「幸せになれたらいいな」と漠然と思い描く人は多いですが、「必ず幸せになる」と決心する人は少数ではないでしょうか。
求めても得られなければ傷つくから、最初から求めない。
それは一見、正しい選択に見えますが、人間、心の底から求めなければ、手に入れることができないのも本当です。
喉が渇いたら、冷蔵庫を開けて、ジュースを取り出すでしょう。
海が見たければ、切符を買って、電車に乗るでしょう。
それと同じで、人は自分の心で決めたことだけを確実に実現します。
じーっと寝てても、誰かが枕許までジュースを持って来てくれて、海にも連れて行ってくれる、なんて事は、まあ、ありません。
それと同じで、幸せを掴むにも、まずは自分自身に決心するのが肝要です。
漠然と思い描いても、何も始まりません。
じっと観光パンフレットを眺めていても、何所にも旅行できないのと同じです。
「人は、自分が決心しただけ、幸せになれる」というのは、初代アメリカ大統領になったアブラハム・リンカーンの言葉です。
私も最初、言葉の意味がよく分からなかったのですが、大人になるにつれ、その真理を実感するようになりました。
もちろん、みながみな、自分の思い通りに行くわけではありません。
けれども、心の底から望まないことは実現のしようがないし、何もしなければ、何も始まらないのですよ。近場に出掛けることすら叶わない。
多分、思っていても、足が動かない人は、思い通りにならなかった時のことを異様に恐れていると思うのです。
どうせ上手くいくはずがない。
私には絶対無理。
その恐れも分かりますが、何もしない自分をずっと好きでいられるでしょうか。
自分の好きなことに取り組んでいる人がきらきら輝いて見えるのは、失敗して傷ついても、常に行動しているからではないでしょうか。
たとえば、SNSやお絵描きサイトにせっせと漫画を投稿している友だちがいます。大成功とまではいかなくても、そこそこにフォロワーもついて熱心なファンもいます。
それと見比べて、私は漫画も描けないから駄目だと思い込む。
そうではなく、「漫画を描けない人は駄目」と思い込む自分自身に問題があるのです。
漫画の上手い下手は関係ありません。
もし、あなたが短歌が好きで、SNSにせっせと投稿しているなら、「あなたは漫画、私は短歌で、お互い頑張りましょうね」という気持ちになるでしょう。
漫画や短歌の能力は後から付いてくるもので、まずは「自分で作ってみよう」「公開してみよう」と決心するところから始まります。
何もしないで、自分は駄目だ、下手くそだと思い込んでいる人は、既にスタート地点で躓いているわけですね。
「幸せ」もそれと同じです。
幸せを漠然と思い描いて、ぼーっと待っていても、何も始まりません。
喉が渇いたら、冷蔵庫の扉に手を伸ばすように、まずは自分で「こうしよう」と心に決め、立ち上がりましょう。
『人は自分が決心した分だけ幸せになれる』というのは、決意なしには冷蔵庫にさえ手が届かない、という意味です。
恋人がいないから、苦しいのではなく、恋人がいない自分を嫌っているから苦しいのです。
結婚できないから、みじめなのではなく、結婚できない自分を卑下しているから、みじめに感じるのです。