詩とエッセイ– category –
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意思が運命に働いて、幸運も運ばれる
意思の力が幸運を運ぶ 『フォルトゥナの娘』と呼ばれるリズは、不利な条件で海洋都市の改善を訴える恋人のヴァルターに幸運の風を吹かせるべく、プレゼンテーションの機会を設けます。 もちろん、プレゼンテーションに挑んだからといって、必ず勝利するとは限りません。 しかし、何もしなければ、無はいつまでたっても『無』のままです。 何... -
理屈で人を変えることはできない
私が初めてPCを買ってネットに接続したのは'97年、自分でもフォーラムに投稿したり、掲示板に書き込みしたりするようになったのが'98年なのですが、当初は確かに新鮮で面白かったです。 うわー、ネットが普及したら、すごい時代になるなぁ、とも思ってました。 でも、いろんな経験を通して、すぐにそれは幻想だと気付きました。 少なくとも、... -
情けは人の為ならず ~自己責任論の矛先
自己責任論の矛先は、いずれ自分自身に向かう。 自分も同じ境遇に陥った時、周りに「助けて」と言えないからだ。 言えば、自分も同じように「自己責任」とあしらわれているのが目に見えている。 誰にも言えず、他人を信じることすらできず、自己責任の罠にはまって落ちていく。 昔から『情けは人の為ならず』というが、自身の暗黒もいつ訪れ... -
やっても悪口を言われ、やらなくても悪口を言われる
『やっても悪口を言われ、やらなくても悪口を言われる』というのは、西洋の文化人の言葉です。私も誰の言葉だったか、まったく覚えがないし(英首相・チャーチルか?)、もしかしたら「書いても悪口を言われ、書かなくても悪口を言われる」だったかもしれない。名言サイトで似たような文言を見かけたら、頭の片隅にメモして下さい。 多分、実... -
サルに学ぶ処世術と人生論 猿山のイノシシ&ひょうたん猿
猿山にイノシシが同居するのは最下層で抑圧される猿のストレス解消に役立つからである。ひょうたん猿は、ひょうたんの中に入った米を掴みだそうとして手が抜けなくなり、そのまま農夫に捕らえられる愚かな習性を物語るエピソード。人間社会も決して笑えないという話 -
延死 ~医療が引き延ばす死~
命を延ばすというよりは、死を引き延ばすような医療の在り方について。人間としての思考も意識も完全に停止し、自分で自分が誰であるかも分からない、ただ呼吸するだけの肉体として存在するに過ぎないなら、それも人間として尊厳のある「生」のうちに入るのだろうか? -
死ぬことと生きること 『病院は社会の縮図、そして人生の縮図』
分娩に立ち会った次の日の朝、 いつものように白い洗面器にぬるま湯をはり、一番最初に洗面介助をした重症のおばあちゃんの個室に運んで行くと、すでに名札が外され、部屋は空になっていた。 「あの……あの方、部屋を替わられたんですか?」 と看護婦さんに聞くと、 「ああ、**さんね、夕べ、亡くなったのよ」 私はワゴンを押してユティリテ... -
人は言葉を作るが、やがては、人が言葉に作られるようになる
言葉は怖い。人を癒しもすれば、傷つけもする。だけど言葉の本当の怖さを知ったのは、メルマガで配信するようになってからだと思う。 「人は言葉を作るが、やがては、人が言葉に作られるようになる」 それが私の得た第一の教訓だ。 人間、言葉によって一つのスタイルを作ると、いつしかそのスタイルに支配されるようになる。自分が言葉の主人... -
曙光の言葉 ~海の愛、人の知恵、恋のささやき
『海洋小説 MORGENROOD -曙光』の中から心に響く言葉を集めています。 仕事、人生、恋愛、等々。 お気に入りの言葉が見つかれば幸いです。 曙光の言葉 [wp_show_posts id="2831"] Kindleストア -
海のように深く静かに沈潜する ~内省こそ人生の処方箋
『沈潜』とは深く沈んで黙考すること。人は喋ったり、書いたりしている間、深くは考えないものです。時に立ち止まり、深く沈潜することで、人生が好転することもあります。小説の一場面をモチーフとした心のコラムです。 -
【短編】沈める寺 ~ドビュッシーの名曲より
