗なるショーガールの世界を紹介。実際に訪問したラスベガスの写真も掲載しています。 -
売れない芸人の夢と悲哀を描く 映画『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』
デイブ・グルーシンのお洒落なジャズをサウンドをバックに、売れないジャズ・ピアニストの恋と生き様描く。キム・ベイジンガーのセクシーな歌声が素晴らしい。コラム『思い通りに生きられなくても』 -
ヤクザは人間ではない 角川映画『キャバレー』とサックスの名曲「レフトアローン」
ミュージシャンが指を切り落とされて「ひどい、あんた人間じゃない(野村宏伸)」「オレはヤクザなんだよ(鹿賀丈史)」でお馴染みの80年代角川映画のヒット作。マリーンの歌うジャズの名曲『レフトアローン』も印象的で、曲だけ憶えている人も多いはず。果てして実際のやくざはどうなのか。親分さんの思い出から綴る。 -
LGBTの違和感とどう向き合うか 映画『ステージ・マザー』の戸惑いと挑戦
聖歌隊の指揮者メイベリンの元に息子の訃報が届く。息子はドラァグクイーンで、ゲイバーの人気者だった。事実を知ったメイベリンは残された仲間を支え、倒産寸前のゲイバーの再建に力を尽くす。希望を感じさせるステージが印象的なハートフルドラマ。 コラム『エルトン・ジョンのベッドシーンまで見たくない』『問題提起にヒステリックになり過ぎではないか?』『世間はLGBTの当事者ではなく、活動家が苦手』 -
ソウルな歌唱とは自我の発露 ~ジェニファー・ハドソンの歌唱が素晴らしい 映画『ドリームガールズ』
女性グループ『ザ・ドリームス』を売り出す為、プロデューサーは実力派のエフィをセンターから降ろし、美人のディーナをリードに据える。エフィは傷つき、落ちぶれるが力強く再起する。ジェニファー・ハドソンの歌唱が素晴らしい音楽映画の傑作。コラム『ソウルな歌唱とは自我の発露』。 -
美しい男たちのスリリングな愛を描く映画『戦場のメリークリスマス』 贖罪と反戦の挽歌
第二次大戦下、ジャワ島の日本軍捕虜収容所で、日本語を理解する英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、捕虜たちを監督するハラ軍曹(ビートたけし)といつしか心を通わせるようになる。一方、厳格で、名誉と武士道を重んじる収容所の所長、ヨノイ大尉(坂本龍一)は、新たな捕虜となったジャック・セリアズの美しさと真っ直ぐな気性に次第に魅了されていく. -
君は女性以上の存在 ~青春の葛藤を描く 映画『サタデー・ナイト・フィーバー』
70年代、空前のディスコ・ブームを巻き起こした青春映画の傑作。ダンスの達人でありながら人生の目的を見出せずにいるトニーは、ひたむきに生きるステファニーに出会い、自分の生き方を見つめ直す。ジョン・トラボルタのダンスとビージーズの名曲を動画で紹介。コラム『ひたむきなステファニーと愚かな女アネット』『君は女性以上の存在 : トニーとステファニーの絆』 -
哀愁のジャズとマグナム『タクシードライバー』~雨は人間のクズどもを歩道から洗い流してくれる
雨は人間のクズどもを歩道から洗い流してくれる。奴らを根こそぎ洗い流す雨はいつ降るんだ? マーチン・スコセッシの歴史的名作を画像と動画で解説。夜の香りが漂うバーナード・ハーマンのサウンドトラックも素晴らしい。You Talkin' to Me? や Anytime, Anywhere など、有名な台詞も交えながら、ロバート・デニーロの魅力を熱く語る。 -
生きる希望と優しさと 映画『バグダッド・カフェ』 / 主題歌『コーリング・ユー』(歌詞あり)
伴侶を失い、生きる希望もなくした二人の女性が砂漠のカフェで交流を深め、再び幸せを見出す物語。世界中で愛される主題歌『コーリング・ユー』と、この曲を一躍有名にした映画を動画とSpotifyで紹介。 -
世界を救う第五の要素 映画『フィフス・エレメント』 & エリック・セラの『Little Light of Love』
世界を救う「五番目の要素」とは何なのか。超人的な能力をもつ美女リールーと元特殊部隊のTaxiドライバー、コーベンの活躍を描く新感覚のSFアクション。エリック・セラの主題歌も印象的なリュック・ベッソン監督の傑作。 -
中年男の最後の夢と若い女の残酷さ 人生の最後を彩る映画『ラストタンゴ・イン・パリ』
中年男ポールと若く美しいジャンヌは衝動的に関係をもち、互いに誰か知らないまま逢瀬を重ねるが、婚約したジャンヌはポールを捨てて、悲劇へひた走る。破滅を前に踊るラストタンゴが美しいベルトリッチ監督の異色作。コラム『誰の人生も一度限りの躍り』など、ガトー・バルビエリの主題曲をモチーフとしたコラムを掲載。 -
なぜ神は自らの代理人にかくも下劣な若造を選んだのか 映画『アマデウス』
「神は切望だけ与え、声は奪い去った。私の賛歌など臨まぬなら、なぜ切望を与えたのだ。熱い欲求だけで才能は下さらない」サリエリの嘆きは我々凡人の嘆き。クラシック音楽映画の最高峰を画像と動画で紹介。 -
若者に幸福な朝は訪れるのか 今宵の愛を歌う『トゥナイト』と『ウエスト・サイド・ストーリー』
昭和の名作ミュージカル『ウェストサイド物語』を色彩感あふれる映像で現代的にアレンジしたスティーブン・スピルバーグ監督の傑作。アカデミー賞を受賞した圧倒的な群舞に目が釘付けになる。今この時代古典的な恋を描いた監督の意図は何だったのか。象徴的なエンドロールを中心に解説。2021年と1961年の群舞の違いを動画で紹介。 -
名曲『アクエリアス ~輝く星座』 未来に輝く「水瓶座の時代」
70年代ヒッピーは『水瓶座の時代』に期待を込めて意識革命を高らかに歌った。巫女を思わせるような黒人女性歌手の『アクエリアス』は祈りのように天にこだまする。あれから50年。我々の社会は水瓶座の時代にふさわしく進歩しただろうか。『アクエリアス』の歌詞と邦訳を紹介。占星術コラム『水瓶座の女』と併せて。
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