小説– category –
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今行うか、永遠に成さないか ~ラテン語の名句
海洋小説 『MORGENROOD -曙光』ではビジネスの隠語としてラテン語が登場します。 「今は返事しない方がいい」とか「この件は疑わしい」とか、その場では口にできない事も、ラテン語なら暗号文のように相手に伝えることができるからです。 MIGの経営者であり、仲のいい姉弟でもあるダナとアルも、彼らにだけ理解できる暗号としてラテン語を駆... -
生命の始まりは微生物 ~今日の利益か、数億年後の生命か
海洋小説 MORGENROOD -曙光では、拾いの神と称されるアル・マクダエルが潜水艇パイロットのヴァルター・フォーゲルをスカウトする為に、荒れ果てたトレーラー村までやって来ます。アルは、海の惑星アステリアに眠る海底鉱物資源の採掘を計画していましたが、本採鉱を前にプロジェクト・リーダーが失踪し、急遽、深海で接続作業のできる高度技... -
現代文明とレアメタル ~金属資源がもたらす混乱と悲劇
現代文明を支える鉱物資源が政治問題や人権侵害を引き起こし、重大な社会問題となっている事実について、白戸圭一氏のアフリカ・ルポルタージュを元に解説。 -
創作の背景
SF医療ファンタジー『TOWER』を書くに至った経緯を紹介しています。 創作の背景 『TOWER』は中学生の時に思いついたキャラクターの『アドナ』と『スティーブ』をメインに創作しています。当時、アドナは「クールな無性体の天才科学者」、スティーブ(スティン)は天衣無縫なジャズピアニストという設定でした。研究所の実験ポッドで生まれ、... -
ケルビムの炎の剣と生命の樹
アドナは生まれて初めて最下階に降り、強い西日に心を打たれる。だが、それは生命の樹への道を阻むケルビムの剣のようだった。アドナは医療界のラスプーチンのように勝ち誇るエルメインの悪の所業を思い返し、自らの運命を嘆く。 -
希望こそ命の糧 ~スティンとアドナの出会い
瀕死の少女を病院に送り届けた後、アドナはスティンに再会する。スティンはアドナへの無礼を詫びるが、市民に真実を告げない執政府の無責任を詰る。 -
医療と呪術 ~ジュール医師とエルメイン
最高評議会の後、アドナはジュール医師の心中を思いやり、少女の死因が未知の微生物による感染症と推測する根拠を問う。水循環システムの老朽化が原因なら、直ちに対処しなければ、市民全員が命の危険に晒されるが、設計図はいまだ復元できず、評議員も当てにはならない。アドナは何故エルメインのような人間がVIPの支持を得るのか訝るが、ジュールは「医療も突き詰めれば呪術だよ」とエルメインの不思議なカリスマ性について説く。 -
恋の行方と心の性 ~アドナの苦悩とジュールの診察
謎の感染症が拡がる中、アドナはヒトの免疫力を究極まで高める『神の遺伝子』の存在を知り、自らの宿命を悟る。しかし、ジュール医師は、心と身体に問題を抱えるアドナをいたわり、「大事なのはどう生きたいかだ。身体の問題と恋の行方をごっちゃにしてはいけない」と優しく諭す。 -
神様の手違い ~男の身体に女性の心が入ってしまった
スティンに「気持ち悪い」と言われたアドナは深く傷つきながらも、彼の身を上を案じずにいられない。その想いを知ったセスは、スティンとの賭け試合を受けて立ち、スティンに真実を告げる。アドナの心と身体の性の違いを知ったスティンは彼の境遇に心を痛める。 -
エデンの庭師 ~アドナとセスの語らい
超高層ビル(タワー)の上層に閉ざされた市民の食を繋ぐため、『エデンの庭師』ことアドナはゲノム編集による農作物の水耕栽培に力を入れている。だが後輩のセスは先の見えない未来に絶望し、溜め息をつくばかり。そんなセスにアドナは希望を説くが……。 -
人類最後の聖域と遺伝子保存プロジェクト
謎の生物の大量死の後、人類のリーダーとなる≪十二の頭脳≫は、全生物のDNAと体細胞を保存する「遺伝子保存プロジェクト」を立ち上げ、基地となる超高層ビル『TOWER(タワー)』を建設するが、アクシデントによって設計図は失われ、人類は上層の半閉鎖式生命圏に閉じ込められる。 -
作品のあとがき ~性転換手術を受けたAさんのエピソード
私がAさんに出会ったのは、新米看護婦として外科病棟に勤務していた頃のことです。 Aさんは二十代男性で、外国で膣形成術を受けたものの、膣と直腸の間に瘻が生じ、腸の内容物が膣に漏れ出すなど様々な問題が生じた為、手術目的で外科病棟に入院されました。 幸いAさん自身は健康で、既往歴もなかったことから、瘻を縫合すれば、すぐに軽... -
創造的な生き方とは ~目的を打ち立て、大地に意味と未来を与える者
今の世の中、「自分が好きになれない」と悩んでいる人も少なくありません。 好きになれない原因は、「理想通りにならない」「欲しいものが手に入らない」「周りと比べて劣っている」といった不満や不安が根底にあります。 それが、つのりつのって、怒りに変わると、激しいルサンチマン(怨念)となり、世を呪って、自分も周りも苦しめるよう...
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