短編『沈める寺』 一人の男が、湖のほとりにたたずんでいた。 彼は、ひと月ほど前から、湖の近くのホテルに滞在していた。そして、夕暮れになると、こうして湖のほとりに立ち、何時までも動かぬ水面をじっと見つめているのだった。 彼が何者で、何のために湖を見つめ続けているのか、知る者は一人としてなかった。 だが、同じホテルの客の一... -
E=MC2 人生の質量は心のエネルギー × 時間の2乗に優る
いよいよ21世紀が始まりました。皆様の抱負はいかがですか。 今回は、21世紀の始まりにふさわしく、ちょっと宇宙的な話を書こうと思います。 皆さんは、「時間」という概念をどのようにお持ちですか。 人間のタイムスパンは、一日24時間。 一生はだいたい80年です。 しかし、その時間の『量』も、人間が考え出した単位に基づくもの。 宇宙の... -
罪人の償いと本当の救い ~犯罪者は幸福になってはいけないのか 映画『ハミング・バード』より
原題は『Redemption』(償い)。 戦場の狂気から、罪なき民間人を殺害したジョゼフと、性的ハラスメントから逃れる為に体操コーチを殺めてしまったクリスティーナの、それぞれの償いを描いています。 罪を背負った人に共通するのは、『罪をおかした人間は、決して幸せになってはならない』という思い込みです。 本人がそれを自分に課している... -
レコードアルバムという物語 ~A面で恋をして、B面で納得
アナログレコードという物語 A面とB面 : 作り手の駆け引き 近年、アナログレコードが売り上げを伸ばしているという。 うちの近所の家電量販店も、DVD売り場の1/3がアナログレコードに置き換わった。 30年以上前に目にして、それっきりの、あの有名ジャケットが、どーんと売り場の顔になっているのは感無量だ。 今、若い人の目で見ても、十分... -
人生の春 ~泣けるうちが花
わあわあ泣けるのも、若さの特権です。 年取ってから嘆き悲しんでも、惨めなだけです。 私も枕カバーが変色するほど泣き明かしたクチですが、 今はあれほど落ち込む理由もないし(諦念にまみれて)、 純粋に泣けた時代が本当に懐かしいです。 変色した枕カバーを洗濯して、 春の日射しで乾かし、 来年こそは幸せになる! と誓った日。 そんな... -
【質問】鳥になれたら最初にどこに飛んで行きたいですか?
もし鳥になれたら最初にどこへ飛んで行きたいですか? 『質問』 田中未知さんより それは『過去の自分』です。 『あの頃の私』が頑張ってくれたから、今がある。 過去の私には感謝しても、しきれないくらい。 挫けなかった私。 決して諦めなかった私。 思えば、どんな危機に陥っても、不思議と「絶望しきる」ということはありませんでした。... -
【詩】 Darkness 闇もまた優しい
陽が当たりそうで 当たらない そんな暗闇を生きている 生きることに意味があったのは 言葉も知らない 無垢な頃 何が私を変えたかは 遠い昔のことなので 語る気にもなれない 時々 蜃気楼のように 夏の日差しを思い出すぐらいで そうして私は 何度も闇に落ちる 悲鳴も上げずに 何度も 何度も 闇もまた優しい そこでは 希望を持つことも 忘れ... -
悲しみは、あなたを強く、優しくする
ある時、私の友人に悲しい出来事があって、心配になって電話したら、彼女がこんな風に言っていました。 「私には、こうやって、一人で辛い時に心配して電話してきてくれる友達がいる。それだけでも、なんて幸せなんだろうと思う」 それは私もお互いさま。 辛い時、悲しい時、互いに励まし、慰め合える友だちがいることは、本当に有り難いし、... -
立ち止まって初めて気付く過ちもある ~『頑張り』という現実逃避
海洋小説 MORGENROOD -曙光の主人公は、自分を傷つけたものに復讐したい一心で、がむしゃらに頑張りますが、とうとう自らの落ち度で、仕事も、信頼も、全てを失い、断崖に立ち尽くします。 しかし、大いなる海を見るうちに、心も慰められ、これまでの行いを内省するようになります。 一生懸命。 勤勉。 向上。 頑張り。 絶え間なく努力する人... -
存在理由 ~ただ存在するだけで愛される
意味があるから、役割があるから、愛されるわけじゃない 「どんな生き物も、別の世界に適応するのは大変なことだ。人間に限らず、魚でも、鳥でも、それぞれの身体に適した世界があって、その中で生きるように遺伝子にプログラムされている。どんな生命も、その星の土や水から作られていて、それらも含めて、自然のシステムを成している。たと...