歴史ドラマ– tag –
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女装スパイと外交官の官能愛を描く 映画『エム・バタフライ』
北京のフランス大使館に赴任したルネ・ガリマールは蝶々夫人のアリアを歌う女優のソン・リリンに一目惚れし、二人は愛し合うようになる。だが彼女の正体は中国政府の女装スパイだった。実話を元に異形愛を描くクローネンバーグの傑作を動画と画像で解説。 -
英国王室が分かる4部作「エリザベス」「ゴールデン・エイジ」「ブーリン家の姉妹」「クイーン」
25歳で王位を継承したエリザベス1世の半生をケイト・ブランシェットが知的に演じる歴史ドラマ。老獪な政治家相手に自らの理想を時、政策決定を下すエリザベスの姿は現代キャリアウーマンにも通じる。 -
リメイクの難しさ ~若者に媚びるか、年寄りに忖度するか 映画『ベンハー 2016』
1595年のチャールトン・ヘストン版をリメイクした2016年版は失敗作とも言われるが、制作者のチャレンジ精神とリスペクトが感じられ好感がもてた。リメイクの難しさを綴るコラム『若者に媚びるか、年寄りに忖度するか』と併せて。 -
どの国にも誇るべき歴史がある ノルウェー映画『ラスト・キング 王家の血を守りし勇者たち』
13世紀ノルウェーで偉大な王ホーコン3世が謀殺される。次期王位継承者である遺児を守るため、ノルウェー兵士(ビルケバイネル)の二人が雪原をスキーで滑走する。当時の暮らしが垣間見える、疾走感のあるアクション史劇。 -
現実社会と魂の居場所 映画『ルートヴィヒ』(2012年)とバイロイト祝祭劇場の旅行記
芸術を愛する若きバイエルン王・ルートヴィヒはワーグナーのオペラに魅せられ、世界平和の為に祝祭劇場の建設を進めるが、臣下の反感を買い、ついには幽閉されて、湖で非業の死を遂げる。だがルートヴィヒは本当に「狂王」だったのか。美しい理想に身を投じた若き王の純粋な魂とワーグナーの関わりを華麗に描いたドイツ映画の傑作。資料として、バイロイト祝祭劇場、ワーグナー博物館、ヴァーンフリート荘の墓碑、ワーグナーの行きつけのレストランなどを写真で紹介。ルートヴィヒの内面に迫るコラムと併せて。 -
神を笑うなかれ 修道院ゴシックホラーの傑作『薔薇の名前』 ショーン・コネリー主演
ゴシックホラーの異色作。高邁な修道僧ショーン・コネリーと若きクリスチャン・スレーターが厳格な修道院で起きる連続殺人事件に挑む。殺害の理由には中世キリスト教における『笑い』が秘められていた。なぜ僧は笑いを禁じられたのか、笑いと神にどんな関係があるのか、映画のスクリーンショットを交えて解説するレビュー。 -
アラン・リックマン 魅惑の悪役『ロビンフッド』と『ダイ・ハード』より
アラン・リックマンといえば「ダイ・ハード」の悪役テロリスト。そして英国アカデミー賞助演男優賞を受賞した「ロビンフッド」のノッティンガム司法官。演技達者でユニークなリックマンの世界を画像で解説。 -
映画『復活』(RISEN) 復活とは何か ~12人の弟子と信仰の奇跡
イエスが磔刑に処されると、ピラト総督は『復活』を恐れて、百人隊長クラヴィウスに遺体を見張るよう命じる。だが遺体は忽然と姿を消し、イエスが復活したという噂が広まる。クラヴィウスは12人の弟子の後を追い、信じられない光景を目にする。『復活』とは何を意味するのか、12人の弟子の内面に着目した良質な宗教ドラマ。 -
何を信じ、どう貫くか リュック・ベンソンの映画『ジャンヌダルク』と正しい信仰心
『現代は信じられるものがない。だから何かを信じぬいた少女を描きたかった』とリュック・ベンソン監督。聖女ジャンヌ・ダルクは本当に神の声を聞いたのか。思い込みの激しい少女、それは傲慢であるという斬新な解釈のもと、劇的に描く歴史スペクタクル。 -
美しい女が老いに直面する時 映画『血の伯爵夫人』 エリザベート・バートリと年下の恋人
