寺山修司 宝石の詩『ガーネット』 ~思い出をかためて一つの石にできたなら

ガーネット

もしも 思い出をかためて
一つの石にすることが出来るならば
あの日二人で眺めた夕焼の空を
石にしてしまいたい と
女は手紙に書きました

その返事に 恋人が送ってよこしたのは
ガーネットの指輪でした

あかい小さなガーネットの指輪を 見つめていると
二人はいつでも
婚約した日のことを思い出すのです

愛さないの、愛せないの (ハルキ文庫)

恋人がプロポーズしてくれた日は、世界で一番幸せな日。

それは一瞬で通り過ぎるけど、いつまでも心に残る大切な日。

辛いことがあっても、悲しいことがあっても、素敵な日の思い出があれば、乗り越えることができます。

婚約指輪は、永遠の愛を約束する保証書ではなく、心を強くするお守りのようなもの。

つい憎んだり、八つ当たりすることもあるけれど、指輪を見つめていると、優しかった時のことも懐かしく思い出されます。

それが恋と結婚の障害を乗り越える護符になります。

宝石のガーネットは強力なパワーストーンでも知られ、「実り」「優雅」」「勝利」「貞節」の石としても知られています。

うつろぎやすい人の心に、永遠の愛と誓いを思い起こさせてくれる、優しくも力強い宝石です。

参考文献 夢見るジュエリ(岩田祐子・東京書籍株式会社)
参考URL 京セラ ジュエリーオンラインショップ『ガーネットに込められた意味とは

こちらもおすすめ

私の最愛の詩です。寺山修司らしさがぎゅっと凝縮された、宝石みたいな詩です。

なみだは にんげんのつくることのできる 一番 小さな海です ~寺山修司の海の詩

ガーネットの指輪

ガーネットの指輪。お洒落で可愛いですね。

でも、寺山修司の詩のイメージは、もっと深みのある赤色で、質素な台座に、大きな石だけがのっている感じ。

ガーネットよりルビーの方が高級な印象がありますが、ルビーは気合いが入りすぎて、かえって持ちにくいかもしれません。

高価な石でありながら、どこか庶民的なイメージがガーネットの魅力かもしれないですね。

女子向け → ガーネットの意味や効果とは。実りある人生を願う天然石(OnTrip JAL)

書籍案内

寺山修司の詩集は、いろいろタイトルを変えて、何度も編纂されているので、どれが、どれに収録されているのか、一口に説明することはできません。

私が最初に知ったのは、ハルキ文庫『愛さないの、愛せないの』です。

愛さないの、愛せないの (ハルキ文庫)
愛さないの、愛せないの (ハルキ文庫)

現在では、『少女詩集』に収録されています。初心者にも、ファンにもおすすめの一冊。

誰かにこっそり教えたい 👂
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次 🏃