われわれには理解できないことが少なくない。
生き続けて行け。きっとわかって来るだろう。ゲーテ
「生きることに意味なんかない」
「生きていても仕方ない」
じゃあ、死ねばラクになるだろうか。
誰かにとって、特別な存在になれるだろうか。
それは多分、勘違い。
死ねば終わり。
後に何も残らない。
「生きていても仕方ない」と思うのは、誰にも愛されている気がしないからで、君自身にに問題があるわけじゃない。
君の命の可能性と周りの関心をごっちゃにしてはいけない。
一番大きな間違いは、「生きる」の反対語は「死ぬ」と思っていることだ。
死ぬことは、肉体の終わり。
周りの人にも、「死んだ人」として記憶される。
自分が永遠に消えてなくなるわけじゃない。
「生きる」の反対語は「あきらめる」。
望むことも、やり直すことも、全部あきらめることだ。
じゃあ、生き続けると、何かいいことあるの?
もちろん。
君があきらめない限り、答えは必ず見つかる。
人生の「いい事」とは、大金を手にしたり、素敵な恋人ができたり、他人に自慢することじゃない。
ある日、突然、心の目が開いて、生きることが「スッと」楽になることを言う。
「心の平安」とでもいうのかな。
ある瞬間から、不必要に苦しまなくなる。
そうすると、心が軽くなって、自分のことが好きになる。
たとえ愛されなくても、仕事がなくても、病気でも、「今、ここに、生きている自分」が、いとおしく思えるようになる。
その時、はじめて、「自分を愛する」という言葉の意味が理解できるようになるだろう。
そして、それが理解できたら、今まで「許せない」と思ってた人たち、君にイヤなことばかり言って苦しめる人たちのことも、どうでもよくなっていく。
そんな心を手に入れたら、もう怖いものもなくなる。
これ以上の財産があるだろうか?
生きるということは、誰かに勝利する為のものじゃない。
「発見」と「理解」のプロセスだ。
人生のRPGでは、ポイントをたくさん貯めた人より、あっちに寄り道、こっちで躓きしながら、いろんなアイテムを見つけた人の方が楽しいんだよ。
昔、ゲーテという偉い人が言ってたよ。
生き続けて行け。きっとわかって来るだろう。
世の中の本当に大事なことは、30年、40年と生き続けて、やっと理解できることの方がずっと多い。
たとえば、今の君に、親の気持ちなんて到底理解できないだろうけど、数十年後、君も人の子の親になれば理解するようになる。
10代や20代、どれほど理屈が立っても、理解してないことの方が多いし、何も分からないうちから、あれもダメ、これも間違いと決めつけて、人生を結論づけるなどナンセンスだ。
そう言われても、「何、言ってんだろう」としか思わないかもしれない。
だから、「生き続けて行け。きっとわかって来るだろう」
ゲーテはそう言って若い人を励ましたんだ。
いつか君が本当に理解した時、この言葉の重さを知るだろう。
「ああ、あの時、諦めなくてよかった」と心の底から思う日が来るはずだ。
その瞬間を「幸福」と呼び、その日を楽しみに生きることを「希望」と言う。
ゲーテ格言集
とても読みやすくて、読後感も爽やかです。小難しいことは何も書いてないので、すっと心にしみますヨ☆