若さと美を願うのは、間違いですか? 美貌の伯爵夫人エリザベート・バートリは、21歳の若くてハンサムなイシュトヴァンに恋をしたことから、自分の老いを強く意識するようになる。愛を失うことを恐れた夫人は自らの美貌を永遠に保つことに執心し、乙女たちの生き血を求めるようになる。女性の老いと悲哀を正面から描いた人間ドラマ。 -
極限下の愛と支配を描く 映画『愛の嵐』 ~暴力でしか愛を表現できない男と離れられない女
半裸の少女がナチス将校の衣装をまとい、両手で胸元を隠して、マレーネ・ディートリッヒの曲を儚げに歌う場面で有名。将校マクシミリアンと囚人のルチアは、戦後、見知らぬ他人として再会するが、再び激しく求め合う。『私は第三帝国に仕えたことを誇りに思う。再び生まれても同じことをするだろう』『僕はあえてドブネズミの人生を選んだんだ。夜、働くのには訳がある。光だよ。私には光が眩しいんだ』の台詞が印象的な衝撃作。 -
戦争とは歴史の無慈悲なロシアン・ルーレット 映画『ディア・ハンター』
運が悪ければ頭が吹っ飛び、運がよければ生き延びる。敵国だろうが同盟軍だろうが、貧乏人に待ち受ける運命はみな同じ。気まぐれにロシアン・ルーレットを弾く手は、決して自ら汚れることはない。ロバート・デニーロとクリストファー・ウォーケンの名演が胸に迫る戦争映画の傑作。 -
南北分断の悲劇と願いを描いた 韓国映画『シュリ』 ~自由に行き来する魚のように
韓国情報部の捜査官と北朝鮮工作員の女性の恋を中心に、南北分断の悲劇と願いを描く娯楽アクション。韓国では映画『タイタニック』をしのぐ大ヒットとなった。作品の魅力を画像付きで解説。「国家よりコンテンツ」の若い世代が世界を変えていくのではないか、というコラムと併せて。 -
マリー・アントワネットの『デッドマン・ウォーキング』 ~死の大天使サン=ジュストの演説とルイ16世の裁判について
ルイ16世もマリー・アントワネットも死刑に値するほどの犯罪人だったのだろうか。王者らしく、最後まで毅然と振る舞った国王夫妻の死に様と、裁判の行方を決定づけた死の大天使サンジュストの演説、欧州の死刑制度に関するコラムを掲載しています。 -
目と目で見交わす愛 映画『スパルタカス(1960年)』カーク・ダグラス / スタンリー・キューブリック
名優カーク・ダグラスがスパルタカスの反乱を演じる歴史スペクタクル。現代の戦争映画とは比較にならないほど地味な演出だが、ラブシーンは温もりに満ち、テーマ曲も美しい。見どころを動画付きで解説。 -
美しい男たちのスリリングな愛を描く映画『戦場のメリークリスマス』 贖罪と反戦の挽歌
第二次大戦下、ジャワ島の日本軍捕虜収容所で、日本語を理解する英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、捕虜たちを監督するハラ軍曹(ビートたけし)といつしか心を通わせるようになる。一方、厳格で、名誉と武士道を重んじる収容所の所長、ヨノイ大尉(坂本龍一)は、新たな捕虜となったジャック・セリアズの美しさと真っ直ぐな気性に次第に魅了されていく. -
映画『シンドラーのリスト』とオフィシエンチム戦争博物館(アウシュビッツ収容所)の記録
スティーブン・スピルバーグのアカデミー受賞作「シンドラーのリスト」の見どころを動画で紹介。オフィシエンチム(アウシュビッツ)博物館の日本人ガイド中谷剛氏の著書とテキストから、歴史教育に関する考察を掲載しています。 -
父よ、彼らを赦したまえ。イエス・キリストの教えを描く 映画『ベン・ハー(1959年)』
復讐に燃えるジュダ・ベンハーとイエス・キリストの教えをダイナミックに描いた歴史ドラマを動画で解説。聖書のエピソード「洗礼と一杯の水」「神はあなたを見ている」「迷える子羊」「十字架の愛と奇跡」「磔刑と悲しみの道」を解説 -
宮尾登美子『天璋院篤姫』 与えられた運命の中で生き抜く
親に命じられるがままに嫁ぎ、嫁いでからは個よりも公として生きる。今よりもっと女性が縛られた時代、天璋院篤姫は自らの意思によって将軍を支え、幕府政治の未来を負う。女性の生き方について考察するコラム『与えられた運命の中で生き抜く』と併せて。
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